17歳からのメッセージReport2013

17歳からのメッセージReport2013 page 39/48

電子ブックを開く

このページは 17歳からのメッセージReport2013 の電子ブックに掲載されている39ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
17歳からのメッセージReport2013

38 17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージ今の私だったら朝から六個のお弁当を作ることなど不可能だ。しかし、お母さんはそれを可能にしている。前の日の晩からお弁当の具の準備をしたり、毎日同じであきないようにだとか色々な事を考えて作ってくれている。そんなお母さんに私はとても感謝している。それと同時にとても尊敬している。私も将来家族のことをしっかりと考えられる大人になりたい。お母さんの作ってくれるお弁当を見るたびに、いつもそう思う。そんな大人になるために、今私がしなければいけないことは何だろうか。それは、よく分かりません。まぁ、これからゆっくりと考えていけばいいかなぁと思っている。でも、お母さんの手伝いをして、少しでも役に立てるようにすること。将来、困らないために家事を覚えること。これは、すぐに実行できると思うので日々やっていきたいと思っている。お母さんのような大人になるため、がんばります。金光学園高等学校(岡山県)菅野真那さん素直に言えない「おつかれ。」右手を上にあげて母はそう言うと次に、「もう寝てもいい?」と勉強を終えリビングに来た私に必ずこう言う。私はいつも思う。これまで母に起きていてほしいと頼んだことは一度もない。しかし母は毎晩、勉強を終える私を起きて待っているのだ。待っているといっても、待ち方はさまざまで、ひどい時には本を読んでいるふりをして完璧に寝ている時もある。なぜ母はそこまでして私を待つのだろうと、疑問に思っていた。ある日、こんなことがあった。勉強を終えてリビングに入ると、珍しく母が寝ていた。リビングは電気が消され真っ暗だった。私は突然今まで感じたことのないような複雑な気持ちになった。皆寝ている中、一人勉強していたのかと寂しい思いだった。私はその時初めて気がついた。たとえ母が起きているふりをしていたとしても、母が起きていると思うだけで安心できていたのだ。母がそこまでして待っている意味が、やっと分かったような気がした。だからといって、「これからも毎晩起きて待っていてほしい。」とも、「待っていてくれてありがとう。」とも、素直に言えない。だから私は今日も、リビングで「もう寝てもいい?」と眠たそうに私に尋ねる母に、「うん。」とだけ言って、笑顔を見せる。広島県立広島工業高等学校(広島県)池田幸志郎さん人生を変えてくれた人俺は中学2年の時、野球の試合で大きなケガをした。3日間立つことさえ出来ず苦しみにもがいた。やっと立つ事が出来るようになり病院に行くと、医者がこう言った。「野球は趣味として続けなさい。」絶望した。今まで頑張って苦しい練習にも耐えてきたのに、本気で野球は出来ないと言われたのだ。俺はクラブチームに入っていたが、このケガを機に練習に参加しなくなった。両親にも「俺野球辞めようと思っとんじゃけど。」と言った。両親も俺の判断に任せるといった。ケガから2週間が過ぎた時、母さんの友達から電話があり一人のトレーナーを紹介してもらった。俺は、「どうせ変わらないだろう。」と内心思っていた。しかし、この人は違った。30秒ほど俺の体を触っただけで、どこの骨がどのようにズレているか言い当てた。そしてこの人は俺の目を見て言った。「本気でもう一回野球がしたいんならワシが治してやる。」この日から、トレーナーとの苦痛なリハビリが始まった。しかし、俺は逃げなかった。何故ならこの人も本気で俺を治してやろうと思っていてくれたからだ。リハビリを開始した2ヶ月後には、あの痛みがウソのように消えていた。俺は今、トレーナーのおかげで野球が続けてこれた。言葉では言い表わせないほど感謝している。いつか、この人を追いつき追い越せるような人間に俺は絶対なる。広島県立広島工業高等学校(広島県)石井大暉さん今の心情僕は今、悩み事が多すぎて困っている。その悩み事の中の一つにクラブ活動のことで、とてもストレスを抱えている。僕はサッカー部でGKをしているのだが、つい最近一つ下の後輩にポジションをとられてしまった。その後輩は一年生の時と比べてとても成長している。それに対して僕は練習量の割に進歩していない気がする。それどころか、最近はサッカーに対する意欲も無くなってきた。プライドばかり高い僕は、後輩が成長していく度に自分が情けなくて仕方ない。確かに後輩は自分よりも多く練習しているし、練習に取り組む姿勢もある。副部長という立場にいる僕は心のどこかで安心していたのかもしれない。そして僕には今気になる子がいて、週に一度会って話している。その時はとても楽しく、いっそ部活なんてどうでも良く感じてしまう時がある。それは試合に出れないという情けなさから逃げているだけなのかもしれない。それでも僕は今、この状況から抜け出さなければならない。部活から帰った時に親から「まだ二年生にスタメン奪われてんの?」という言葉が一番つらい。どっちにしろ僕はこれから、後輩からレギュラーを奪わなければならない。その為には彼よりも練習して、彼よりも高い技術を身につけることが必要だ。正直、できるかどうかはわからない。広島県立広島工業高等学校(広島県)秦海輝さん父への尊敬私の父の仕事はトラックの運転手だ。父は仕事が忙しくあまり家には帰れない。家に帰ると、すぐに母とけんかが始まる。そんな父のことを私もよく知らない。そしてそんな父のことを幼い私は疎ましいとすら思っていた。ある時、小学生であった私は、夏休みを利用して父の仕事