17歳からのメッセージReport2013

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2717歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージ長崎県立諫早農業高等学校(長崎県)井手口明さん公立高校生の一員として僕はこの春、公立高校に入ったばかりである。なぜこの僕が、公立高校に入れたのか、私立高校や定時制高校ではなく全日制の公立高校に入れたのだろうかと、今でも不思議に思う。努力もしない、前科があって両親を離婚まで追いつめたこともあるのに。「なぜこの学校は僕を入れてくれたのか。」、「なぜ僕のような人間を。」と登校時のバスの中で考えこんでしまった。それでも両親は、別々の立場で支えてくれた。父は進路、母は体の心配をしてくれた。そして、僕は、部活を決めないといけない日を迎えた。前科があるため、ずっと迷っていました。その時、今までの考えを掻き消すような言葉を言ってくれた人がいた。それは、僕が入ろうとしていた部活の顧問だった。その言葉の中でも「中学校までと高校は違うのです。自分でやりたい事を自分のために考えなさい。」これが、改心のきっかけとなった。さらに、改心と共に大きな自由をもらえた気がした。そして、僕は、吹奏楽部に入部し、チューバの担当となった。色々大変でその影響で「なぜ僕のような人間を。」と思う時がある。でも、先生のあの言葉を忘れずにこの高校に入学したことを親孝行のスタートラインとしたい。支えてくれた家族や先生達に迷惑をかけた分、この学校で努力をしていき、両親の離婚の話を少しでも遠ざけて無くしていきたい。と同時に、新しい夢ができました。それは「両親にいい老後をおくらせたい。」です。長崎県立佐世保商業高等学校(長崎県)千住明莉さんこれからの生き方私は、流木のような人間だ。社会という大海と、時の流れという名の風にフラフラと流されて生きてきた。人や変わりゆく環境に身をまかせ、物事に対する自分の意志さえ持たなかった。それでも今生きているのは、両親の保護という樹皮が、海と風の浸食から固く守ってくれていたからである。ところが今、その樹皮は剥がれ始め、風も風向きを変えつつあり、節目の時を迎えている。それと同時に、海も変動しつつある。今、日本は、大きく揺らいでいる。円高による国民への負担、税金制度、政治の方針からあげればキリが無い。そこに畳み掛けるように、国外の問題や自然の脅威も襲い掛かってくる。この中を、私は自分自身の力で生きて先を紡いでいかなければならない。流されるだけの、無能な人間は、荒波に耐えきれずポキリと折れ、大海に沈んでしまう。波に抗い、大時化や嵐にさえ負けない大魚へと進化しなければならない。私は、この社会を力強く、根強く生きていくために、まずは自分の意志をしっかりと持って行動するようにしたい。これから決定していく進路や、学習に対してもそうだ。特に学習は、苦手な科目だったとしても、自分の力になるものや社会の役に立てるならば、歯を食いしばって学んでいきたい。すぐに海を自由に泳げるようにはなれないだろう。しかし少しずつ努力することが、立派な人間になる糸口になると思う。熊本学園大学付属高等学校(熊本県)梁池佳乃子さん少しの後悔「やっと終わった…。」三月七日、ある公立高校の机で私はそうつぶやいた。そのときその言葉を声に出したのか、心の中で思っただけなのかは覚えてはいない。しかし「やっと…。」という思いと変な脱力感だけは鮮明に覚えている。私は公立高校の受験日の前日、医師からインフルエンザの診断を受けた。何年もかからなかったインフルエンザによりにもよって公立高校の受験の前日にかかるなんて…。熱のせいなのか、不安からなのか、あるいは悔しさからなのか分からないが、涙が次々とあふれてきた。熱があるボーっとした頭に色んなことが思い出された。思うように成績が上がらず母とよく言い合いになったこと、晩酌が好きな父が私の塾が終わるまでお酒を飲まず毎晩迎えに来てくれたこと、自分なりに頑張ってきた今までのこと、考えれば考えるほど涙が止まらなかった。そんな私に「私立が決まっているから、明日はもういいんじゃない。」と言った母も泣いていた。母の言葉に首を横に振った。母はそれ以上何も言わなかった。結果は不合格だった。私は合格しなかったのはインフルエンザにかかったからだとは決して思ってはいない。これは負け惜しみでもなんでもない。だってちゃんと受験したのだから。しかし、少しの後悔があるのは事実だ。この少しの後悔を時々思い出しながら、新しい世界を広げていきたいと思う。社会のために、未来のためにできること2テーマ富山県立高岡南高等学校(富山県)濱浦寛子さん理解し、尊敬し、感謝して私には知的障害をもつ友人がいる。彼女の障害は軽度なものであるが、彼女は今十八歳で既に青果の仕事をしている。私は高校二年生になった今、勉強や部活動に打ち込み、めまぐるしい毎日を過ごしている。しかし彼女は毎日同じ場所で同じ野菜や果物を袋詰めしているのだ。彼女は度々現状についての不満をもらす。どんなに頑張ってもアルバイト以上の扱いをしてもらえない。職場の人の対応が冷たい気がする。私はまだまだできるのにどうして新しいことをさせてくれないのだろう。普段は明るい彼女が口に出す言葉ひとつひとつに私の胸は痛んだ。そんな彼女が唯一自らをさらけ出すことのできた場所が、近所にある障害者施設『ふらっと』であった。この場所では障害をもつ人たちが皆いきいきとしている。彼女のような人たちが求めているのは、自分を認めてくれる人のいる場所、自分に対等に接してくれる人のいる場所なのだと思う。今の社会は、障害をもっている人に対して冷たくできてい