17歳からのメッセージReport2014

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14 17歳からのメッセージ14 17歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧海陽中等教育学校(愛知県)東林泰佑さんインターネットと人僕は全寮制の中高一貫校に入学し、寮で生活をしている。そのため、友達と共にいる時間が長くなり、様々なことに気づかされた。その中で特に気になったのは、インターネットの利用状況だ。寮という環境による影響もあるだろうが、情報収集の手段をインターネットに頼りすぎていると感じる。先日、文化祭の出し物を企画するときにもそう感じた。既にジュースとアイスクリームを販売することは決まっていて、後は仕入れ先と保存方法の詳細を決めるだけだった。そこで使われたのがインターネットだった。僕はそのことが気になった。確かにインターネットを使えば、手軽にたくさんの情報が手に入るはずだ。しかし、自分たちがその中から正確かつ必要な情報を効率よく得られるかというと、そうではない気がする。事実、出し物の企画の際に見つけられた役に立ちそうなサイトは四つだけだった。これなら、似た店を出したことがある先輩に質問した方が効率がよかったはずだ。このように、効率的か非効率的かは別として、インターネットの膨大な情報は必要な情報を得る大きな助けになる。持っている情報量で言えば、人間はかなわない。そのため、人は知識量ではなく、効率よく情報を得る能力を求められるように変わりつつあると思う。大阪府立清水谷高等学校(大阪府)池田菜央さん広がる世界と触れられる「世界」インターネットの普及によって、世界は広くなったのだと、現代を生きる私たちは信じ込んでいる。しかし本当は、見える範囲はいつの時代も同じなのではないだろうか。一日二十四時間という限られた時の中では、この目で、耳で、感覚で触れられる「世界」には限りがあるからだ。寧むしろインターネットは、「世界」を広げるどころか、見えているはずの「世界」すらも隠してしまっているように感じる。取捨選択によって成り立つ、自分にとって都合の良い理想の空間を与えられ、自分と同じ意見が世界の総意なのだと思い込まされている。これでは見えるものも見えなくなり、「世界」は狭くなってしまう一方だ。インターネットにあるのは世界ではない。そこにあるのは、自分にとって心地のよい王国だけである。誰もが自分を肯定してくれる王国で自己を見失ってしまえば、得意気な様子で「バカには見えない服」を着ていた裸の王様となんらかわりはない。私は、インターネットが変えたのは世界ではなく自分自身なのだと思う。せめて裸の王様になってしまわないように、自己の「世界」は自己の五感で築いて行きたいものだ。大阪府立富田林高等学校(大阪府)細見尚暉さんI'm Internet私は1980年代後半に生まれた。私は2000年代に入って急成長した。私は多くの情報を持っていて、いつでもあなたと会うことができる。あなたのお好みに合わせて様々な情報を教えてあげれる。またあなたの知らない世界を見せてあげれる。私は万能である。例えば、私を使えば遊ぶこともできるし、買い物もできるし、ニュースも見れる。今まではお店に行って買い物をしたり、新聞をとって読んでいたのが、私と会うだけでできるようになった。年賀状でさえ私を使って送ることができる。私は普段は温厚だ。しかし使い方を間違えれば恐ろしいものとなる。なぜなら私は病原体に弱い。ひと度感染すれば私は寝たきりになる。治療しても治らない。それだけ私は繊細だ。私をうまく取り扱ってくれれば、あなたの生活を豊かにできる。あなたたちの経済が急速に発展したのは私のおかげだ。もし私が息絶えたら、世界経済は崩壊するだろう。しかし私はそう簡単に息絶えない。私はあなたたちとともに進化し続けることは間違いない。そう、私は「インターネット。」岡山県立岡山南高等学校(岡山県)水川あすかさん無題最近やたらと、ネット犯罪が多発しているという広告が学生向けに配られている。学校によっては、生徒のインターネット使用時間を制限しているところもある。まるでインターネットをすることは悪いことみたいに。小川洋子さんの「人と人が出会う手順」では、インターネットのキーボード一つでパッと出会うような出会い方は味わい深くないといっている。私は中学校1年生からインターネットを頻繁に使うようになった。小学校のときは自分の好きなものを共感できる相手が近くにいなくて寂しかったのを覚えている。そんな私にとって自分の好きなものを好きだといってインターネット上の仲間と楽しそうにやり取りをしあう様子は、すごくうらやましかった。ネットはいじめがあったり犯罪があったりと、悪いところもたくさんある。確かに小川さんの言うように、神様のめぐり合わせのような、運命的な出会いで好きなものを共感できる方が味わい深くて本当はいいと私も思う。でも、誰とも好きなものを共感できない孤立感に涙する時間があるくらいなら自分の好きなものを共感できる仲間と早く出会って多くのことを語りたい。インターネットの悪いところはたくさん知っている。でも、その何倍も何十倍もインターネットの良さを私は知っている。今、こうして自分の意見を言えるようになったのは内気な性格をインターネットが変えてくれたからだと思う。香川県立高松養護学校(香川県)森岡秀太さんアイパッドが変えたこと僕は、中学校1年生のときからアイパッドを使っています。アイパッドを使うことで、自分でできることが増えてきました。例えば、僕は字が書けないので、今までは宿題をする時や、