17歳からのメッセージReport2015

17歳からのメッセージReport2015 page 2/48

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17歳からのメッセージReport2015

十七歳からのメッセージは、今年で十五回目となりました。全国から三万通を越えるメッセージが寄せられました。応募していただいた高校生の皆さん、ありがとう。ご指導いただいた先生方に心より感謝申し上げます。九月のある日、東京混声合唱団の演奏会へ行き、三善晃作曲の混声合唱組曲「クレーの絵本第二集」を聞きました。これは、二十世紀スイスの画家パウル・クレーの絵に啓示を受けた谷川俊太郎の詩に曲を付けたものです。三善晃は、「地表の背信や不合理、生の哀かなしみや痛みを、谷川さんの詩とクレーの絵の二重の遠近法の中に見ながら、それを透とおして、地表への希ねがいと生への愛を歌おう」としたと、述べています。その時に歌われた「黄金の魚」(一九二三)、その絵に、谷川は次のような詩を後半で寄せています。「いのちはいのちをいけにえとして/ひかりかがやく/しあわせはふしあわせをやしないとして/はなひらく/どんなよろこびのふかいうみにも/ひとつぶのなみだが/とけていないということはない」私がよく聞いているピアニストで作曲家の加古隆に、「いにしえの響き」というCDがあります。これは加古が、クレーの有名な絵「いにしえの響き」(一九二五)などに感動して作曲したものです。クレーの絵が、次々と連鎖反応的に時代と国を超えて文学や音楽を生み出していったのです。クレーは、何を感じながら絵を描いたのでしょうか。そのクレーの絵を見て、谷川や三善、加古ら芸術家たちは、何物にも縛られることなく、直観的に何かを感じたのでしょう。十七歳「らしさ」、高校生「らしさ」、メッセージ「らしさ」、「らしさ」のしがらみで失っていったもの、それは何だったのでしょうか。青春まっただ中の十七歳の皆さん、偽りの「らしさ」を破壊しよう!生の十七歳「らしさ」を取り戻そう!自然の中で呼吸しながら、家族や仲間と語らいながら、静かに内なる自分を見つめながら、直観的に感じたものを、そのまま「十七歳からのメッセージ」として表現してみようよ。私たち大阪経済大学は、これからも「十七歳からのメッセージ」を応援していきます。パウル・クレーの絵のように大阪経済大学学長德永光俊