17歳からのメッセージReport2013

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1917歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージ熊本学園大学付属高等学校(熊本県)下田裕菜さん儚い命「生まれてる!」二年前の四月、我が家に〝金魚の赤ちゃん?が生まれた。体長およそ一センチほどで、その姿は何とも言えない可愛らしさであった。約三百匹の金魚達。これらがたった一匹から生まれたのだから驚きだ。すごいぞ、よく頑張ったね!と声をかけた。しかし数日後、金魚の数が減っていた。きっとうまく成長できず死んでしまったのだろう。私たちは悲しむだけで、どうすることもできなかった。それから二百匹、百匹…と次第に減っていき、生き残った中にも大きさの違いが現れはじめた。兄弟を押し退けエサを食べる金魚は成長が早い。しかし押し退けられた方は、十分なエサに有り付くことができず小さいままだ。金魚にも、このような厳しい世界があるなんて知らなかった。あれから二年経った今、金魚はたったの三十匹ほどになってしまった。小さいものは三センチにも満たないが、それでも精一杯生きている。この金魚達の母親は、数カ月前に死んでしまった。しかし十年間も生き、たくさんの子孫を残してくれた。そしてまた、この三十匹が次の世代へと命のバトンを繋いでくれるだろう。私は金魚達から、命の儚さを改めて学ぶことができた。私たちが生まれ、十七年間も生きていることは決して当たり前ではない。私たちは、この奇跡を噛み締めながら精一杯生きていかなければならない。沖縄県立向陽高等学校(沖縄県)喜屋武盛真さん在沖米軍私たちの住む沖縄は今、オスプレイの配備、米兵の住居侵入、米兵による暴力事件など、米軍基地があることで様々なリスクを抱えてここ沖縄で生活している。高校生になって、より沖縄のことを考えるようになった。その時、切っても切り離せないのが沖縄と米軍基地の関係である。国土のわずか0.6%に過ぎない沖縄に日本の約75%もの米軍基地がおかれているのである。基地周辺での騒音はとてもすごい。また、最近はオスプレイの飛行しているところを見たりすると人ごとではない感情になる。特に私が許せないのは、米兵による県民への暴力行為である。暴力をふるった米兵の中には、基地にさえ戻れば、何事もなかったかのように済ませてくれるとさえ考える米兵もいるのだ。「ふざけんな」沖縄県民の気持ちである。私たちの住む素晴らしい沖縄がこのようなことで苦しめられるのは絶対に許せない。普天間基地の移設などが取りざたされ大きく変わろうとしている今、これからの沖縄の米軍基地について真剣に協議してもらいたい。また、日頃からニュースに耳を傾け、知識を取り入れ、よく考え、米軍基地No!!という自分の意見をしっかり持てるようにしていきたい。また周りの人との意見交換や今の沖縄の現状、自分の意見をこのような文面、SNSなどを利用して多くの人に伝え、分かってもらえるようにしたい。奨励賞92作品今までの自分、これからの自分1テーマ富山県立富山いずみ高等学校(富山県)老本美奈子さん「障害者」から「障がい者」へ「うわ、チテだ。気持ちわる。」私は駅のホームで電車を待っている時、隣の方からそんな声が聞こえた。見ると、「チテ」いわゆる知的障がい者に向けて中学生らしき女の子のグループが言ったものだった。私は、なんてひどいことを言うんだろう、と思いながらもハッとした。実際、私も知的障がい者の方を見て怖いと思ったことがあったからだ。結局は私もあの女子中学生たちと同じだったのだ。私は現在、高校で点字など社会福祉について学んでいる。障がい者についてたくさん学ぶようになり、昔のような偏見はなくなってきたと思う。しかし、私の気持ちが変わったことで何かが変わるわけではなく、現在でも障がい者に対して偏見の目を向ける人が多くいるというのが現実だ。点字ブロックがはがれていたり、スロープがないところも多い。そして、社会福祉の教科書でさえ、今だに、「障がい者」ではなく、「障害者」と書かれているのだ。私は社会福祉を学んでから、以前のように、知的障がい者の方を怖い、とは思わなくなった。しかし、社会の障がい者に対する偏見をなくすには、もっと多くの人の理解が必要だ。そして、どんな人でも過ごしやすい環境をつくっていけるように、みんなが協力して「障がい者」を支える一歩を踏み出していかなければならないだろう。