17歳からのメッセージReport2015

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16 17歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧銀賞私は、高校に入学し、バスケ部に入部した。練習はとても辛かったが、一緒に乗り越える仲間がいたから頑張れた。そのおかげで二年生の時にキャプテンになれた。とても嬉しい反面、責任感やプレッシャーもあった。そんな中、一日の学校生活での唯一の楽しみは昼食の時間。母の作ってくれるお弁当は美味しく、自分の好きなものが入っていると放課後の部活も頑張ろうと思えた。私の母は毎日、父・母・兄・姉・私の五つのお弁当を作っている。五つものお弁当を作るとなると、朝は早く起きなくてはいけないし、私達の朝食も同時進行で作っているのだから母は朝から大変だ。中学生の頃から些細な事でイライラする事が増えた。母には全く関係のない事なのに母にあたる日が続いた。高校に入学したらもっとひどくなり、部活で失敗した時のやるせない気持ちや不安も矛先は全部母だった。その頃は母とどう接したらいいのか分からなかった。きっと母もそうだったと思う。その日も前日の夜に部活の事で言い合いになった。ずっとイライラしたまま昼食になり、いつも通りお弁当を食べようとしたら、そこには私の好きなものがたくさん入っていた。純粋に嬉しいと思えた。頑張れ!と言われているような気がした。この時、母のありがたさにやっと気づく事ができた。伊那西高等学校(長野県)酒井叶未さん「人を楽しませる」ということの意味私の夢は舞台女優になることです。この夢は、小学五年生の時に、帝国劇場で「エリザベート」という舞台を観て、初めて触れた虚構の世界に心ときめくと共に、「私もこんなふうに、人を楽しませたい」と思ったことがきっかけで志すようになりました。私は以前から、人前に出るのが好きだったわけでも、人を楽しませるのが得意だったわけでもありません。小学五年から中学生までの五年間は、ただ漠然と、私たちが舞台に立って芝居をすれば観客は楽しんでくれるだろう、という思いだけで演劇をしていました。自分が演劇をしている理由も、舞台女優を志す訳も、忘れかけていました。しかし、高校生になり、久し振りに舞台を観る機会があり、私は自分の忘れかけていた思いに気付かされました。舞台に立っている全ての人が、皆楽しそうだったのです。それを見た時、小学五年生の自分が思った「人を楽しませたい」の意味がはっきりと分かったのです。私は、自分が楽しんで、その楽しさを分けてあげられるようになりたい、と思ったのだと。自分が楽しまなくては「人を楽しませる」こともできないのだと。それに気付いた時、私は楽しんで舞台に立っていなかったと気付きました。大切なことに気付けた私は、それ以来練習をする時も自分が楽しめるように心がけています。いつか、私の楽しんでいる気持ちが、沢山の人に伝わるように、「人を楽しませる」ことができるようになりたいです。長野清泉女学院高等学校(長野県)中野花さん「紙」から読み取る幼い時から私は、紙の匂いや質感に敏感、というか不思議と興味をそそられていた。率直にいうと紙の匂いが好きなのだ。それは昔から、本や画用紙などに囲まれて育ってきたのも一つの理由である。特に古色を帯びた本や漫画、雑誌が手元にあるだけで、安心感に満たされるのだ。もっとわかりやすくいうと、音楽を聴くのと同じように、年季の入った本は気分を落ちつかせるのである。もう一つの紙の質感というのは、触った時の感覚が硬くざらざらしていたり、柔らかくさらっとしていたりと他にも微妙な違いを感じ取ることができる。そんな些細なことが私にとって面白いと感じるのだ。例えば、紙辞書や分厚い参考書などの質感は、なぜあんなにもめくりやすく、滑らかなのだろうと思ったり、逆にしっかりとしすぎなノートではシャープペンが上手く滑らず、すぐに折れてしまい癪しゃくに障る。私は、このような感情の揺れ動きが肝心なのだと思う。それは匂いについても同じであり、全てが同じ匂いではないと気づくだろう。その乾いたような芳かぐわしさは、幼少の頃を思い出し懐かしさを覚える。最近は電子書籍化が進んでいる。スマートフォンやアイパッドなどで即座に書籍が手に入るようになった。それによって紙を使わなくなり、そのほうが、環境維持には大変有利なことである。けれどもその反面、紙の存在が将来もし消滅してしまうと考えると、非常にやるせなく寂しく思う。静岡県立焼津水産高等学校(静岡県)長田愛さんイルカに願いを「この記事読んでみて。」ある日、母から新聞を渡されました。その記事には和歌山県太地町のイルカの取り引きが困難になったという事が書かれていました。私は正直意味が理解出来ませんでした。事の重大さに気付くのには数日かかりました。私の夢はドルフィントレーナーになることです。幼い頃から生き物が好きで、焼津水産高校への進学を決心したのも、早い段階から水生生物に関する知識を深めたいと考えたからです。卒業後は専門学校へ進学し、ドルフィントレーナーへの道に近付こうと考えています。「追い込み漁は残酷だ。」「イルカが可哀想。」そんな声も聞きます。確かに自由に泳いでいるイルカ達を追い詰めて捕まえるのは残酷かもしれませんが、この漁は漁師の方々が受け継いできた伝統的な漁であり、今の日本においてイルカを調達する一番容易な手段です。日本のイルカを繁殖させる技術や施設は他国より劣っているそうです。また近親交配は子を弱くさせます。そう考えるとやはり野生のイルカを捕獲する方が良いのではないかと思ってしまいます。漁を止めればイルカの数が増え、海の生態系バランスは崩れます。追い込み漁が残酷ならば、残酷でない漁法でイルカを捕まえれば良いのではないかと思います。私はいつかこの問題が解決し、笑顔でステージに立てる日が来るのを願っています。