17歳からのメッセージReport2015

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24 17歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞学校特別賞応募参加高校一覧奨励賞大阪教育大学附属高等学校池田校舎(大阪府)平川莉子さん「ありがとう」を言える自分に私は陸上部に所属している。この間、約四〇〇人が集まる合宿があった。たくさんの仲間と一緒に練習するのはとても刺激になった。様々な技術を学んだことはもちろんだが、それだけではなかった。感謝する心、だ。「ありがとうございました」という言葉がこれほど大事なものなのか、と実感した。練習中、自分たちが使った道具を回収してくれるマネージャーさんに「ありがとうございます。」とすぐに言う子がいた。練習が終われば、毎回必ずグラウンドに向かって「ありがとうございました。」と言う子もいた。私は感心すると同時に言えなかった自分が恥ずかしく思えた。「ありがとう」という言葉は日常生活でもよく使う。何気ない「ありがとう」や感謝しきれないほどの「ありがとう」。家族へのちょっぴり恥ずかしい「ありがとう」もある。たくさんの感謝の心、そして「ありがとう」という言葉を私は毎日持ち続け、言えているのだろうか。合宿が終わってから、私は「ありがとう」と言う回数が増えた。それは部活動の時だけではなく、学校生活や家でも同じだ。普段から当たり前と思っていることはたくさんの人に支えられてできている。そう考えるようになってから、自分は幸せなんだと思った。今日も感謝の心を持って、「ありがとう」をたくさん言える日にしていきたい。大阪商業大学高等学校(大阪府)江波戸文音さん将来のためになにができるか私には夢があります。その夢を持つきっかけは幼い頃までさかのぼります。一度、長期の入院をしたことが私にはあります。暗くて、独特の雰囲気を持った病院が怖かったのを今でも鮮明に覚えています。そんな入院生活を乗り切る勇気や、笑顔をくれたのが看護師さん達です。気さくで、いろんな楽しいことをしてくれる看護師さん達のことが大好きだったし、あこがれにもなりました。入院生活を終えてからは、いつのまにか看護師さんになりたいという気持ちが芽生えていました。看護師になるにはどうすればいいのか。一番にでてきたことは勉強でした。でもその考えはあるのに、勉強が嫌でなんとかなるだろう、そう考えてきたのです。でも現実はきびしかったです。この大学に行きたい、そう思った時にはまだまだ勉強がたりず、親にもあきれた顔をされました。正直過去の自分を恨んだし、後悔もしました。自分に腹もたて、でもそれと同時に、今からでもおそくはないかも知れない、精一杯やろうと思いました。勉強はためになるもの。絶対に役立つ時がくる、自分の将来の可能性をたくさん秘めたものだと私は思います。だから勉強するべきだと思うし、勉強をさせてくれている親への恩返しにもなると思います。今大事なことは、大人になるためにすべき勉強。自分を成長させるためにもがんばっていこうと思います。将来を思い描いたものにするために。大阪朝鮮高級学校(大阪府)朴麻友さん本当の私「朝鮮人」。私は朝鮮人。同じ朝鮮学校、同じ教室にいても私は朝鮮人で隣の友達は「韓国人」で。でもそこには差はない。見分ける事もできない。私が卒業して日本社会へ出て「朝鮮人です。」と言えるのだろうか。「韓国人です。」と言えば韓流に乗って興味を持たれるのだろうか。それとも自分を偽り通名を使い「日本人です。」と言うのだろうか。私は自分の言葉で自分を「三人」作れる。そして区別できる。「朝鮮人の私」、「韓国人の私」、「日本人の私」。私は朝鮮人だけど日本で生まれ育ち、制服を脱げば在日韓国人と見分けもつかない。日本人と区別できない。しかし「国籍」が人の目に見えたとすれば、間違いなく区別されるだろう。本当に見えたとすれば、今の私は多分、人の目から自分を守る事を先に考えてしまうかも知れない。しかし私が心の軸をしっかり持っている限り、人の目なんて気にならないだろう。私の軸はまだ確立していないのかも知れない。どんな状況でも本当の自分を主張できる自信がない。私はこれから自分自身を誇りに思えるように、自身の揺るぎのない軸を築いていきたい。兵庫県立伊丹西高等学校(兵庫県)石田命さん進路今私は「進路」という壁に直面している。人生で二度目の進路決めだ。だが、今直面している進路の壁は、前回直面したものとは比べものにならないほど大きな壁だ。自分の人生を大きく左右するであろう場面だからだ。そんな重大な事を少しの間に自分で決めなければならない。普段の私なら「自分の事は自分で決めたい。」「勝手に決めてほしくない。」などと思う事がたくさんある。だが、迷っている今は違う。「周りの人が勝手に決めてくれたらその通りにするだけでいいのに。」とまで思ってしまう。自分が選んだ道で後悔してしまいそうで怖いし、楽しみなんて今は少しも思えないし、不安と焦りしか出てこないからだ。今のこんな自分も好きになれない。だから私は決めた。これを機に考え方を変えようと思った。自分が選んだ道が本当にやりたい事じゃなかったとしても、全力で取り組み、また新たにやりたい事を探し出そうと思う。後悔をしても「次を頑張ればいい。」と思えるような人生をおくりたい。不安を抱えていても、それ以上に楽しめるようにすればいいと思う。そうやって考え方から変えていけば、これからの人生の見方も変わり、より良い人生をおくっていけると思った。「進路」、これが考え方を変える第一歩だと思って、向かっていきたい。