17歳からのメッセージReport2014

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1317歳からのメッセージ1317歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧福岡市立今津特別支援学校(福岡県)三苫彩華さん車いすと私と夢私は生まれつきの障害がある。脳性まひだ。小さい頃から家でゲームばかりしていた。中1の時学校で聞いた社会人講話で、現役の車いすアスリートに出会い、車いす陸上教室にさそわれた。それが運命の出会いだったと自分では思う。教室に行ってみると初めて見る乗りものがたくさんあった。私は最初にハンドサイクルに乗った。手でこいで進むそれは、初めて感じる気もちよさだった。それからずっと陸上教室に通った。県の陸上連盟にも入った。その頃から自分が大きく変わっていった。車いす陸上の大会に出たり、それもわざわざ県外まで、家族の応援をうけて出場もした。県外に行くなんてそれも自分のことで行きたいと思うなんてそんなことは今までなかったことだ。「お母さんが大会についていかないといけないから大変。」と母が言う。けれど、そう言いながら「あやのためやけん。」と言う母はうれしそうだった。たぶんうれしいのだと思う。なぜなら私が夢に向かって進み出したから。今まで私には夢がなかったから。家の中でできることをやっていた。ゲームしたり、外に出たとしても公園に行く程度だった。でも今の私には2020年の東京パラリンピックに出場するという大きな大きな大きな夢がある。熊本県立水俣高等学校(熊本県)原田政樹さん幸と取るか不幸と取るか私の所属している男子新体操部は、とにかく競技人口が少ない。県に一校あればいい方で、一校もない県もある。それほどマイナーなスポーツだが、私はこのことが嫌でたまらなかった。なぜなら、「どんなに弱くても練習しなくても勝ち進んでしまう」からである。他の部活動の人には失礼な言い方だが、これが私の本音だ。様々な部活動が勝つために練習を必死にしている一方、それなりの練習でそれなりに勝っていく私たち、それが苦痛でしかたなかった。そのように悶もんもん々としていたとき、お経を聞くために家族で寺院を訪れた。お経の後、お坊さんに相談した。すると、「どうしてそれをチャンスとしないのか。君は他の人よりスタートが一歩前に出ているだけだ。それを幸運に思って練習をしないとその一歩が無駄になってしまう。」というお話を聞いた。そうだ、よく考えてみればこれはチャンスなのだ。私は自分の境遇への考え方を変えた。それから私は、「練習せずとも勝ち進める」ではなく「勝ち進めるからこそ次のステップに向けての練習に打ち込める」というような考え方をするように心がけている。競技人口が少ない、という現実を幸運だと考えて日々の練習に打ち込んでいる。インターネットが変えたこと2テーマ山梨県立都留高等学校(山梨県)岸田彩里さん政治への新たな可能性皆一日の仕事を終え、今私の目にうつるのは父と母のうなずきや私の話を聞いてくれている姿、そして耳に入るものはテレビから流れてくる情報と両親の意見。今私は両親と今の日本について、政治を中心に話をしている。「国会生中継」私のよく利用する動画共有サイトで放映されている。さらにSNSサイトでは政治家や政党がこまめに情報を発信している。最初は政治のことを知っていれば格好良いだなんて思いで利用を始めた。しかし今となっては、物事の本質を考えるようになり、両親の意見を聞くことで深い理解や関心を追究するようになっていた。気づかないうちに私はそういったことに引き込まれていた。そう、私が政治に興味を持ったこと、考えることができたのは、インターネットがあったからだ。今まで堅苦しくて難しいイメージであった政治。しかし、インターネットという新世界の誕生により、政治への堅苦しさどころか、親近感すら湧いてしまうほどだ。しかし様々なメディアが報じているように、若者を中心とする政治への関心の薄さは、投票率などから分かるように大変低い。又、インターネットという広い世界には、誤った情報も溢れているため情報の取捨選択も大切だ。政治への参加。これは義務である。有権者の政治参加への意識が薄くなれば、政治家の思う通りに国を動かされてしまう。恐ろしい。インターネットという便利な媒体も利用し日本の発展を全員が望める社会になって欲しい。山梨県立都留高等学校(山梨県)萩原琢麻さん煩わしさインターネットが世界中で普及するようになって二十年以上。私達日本人に限らず、世界の人々は進化の代償として、大きなものを失った。「煩わしさ」である。人は煩わしさを無くし、何事も簡易的にしようとする。これは時代の流れの中で、人々が常に何かを追求し、追求する上で最も簡単な方法がないか考えていたためであるだろう。そして、簡易的にするため人々が生み出した一つがインターネットである。インターネットは、現代社会において人々に娯楽と快楽を与え、繋がる速さにより時間を与えている。しかし、その一方で人々に考えることを怠らせ、人を簡単に傷つけることさえも可能にしてしまった。考えることを怠りインターネットにすぐ頼ることに慣れてしまった人々は、脳の発達が遅れ、頭に浮かんだ言葉だけが、続々と口から出てくる。これがインターネットに頼り続ける人々の末路ではないだろうか。「煩わしさ」を省くことは、決して悪いことではない。しかし、現代社会に生きる人々は省きすぎなのである。インターネットを利用して何かを調べたり、誰かと話したりするのはいいが、時には自分でわからないことは他人に聞いたり、辞書で調べたり、インターネットを利用せず直接会って話したり、少しずつ変えていくことで、現代の人々はより進化していけるのではないだろうか。