17歳からのメッセージReport2013

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12 17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージ踊り子の募集を見てすぐに応募することにした。それには三年前のよさこい祭りが関係していた。三年前の夏、私は初めてよさこい祭りに参加した。とても蒸し暑い日だったが、たくさんの人が踊りを見に来てくれていた。私は全く知らない場所に緊張しながらも、一生懸命踊った。しかし、その日の夜、自宅に帰ってから父に「お前の踊りはただ踊っているだけで見ていて何も伝わらなかった。今まで何のために練習してきたんだ。」と言われた。私は父の言葉の意味が分からず〝暑い中頑張って踊ったのに?と父に腹が立った。それから二年が経った昨年、よさこい祭りを見に行く機会があった。私の目に映る踊り子は笑顔が素敵でキラキラして見えた。見ているだけで楽しくなる笑顔だった。そのとき、私はあのときの父の言葉の意味が分かったような気がした。あのときの私は誰のために何を思って踊っていたのだろう。暑い中たくさんの人が踊りを見に来てくれている。「頑張れ、頑張れ。」と声を掛け、うちわで扇いでくれる人がいる。そんな人達のために私は何ができるのだろう。今年、私はもう一度三年前と同じ場所で踊る。そのときには見に来てくれた人達、練習を支えてくれた家族に感謝の気持ちが伝わるように全力で笑顔で踊りたい。そして三年前の私のためにも最高の夏にしたい。熊本県立八代工業高等学校(熊本県)藤井莉帆さん大きな背中いつだって二番目。中学三年生の頃の私。いつだって二番目に手を挙げたり、自分から副○○のポジションを選んでいた。誰でも一番がいいと言うだろう。でも私は二番を好んでいた。高校受験。自己PRの課題を前に、私は初めてそんな自分を嫌いだと思った。一番手は注目され周りから期待をされる。みんなの前に立つその背中、自信に満ちた笑顔に憧れつつ、一方で自分には無理だと逃げていた。挑戦さえしなかった弱虫な自分が嫌になった。変わりたいと思い、高校からはあえて自分から前に出た。向いていないとは思ったが、思いきって憧れていた弓道部に入った。勉強も前向きに取り組んでみた。手を抜かず、遠慮もせず、向き合った。精一杯やるからこそ、壁にぶつかったり、悩んだりした。自分を変えるということは、自分を否定し、一歩踏み出すこと、視点を変えること。正直きついことだ。それでも、挑戦し続けたことで、自分の可能性を広げられた。気づけばあれから三年。私は高校三年生になった。弓道部主将、成績優秀賞、科の総責任者…この場所で胸をはっていいのか、私の背中はまだ頼りがいなく小さい。順番や位置づけがすべてではなく、一つの目安として自分が頑張れたらいい。変化の途中、私は私の可能性を信じて、選択し行動していきたい。行動の結果に胸をはって自分を認めた人間は、最高に輝いていると思うから。宮崎県立飯野高等学校(宮崎県)八ヶ代晶子さんさくらんぼの木私の両親は、子どもが生まれた時に果物の木を植えました。兄の時はグミの木、姉の時は観賞用の小さなリンゴの木、私の時はさくらんぼの木です。グミの木も、リンゴの木も、毎年花を咲かせ実をつけます。でも、さくらんぼの木は2年に1度しか実をつけません。母にその理由を聞くと、「あきちゃんと一緒でマイペースなんだよ。2年に1度は食べられるんだから、それでいいでしょ。」と言われました。確かに私はとてもマイペースです。保育園や小学校の時には何をするにもみんなより1歩遅れて始め、終わる時には時間が足りずに別の時間を使って終わらせていました。でも、私は自分のマイペースな部分を嫌いになったことはありません。それはさくらんぼの木のおかげです。父は「さくらんぼは1年目に栄養をためて、2年目に実をつけるんだよ。」と言いました。他の木の2倍の時間をかけて、甘いさくらんぼを実らせているのだそうです。私は2年に1度、さくらんぼの実を見るたびに、1年間の見えない努力で実ったことを誇らしく思います。私はこのマイペースな木が大好きです。宮崎県立宮崎商業高等学校(宮崎県)川畑絵美子さん自分をみつめなおす私はカメレオンです。カメレオンは環境に合わせて色を変え、背景にとけ込みます。私は小学校高学年から今まで、毎年クラス替えをする度に性格が変わっていきました。自分と親しい友人が多い場合は、明るく活発で気の強い性格に、また親しい友人がクラスに少なかった場合は、物静かな性格にというように。私は環境に合わせて自分を変えていきました。その結果、私は自分の意見を持たなくなってしまいました。そして、次第に友人が自分の元から離れていくのを中学3年の時に感じました。自分の意志を持たない自分に人が寄ってくるはずがない、自分を持たないといけない。とそこで初めて気づきました。早速行動に移そうと私は自己主張をし始めました。周りの意見は聞かずに自分の意見を突き通していきました。すると、ますます友人は自分から離れていきました。このような経験をし、集団生活は本当に協調性が大事なんだと学びました。私は高校生になり、中学時代の友人と話すと、角がとれたね、落ちついたねと言われるようになりました。しかし、今の私はまたカメレオンになりつつあるなとこの作文をきっかけに気づきました。あと数ヶ月でまた環境が変わります。この数ヶ月の間に自分と向き合います。カメレオンから完全に人になるために。