17歳からのメッセージReport2014

17歳からのメッセージReport2014 page 23/48

電子ブックを開く

このページは 17歳からのメッセージReport2014 の電子ブックに掲載されている23ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
17歳からのメッセージReport2014

22 17歳からのメッセージ22 17歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧人たちは、LINEをしていて、クラスのグループを作っている。もちろん、私はそれに入っていない。今では、クラスの連絡もLINEを通して行われたりするので、とても不便だ。もう一つは、私の大好きなアイドルグループのコンサートの申し込みが前まではガラケーでもできていたのに、最近では、スマホかPCでないとできなくなってしまった。なかなかの疎外感である。嫌なら、スマホにすればいいじゃんと思われるかもしれないが、私の家庭は貧しい。頑張って働いている父に軽々しく「スマホ買って。」と言えるわけがないので我慢する。スマホがないと不便だが、スマホを持っていないからこそ分かることもあると思う。スマホがあれば、分からない言葉があってもすぐネットで調べられるが、スマホを持っていない私は辞書で調べる。このちょっとした手間が、きっと自分のためになると信じたい。みんなと違うからといって劣等感をいだく必要はない。違うからこそみんなより成長できる可能性があると思う。宮崎県立都城西高等学校(宮崎県)野中大地さんインターネットと発言力インターネットは私達の生活に様々な変化をもたらした。私の身の周りでも、その恩恵は計り知れない。だがそれと同時に我々日本人に間違った力をもたらしたと私は思う。日本人が欧米人と比べて自発的な発言力に乏しいことは、前々から言われてきたことであった。しかしそこにインターネットが介入することで、日本人は「匿名の発言力」を得てしまった。この力は日本人のモラルを著しく低下させた。心ない書き込み、安易で軽率な投稿は、誰かの心を傷つけるに留まらず、発言した者自身さえ滅ぼしてしまうようになった。いわゆる「ネットいじめ」だとか、「ネット犯罪予告」だ。和歌などに見られるように、古くから日本では言葉を選ぶ事、察する事は美徳とされてきた。自身の思想に適した言葉を熟考し、厳選した言葉に感情を織り込んでいく。また読み手は書いた者の心情を察し、言葉を返す。この美的感覚が、インターネットの中に存在するだろうか。人々は思いつきの言葉と思いやりのない感情で書き込むようになった。これは重要な問題であると感じる。インターネットが私達に与えたかったのはそのようなことではない。利便性なのだ。つまり使い手の、意識が問題なのであろう。だから私達は現状を受けとめて、古くからの美的感覚を取り戻さなければならない。それができて私達ははじめて欧米諸国に胸を張れるような発言力をもつことができるはずだ。日向学院高等学校(宮崎県)猪野茜さん空の裏側東日本大震災から早三年。あの悲劇の一日からもう三年という月日が経ったと思うと、今でも胸が苦しくなる。地震や津波という自然災害の恐ろしさと、人の温かさの反面、冷たさを私たちに教えてくれた東日本大震災。災害のおこった三年前の募金活動や支援活動。それが三年経った現在には減ってきていると思うし、人々の中には忘れかけている人もいるであろう。今、この瞬間でも関東や特に東北の方には心に傷を負った人や、安心して毎日を過ごせていない人が多くいるのだろうと私は毎日思う。しかし、学生の私には募金など小さな事しか、被災地の方々の力にはなれない。だけど私は募金や支援活動よりもまず、被災地や災害を忘れないことが大切なんじゃないかと思う。忘れられることほど悲しくて苦しいことはない。現代の恵まれすぎている時代を生きる私達。その代償として「大切なもの」を失っていると思う。広く大きい空の向こう側の人を考えられる人間に私はなりたい。鹿児島県立大島高等学校(鹿児島県)前田希妃さん矛盾する言葉世の中にはたくさんの言葉が溢れている。誰が言ったかも分からない言葉や、漫画、テレビ、本などで知られている言葉。また、偉人たちの残した言葉や昔からの言い伝えなど様々だ。そして言葉には、それぞれの考えが表れている。だから言葉は矛盾するのだ。例えば、部活が上手くいかなくて誰かに相談したとする。するとその人は、「逃げちゃだめ。諦めるな。」と言うかもしれないが、他の人は「人間諦めも肝心。」と言うかもしれない。この2つの言葉を真に受けると、板挟みになって動けなくなる。そもそも、なぜ矛盾するような言葉同士が生まれたのだろうか。対する言葉が生まれると片方の言葉は受け入れられないはずである。きっとその答えは冒頭でも述べた通り、言葉に考えが表れているからである。そしてもう1つ、状況だ。だから、「諦めるな。」という人はきっと一度決めたら貫く考えの持ち主で、「人間諦めも肝心。」という人は自分の限界を知っていて現実的な考えの持ち主だ。そしてその2つの言葉のどちらを受け入れるか決めるのは結局その人自身が進みたい方向であり、その人のいる状況である。言葉は矛盾するものだ。けれど私たちは自分に合った言葉を選べばそれでいいのだ。沖縄県立宮古高等学校(沖縄県)楚南早紀さん受け継がれてきた宝物「ありがとう」とても響きのいい言葉だ。私の住む地域の方言では「すでぃがほぅ」と言う。私は方言を学ぶ事が大好きで、中学の頃から少しずつ学んでいる。ある日新聞を読んでいると「す」が付く方言はどれも良い意味の言葉と書いてあった。確かに「プカラす」は喜びを表し、「ウムャす」は安心を表す。冒頭にある「すでぃがほぅ」もそうである。驚きと感動が入り混じり言葉が出なかった。この事を家族に話し、これからは一日一回「す」の付く方言を使おうと決めた。六年後の東京オリンピックに向けて、多くの人が他国語を学び始めている。他国語を学ぶ事も良いが、まず自分の足元から見つめ直し、方言を学ぶ事も一つの言語に触れ、視野