17歳からのメッセージReport2015

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12 17歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧銀賞卒業生だった。私のたどたどしい手話での挨拶を理解し、指を触って正しく教えてくださった。初めて耳の聞こえない人と近い距離に立ったが、相手の笑顔や優しさのお陰か、私は手話であるにも関わらず自然に話をしている自分に驚いた。そしてもう一人、中学生の女の子と出会った。好きなこと、好きなもの、伝えたくても上手く手話ができない私に、彼女はジェスチャーを始めた。ジェスチャーを始めると、私と彼女の無言の会話は楽しくて弾むように伝わりだした。私は言葉がなくても伝える手段はたくさんあると思った。あの日、聾ろう学校を訪れた日から、私は変わった。バスの中で耳の聞こえない人と出会った時、手話を読みとろうとするようになった。以前のような強張った顔でなく、笑顔で接するようになった。高校三年生になった今、私には夢がある。胸を張って言える。「私は聾ろう学校の先生になりたい。」愛媛県立野村高等学校(愛媛県)楠彩佳さん日々の幸せこの前、祖父と花を植えた。というより、私が買うだけ買って放置していたヒマワリやアサガオの種を祖父が植えていた。私は横でじょうろを持って待機していただけである。祖父はとても草木が好きだ。何度も失敗してやっと咲かせた黄色のツツジ、寝たきりだった曾祖母の為に植えた梅の木、祖父自慢のヤマモモ……色々な話をゆっくりゆっくり語った。初めのうちは、何て辛気臭い話を始めたんだ、と聞き流していたが、あまりにもうれしそうに語る祖父の話に、私も次第に聞き入ってしまった。因みにあすなろという木の名前を初めて知ったのもその時だ。「明日は桧になろう。」なんてかわいい木だ、と思った。祖父とあんなに話したのはいつぶりだっただろうか。以前は戦争の話や先祖の話など様々なことを教わっていた。しかし高校生になり勉強で忙しくなると、同じ家にいながら顔を合わせない日もしばしばあった。なんだか寂しい気がした。私は来年にはもうこの家にいない。県外の大学に行ってしまえば尚更、昔のように話し込むことはなくなるだろう。祖父だけではない。祖母や両親や兄弟とも、共に過ごす何気無い時間は減っていく。最近の私はあまりに薄情だった。今あるこの幸せを大切にして、将来に向けて頑張っていきたいと思う。庭でどんどん育っている花たちに負けないよう、私も日々成長できるような毎日を送りたい。福岡県立福岡講倫館高等学校(福岡県)石倉麻菜さん会話をするために私は今、手話の勉強をしている。なぜなら自分の母と会話をしたいから。私の母は、耳が聞こえないという障がいを持っている。普段、話すときは口を大きくあけて話し、伝わらないときは紙に書いて話す。手話はもともと知っているが、幼い頃に両親が手話で話しているのを見よう見まねで覚えている程度。だから、たくさんの手話は出来ないため最終的には紙の上だけで話してしまう。それもあってか、最近母と話すことが少なくなった。学校であった出来事を伝えるにも、母とけんかをするにも紙を使う。すると、段々、書くことが面倒になり次第に会話もなくなっていった。何よりも、母の顔を見て話が出来ないのが悲しかった。会話というものは、相手の表情や感情を読み取り言葉を交わすからこそ内容が伝わり、楽しいと思えるものだと私は思う。それが紙の上になってしまうとただの文字になり、いくら気持ちをこめても伝わっているのはほんの数十パーセント程度だろう。母とちゃんとした会話をしたい。障がいを持っている母と目を見て会話をする方法はただ一つ。手話を私が覚えること。たくさん覚えればその分だけ会話が出来るし、紙だって使わなくて済む。今まで面倒だからとあきらめてきたが、もうそのようなことはしない。ちゃんと母との会話が出来るまで、私は新しいコミュニケーション方法を学んでいく。福岡市立今津特別支援学校(福岡県)三苫彩華さん車いすと私の大きな挑戦私は大きな挑戦をしようとしている。それは車いすのハーフマラソンに出場すること。挑戦しようと思った理由は2つある。1つめは東京パラリンピックが近づいてきているから。私の夢は東京パラリンピックに出場すること。2つめは初めてハーフに出場することで経験を得られるのと、自分が大きく成長できると思ったからである。これまで出場したことのある短距離と違って、ハーフマラソンは長時間の自分との戦いとなる。また道路のアップダウンも激しく、ゴール直前の最も体力的、精神的に苦しい時にトラックを1周しないといけない。私にそれができるかどうか。正直言うと自信がない。自信がないからこそやらないといけないのだ。私は弱い。車いすには乗っているが、私の場合、体は成長に従って今は強くなった。弱いのは心だ。いろんな場面で、ここぞという時にあきらめの気持ちが出てしまう。試合でも抜けそうで抜けない時、ふだんでもすぐに「どうせだめやん。」と自分に言ってしまう。もしものつらい事態に備えて、自分で自分の心にバリアをはっているのだ。いつからそんな殻に入り出したのだろう。今まで私に必要だった心のバリア。もう、バリアをはらずに走りたい。バリアをはっても、それを壊し、傷ついても立ちあがれ自分!守ってる場合じゃないぞ、自分!傷ついて、そして強くなれ!西南女学院高等学校(福岡県)赤木彩蘭さん社会にイタズラをするいつも私の中心にあるものは、イタズラ心でした。出席名簿にクモのおもちゃを挟んで先生を驚かせるのが好きでした。黒板に落書きしてそのまんまにするのが好きでした。匿名で友達にプレゼントをして喜んでもらうのが好きでした。私がいない所で誰かが私の仕掛けたモノで驚いているのを想