17歳からのメッセージReport2014

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12 17歳からのメッセージ12 17歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧岡山県立岡山東商業高等学校(岡山県)明石悠平さん本当の「本気」とは。「何でお前は本気でやらんの?」いったい何度この言葉を聞いただろう。そのたびに「ふざけるな。僕は真面目にやっている。」と思っていた。僕は昔から本気でやっていても、そう思われない人間だった。いや、そう思っていた。だから周りの人に「本気を出せ。」と言われても「あいつは何も分かっていない。」としか思っていなかった。そして僕が中3になった時、ある部活仲間に突然こう言われた。「お前って真面目にはやるけど、本気ではやらんよな。」僕は怒り半分、嘲笑半分な気持ちで馬鹿にした様な口調で「何言っとん?一緒じゃが。」と答えた。すると友達は呆れた様に「全然違うやろ。真面目ってのはただがんばるだけ。本気でやるってのは、誰かに勝つために全力をかけてがんばることやろ。」僕は唖然とした。改めて考えると、「誰かに意地でも勝ちたい。」と思った事なんてないことに気づいた。どころか「意地でも勝つ。」なんて恥ずかしいとすら思っていた。その日から僕は変わった。どんな時でも誰が相手でも勝つ為に全力でやるようになった。相手に勝った時どうしようもない程、うれしくなった。これから先、いろんな勝負があるだろう。でもどんな勝負でも、僕は本気で闘おうと思う。本当の「本気」を教えてくれた友達には本当に感謝している。岡山県立玉島高等学校(岡山県)竹崎弥侑さん日常で気づかされたこと私は毎朝駅で同じ人に会う。黒いサングラスをかけていて、大きなリュックを背負い、そして長い杖を持っている。最初は「足が悪いのかな。」ぐらいに思っていた。しかし毎日見ていると、少し違うことに気がついた。階段を登る時には杖を持ち上げていて、広い場所に着くと杖を滑らせるようにして歩いて行く。そして点字ブロックを見つけると、また杖を持ち上げ真っすぐに歩いていく。私が毎日見ているのに気づく様子はない。「もしかして目が悪い?」と思い、今度は杖を観察してみた。すると、普段見かける杖とは違い細長く、複雑で、白色の白杖と呼ばれるものだった。ある日私はその人が歩いている前を横切らないといけない状況になった。いつもは邪魔にならないよう、少し後を歩いているが、この日は少し違った。「どうしよう。けっこう離れているけど、気づかずぶつかったらいけないし…。急いでるし待つのもなあ。」と一瞬迷い駆け足で横切った。何も起こらずほっとして学校に向かった。この日から点字ブロック近くの歩き方を気にするようになった。今まであまり考えた事がなかったが、邪魔をたくさんしてきたと思う。今回このような事に気づけた。今度はもう一つステップアップして注意できるような人になろうと思う。徳島県立富岡東高等学校(徳島県)谷美緒さん昔ながらの父の味私の家庭は、訳あって私が二歳から小学校五年生まで母とは別々に住んでいた。私の家族は父、兄の三人だけだった。料理はいつも、父が作ってくれた。父は料理が得意なので、いろんなものをいろんな工夫をして食べさせてくれた。毎日がごちそうだった。父はきっと、母がいなかった分、寂しい思いをしているだろうと思って、一生懸命私たちの好みを考えてくれていたのだろう。小学校六年生の時に家に帰ってきた母は、私が高校へ入学し、一人暮らしを始めると同時にまた家を出て、実家で暮らしている。母とは、よく食事へ行ったりする。その時に、「小さい頃からお母さんの愛情を受けてなかったから、曲がって育ってしまったりしたらどうしようって思ってたの。小さい頃は本当にごめんなさい。まっすぐ育ってくれてありがとう。」と言われたことがある。私は「うちが曲がるわけないだろ。」と笑って誤魔化したが、その時に改めて感じた。それは、父のあの愛情たっぷりの料理があったからだと。父の料理を食べられない今、ある意味、愛情不足だ。実家に帰った時の楽しみは、母も一緒に帰り、四人で父の料理を食べることで、そこには笑顔しかない。父のメニューは何品か、私もマネしている。私もいつか家族ができたとき、愛情たっぷりの料理を食べさせてあげたいと思う。高知県立高知農業高等学校(高知県)横山加奈さん私を変えたもの私は、農業高校で数々の体験をしてきました。そのことで、知らないうちに私の中に変化が起こっていることに気づきました。一つは、私の農業を見る目が変わったことです。農業が大変なことは分かっていたつもりでした。しかし、いざ自分が種植えや肥料撒き、除草や収穫までしてみると、想像以上に大変で、私の考えが甘かったことを痛感しました。他にも、一日中立ち通しの加工実習では衛生管理にも気を遣いました。家畜飼育では、飼育の大変さを知るばかりでなく、最後には育てた鶏の屠殺の瞬間まで見届け、私たちの命がたくさんの命をいただいて、今があることを実感しました。今では、テレビなどでも農家の方を見ると、自然に感謝や尊敬の気持ちが浮かんでくるようになりました。もう一つは、私の内面の変化です。農業は作って終わりではありません。それを売るのも仕事です。私も販売を経験しました。その度に、自分たちの作ったものを買っていただくという喜びをたくさん感じることができました。私は人見知りをする性格で、自分から進んで声をかけなければならない販売実習はとても勇気がいりました。しかし、それを乗り越えることができたとき、自分が成長したことを実感できました。それでも、まだまだ一歩引いてしまうようなところがあるのも事実です。これからの自分は、それを改善することが目標です。様々な経験を糧に、豊かな心を持った大人になりたいと思います。