17歳からのメッセージReport2013

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08 17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧17歳からのメッセージ後の日々を想像するのだ。誰も眉毛について触れてこない。ああ、何と素晴らしい…とここである日気づいた。未来の自分が上手くコミュニケーションをとれていないことに。正確にいえば眉毛以外にネタがないのだ。何ということだ。私は知らない内に眉毛に頼りきって友人と会話していたというのか。大嫌いな眉毛に助けられていたというのか!その日から私は眉毛にあまり触れずに友人と会話をするようにしている。同じ趣味を持つ友人も増えた。初対面の人に驚かれたり、笑われたりする日々は変わらないが、楽しいと思えるようになった。今でも眉毛は嫌いだ。抜くという決心も変わらない。でも眉毛のお陰で変わることができた。視点を変えて、自分が変われば、物事はプラスにもマイナスにもなる。鹿児島県立鹿児島盲学校(鹿児島県)吉田華奈子さんあなたに伝えたいある日、その猫は来なくなった。私を救ってくれた、大好きな猫だった。小学校三年生の夏、まだ両目を切り開く手術を受けて間もない頃、私は家の裏山に通っていた。何をするのも億劫に思われて、大抵の時間を一人でぼうっと過ごしていた。気がつくと、一匹の猫が隣に寝そべっていた。私はかまってやる気にもならず、放っていた。ところが、猫は頻繁に姿を現すようになった。追い払っても、場所を変えても、なぜか私の隣へと来た。その内、私は猫が来るのを待ちわびるようになった。「私はね、いつか失明すると言われてるんだよ。もし怖いなんて口にしてしまったら、みんな弱虫だと私を蔑さげすむのだろうね。」いつものように私が胸の内を猫に語り聞かせているときだった。「ニャー。」突然、猫が甲高い声を上げたのだ。私はびくっと身を震わせた。猫は怒っていた。私の真意を察しているのかもしれない、そう思って胸がざわついた。私は人と関わることが苦手だった。失明に対する恐怖も、どうせ分かってもらえないと決めつけていた。私は、私自身の弱さから逃げていただけだったのだ。猫が来なくなったのはそれからしばらくのことだった。私は、他人に積極的に声を掛けられるようになった。あの猫にもう一度会えるのなら、伝えたいことがある。あの頃、あなたは心の拠り所となって私を支えてくれた。私は変われましたよ。あなたと出会えたからです。猫さん、本当に、ありがとう。鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校(鹿児島県)松元隆星さんボールペン。僕は中学生のころからシャープペンシルの代わりにボールペンを使っている。特に大した意味はなかったが、強いて言うならカッコいいから。という中学生にありがちなしょうもない理由だ。ボールペンもコンビニで売っている百円の物。最初は何気なく使っていたが、使っているうちにとても魅力的じゃないかと思うある1つの事に気付いた。〝使い終わった芯を生涯集めたらどうなるのだろう?死ぬまでに何本くらいになるのかを考えるととてもワクワクした。結局、中学校を卒業するまでに集まった芯は13本。本当にこの芯たちにはお世話になった。というのも、高校入試の当日、僕は倒れてしまうのではないかというほど緊張していたが、ふと筆箱に収められた芯たちを見ていると、今までこれだけ頑張ったから大丈夫という思いに駆られ不思議と緊張もほぐれて自分の実力以上に点数が取れ、見事志望校に合格できた。それ以来、僕と芯たちは親友になった。握るグリップの部分もボロボロだがとても愛着がわくし僕にはこのボールペンじゃないといけないという使命感にもとらわれる。一生大事にするつもりだ。高2の17歳である僕の手元には24本の芯たちがいる。この芯たちは青春を創ってきたいわば歴史だ。僕の今を創っている芯も未来を創る芯も筆箱の中に眠っている。自分の生きてきた証が鮮明に残せるようもっと芯を増やしていきたい。もちろん相棒のボールペンも死ぬまで一緒だ。社会のために、未来のためにできること2テーマ静岡県立静岡商業高等学校(静岡県)小川かれんさん十八歳からの政治参加日本は、二十歳になると、選挙権が与えられる。私はそのことにいつも疑問を抱いている。結婚は十六歳からできるし、税金だって働いていれば十八歳から納めるというのに、なぜ十代には、選挙権がなく、投票ができないのか、と。政治は、日本国民全員で話し合い決めることができない。そのため、選挙が行われ、投票によって選ばれた人は、日本国民の代表として、日本をより良くするために、国民の意見を代弁してくれている。なぜ二十歳からなのか、気になり調べると、判断力の無さが大きな理由と書いてあった。本当に十代には判断力がないと言えるのだろうか。私は商業高校に在籍しているため、先輩の多くは卒業後、すぐに就職をしている。働くということは、社会に貢献し、社会と関わりをもつということだ。働く上で、社会の変化や、もっとこうしてほしいという気持ちは、必ずあるはずであり、これからの社会を動かしていく若者の意見は、十分政治に反映されるべきである。十八歳から働くことができるのは、社会がその若者を信用しているということではないだろうか。それなのに社会をより良くすることはできない、これは悲しい矛盾だ。私は卒業後、就職を希望している。私を含め、十八歳から社会の一員として過ごしていく若者に、社会をより良くする権利を与えてほしいと思う。