17歳からのメッセージReport2013

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16 17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージのは好ましくないが否定はしない。そういうものだと私は思っている。一応ここで断っておくが、私はなにも、「嫌い」だと言いやすい人達を批判したり否定しているのではない。むしろ私はそういった人達を感情がはっきりしていてうらやましく思う。なりたいとまでは思わないが。この考えが正しいか正しくないかはわからない。それに、あまり興味もない。だが、全てを否定するよりは好ましくなくとも、時には受け入れることも大切ではないだろうか。まあ私自身「嫌い」が嫌いと題に掲げているし、随分とあいまいなものである。神戸市立兵庫商業高等学校(兵庫県)髙橋綾奈さん間違った正解今の日本は、他の国と比べて少しずれている、と私は思っている。特に、学校など「小さな社会」と呼ばれている場所では、そのずれが強く感じられる。例えば、頑張って勉強をしている人、真面目に授業を受けている人は「ガリ勉」と言われ、お金を使わない人の事を「ケチ」と呼び、一つの物が大好きで、一つの事に熱中している人のことを「ヲタク」と言う。逆に、スカートをずらし、制服を着崩すことが「おしゃれ」だと言われ、目上の人に反抗する事は「かっこいい」事だと思われている。校則を破った事を注意する教師はうっとうしいと言われ、嫌われてしまう。今、これだけは言いたいこと。それは、「本当にそれが正しいのか?」ということ。この話をすると、私はいつも「ずれている」と言われてしまう。「小さな社会」の中では、私も一つのずれだということだ。ずれがずれを生んで、たくさんの人がたくさんのずれを感じている。その中で、どれが正しいのかを決める事は、とても難しい事だ。百人のうち、九十九人が間違いであるAを選べば、Bを選んでしまった一人は、答えが合っていても、それが間違っている、と言われてしまうのだから。アメリカでは、個性を受け入れ、尊重することが普通らしい。それにもやはり日本とのずれを感じる。しかしこれは「小さな社会」で生きている今だからこそ感じる事で、この考えは少しずつ変わっていくのかもしれない。和歌山県立那賀高等学校(和歌山県)小林奈央さん「おい!自分よ」おい!自分。お前は何故そんなに背が低いのだ。まだ150cmないとは、どういうことだ。誰か、ひっぱってくれないか?1年前は、弟に10cm勝っていたのに、今では8cmも負けている。自慢気に背比べを求めてくる弟に、やけに腹が立つ。ただ、〝羨ましい?この気持ちがバレたくなくて、現実逃避をするのだ。おい!自分。お前は何故すぐに部屋を散らかすのだ。服・本・ノート・ペン・カバン・財布・ポーチ…。整理をしても、2日後にはまた散らかっている。A型はキレイ好き?いや、ちがう。めんどくさいと思えば、とことんめんどくさいのだ。自分よ、とりあえず、出したらたまる前に、すぐ片付けろ!おい!自分。お前は何故そんなに優柔不断なのだ。まず何にしても、どうして物を2つ選ぶ?2つ選ばなければ迷わずにすむのに、毎回どうして2つになるのだ。いつも、いつもにらめっこして…。今となっては、必ず物を2つ選んでしまう自分に笑けてくる。おい!自分。お前は他人に左右されず、ありのままの自分で生きろ!時には、殻を破って弾けることも大切だ。でも、欠点も美点も全部含めて、自分なんだ。だから、自分よ!ただ、ひたすらに、何事にも一生懸命に〝自分?を持って生きろ。おい!自分。自分らしく、頑張れよ!鳥取県立鳥取湖陵高等学校(鳥取県)竹尾日菜子さん父と娘の小さな秘密ここだけの話、私と父には家族に隠している秘密がある。それは、学校帰りに時々買い食いをしていることだ。私は家計の事情で、今まで小遣いを貰ったことがない。そのため、帰り道に友達と買い食い等ということはあまりしない。そんな私を知っていて、父は時々帰りにスーパーマーケットに寄ってくれる。「今日も行くか??」バックミラー越しに悪戯っぽい顔が見えたらそれが合図だ。大げさに聞こえるかもしれないが、我が家に買い食いという文化は無く、これがもし妹や弟に分かると「お姉ちゃんばっかりずるい!不平等だ!」なんてプチ暴動を起こすかもしれない。とは言ったものの、父の小遣いも多いわけではない。それなのに私の為に買ってくれる父の気持ちに感謝しつつ、なるべく割引のシールが貼ってある菓子パンを選ぶ。これを車の中で食べるのが最高においしい。父曰く、「学生の醍醐味はなぁ、やっぱり買い食いだろ!部活が終わって腹がすいとる時に、ちょろっと買って食べると、これがまたうまいだけぇ?」らしい。最近思うのは、あとどのくらい父とこうして帰りを共にできるのだろうかということだ。それは父も同じらしく、「こうやって帰るのも、あと少しだなぁ」と呟いたことがある。父との小さな秘密も、高校を卒業し、そしていつか思い出になるのだと思うと、少ししんみりしてしまう。今度は私が、父の好きな揚げパンと缶コーヒーを奢ってあげよう。岡山県立岡山東商業高等学校(岡山県)槇満恵さん私の兄「お姉ちゃん、えらいねぇ。弟くんのお世話して」兄と一緒にいると必ず言われる台詞だ。6歳年上の兄は、生まれたときから身体的にも知的にも重度の障害を持っていた。言葉はしゃべれないし、一人で立つことも出来ない。痩せ細った体を深く曲げるようにして車いすに乗っているから、実際よ