17歳からのメッセージReport2014

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0917歳からのメッセージ0917歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧金賞をしている人があまりいなかったこともあり、人前で歌ったり踊ったりするのが恥ずかしいと思うようになりました。琉球舞踊や三線の稽古をしている時は楽しくて夢中になれたけど、芸能をしている自分に自信が持てず、誰かに話したりするのが嫌でした。中学校卒業後、私が入学した高校は、県内唯一、郷土の芸能を専門的に学ぶことのできる南風原高校の郷土文化コースでした。学校生活はとても楽しく、私と同じように芸能が好きな友人達と歌ったり踊ったりすることで、少しずつ自分が出せるようになりました。自分の体や歌声で表現する楽しさを改めて実感し、授業を通して琉球芸能の素晴らしさをこれまで以上に学ぶことができました。芸能を続けてきたことで、輝ける自分がいます。私は今、芸能ができることに自信と誇りを持っています。そして、これから先、後世へと芸能を継承できるように、技術や知識を磨いていきたいと思います。沖縄県立宮古高等学校(沖縄県)下地華菜恵さんこの空の続く場所気がつけばまた空を見上げている。部活終わりの塾へと向かう道で、だんだん茜色に染まっていく空を。真っ暗闇の中で輝いている星々を、塾から家へと向かうこの道で。教科書が入っている鞄がやけに重く感じられる。空を見上げるようになったのはいつからだろう。高校に入ってから、何となく空を見ることが多くなった気がする。離島に住む私達は高校を卒業と同時にほとんどの人達が島を出てゆく。つい最近まで中学生だと思っていたが、もう高校生活も後半にさしかかろうとしている。大学進学へ向けての勉強、家の手伝い、やらなきゃいけないことに押しつぶされそうになりながら、毎日をただぼんやり過ごしている。先生達に言われた、「将来の夢を早く決めなさい。」「勉強をもっと頑張りなさい。」、そのような言葉にただ暗く重たい不安を抱きながら、また空を見上げてしまうのだ。この島の空はいつ見ても綺麗だ。そしてとても素敵。島を出て帰ってきた時、今ある畑や建物がまだそこにあるとは限らないから、ずっと変わらないこの空を見てしまうのかもしれない。いつか大学へ進学して、島を出た時、その住む場所の空が、「綺麗だな。」って笑っていられたらいいな。銀賞57作品今までの自分、これからの自分1テーマ長野県飯田風越高等学校(長野県)平沢奈々さん短所と向き合う私は人の悪い所によく気づく。良い所に気づく時もあるのだが圧倒的に悪い所への方が多い。自分でもそれはよくないと思っていたし、あまり深く考えてはいけないと分かっていた。しかし、普段の生活でもやはり人の悪い所が見えてしまう。だから、少しでもおかしいと思ったこととか、友達の駄目だなと思ったこととかを言ってしまうので、よくケンカをしてしまうことがあった。今でも日頃の生活で、やはり悪い所が見えてきてしまって、ずるいことをしていたり、良くないと思ってしまうことがある。昔よりかは、今ここでそれを言うべきか、言わない方が良いか考えられるようになったので、以前より落ちついて生活することができている。しかしある時、ずるいことばかりしている人に目がいってしまってイライラしている日々が続いた。どうして自分は悪い所にばかり気づいてしまうのか悩んだ。そんな時に、母に相談してみた。母は私に、「悪い所に気づくということは、悪を許さない気持ちがあるってことだよ。奈々の中にある正義感が強いんだね。」と言った。その言葉で、私は今まで人の悪い所によく気づくのは自分の短所でしかないと思っていたが、長所にもなりえるのだと思った。私はこの悪は許さないと思う気持ちを生かして将来は警察官になって働きたいという夢を持った。長野県塩尻志学館高等学校(長野県)大橋茉梨花さん英語と私春休みの間、イギリスに留学した。元々英語が好きだったのだが、何故イギリスにしたのかと言えば「好きな小説がイギリスの話だから」とその程度の理由から。しかし私は行ってから後悔した。言葉が全く聞きとれない。泣きながら親に電話すると「アメリカ英語よりもイギリス英語の方が話すスピードが速く聞きとりにくいらしい。」と言われた。それでもと頑張っていたら、全ては聞きとれなくてもどんな会話をしているのか程度ならわかるようになった。ところが、また別の問題がでてきた。内容がわかっても会話に入れない。私は人見知りが激しく緊張しやすいタイプで「もし私の考えることが間違っていたら?」そう思うと最後まで積極的に会話に入っていくことはできなかった。その後悔を引きずりつつ帰国してしばらくして、私の実家である寺を観光客がたずねてきた。私はいつものように「本堂の中、見ますか?」と声をかけた。しかしその人は困り顔で「I'm sorry. I don't speak Japanese….」と。何か言わなきゃ。もう後悔したくない。ここで変わらなきゃ。私はとっさに「Do you see in house?」とたずねた。文法的には間違っていたが言いたいことは伝わったらしく、私が本堂の扉を開くと彼女は楽しそうに中を眺め、何度も「Thank you.」と言った。私も笑顔で「You're welcome.」と返した。嬉しかった。私はやっぱり英語が好きだ。