17歳からのメッセージReport2015

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2517歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞学校特別賞応募参加高校一覧奨励賞兵庫県立伊丹西高等学校(兵庫県)小瀧玄太さん家族?僕の居場所?ある日、テレビで外国のある兄妹の物語をみた。妹は白血病で余命数日。そんな病気の妹の為に、兄は「大好きなテイラースウィフトに会えば元気になるはずだ」と思いネットに書き込みをした。その書き込みがテイラーの目に留まり、テイラーから電話やカードが届いたという内容だった。僕には弟がいる。腹も立つしケンカもするけれど、男兄弟にしては仲が良い方だと思う。僕は弟が小さい時から僕以上に厳しい練習の日々を頑張っていた事をすごいと思うし、弟は僕を尊敬していると言っていたらしい。何か特別に出来る訳でもないけど、僕達はお互いを認め合っているように思う。そんな弟にもし何かあった時、僕は何をしてあげられるだろうと思った。兄の書き込みは沢山の人に広がり、「みんなでクリスマスキャロルを歌いたい」という妹の夢を叶えようと一万人の人が集まった。そして自宅や街中が飾りつけられ、その夢は叶った。その四日後、彼女は息を引きとってしまう。このテレビをみて、妹を思う兄の優しさ、周りの人の愛にとても感動した。インターネットが普及して便利な社会になった今、犯罪にも使用されてしまう事もあるけれど、こんな風に奇跡を呼び、人を元気づける事も出来るのだと思った。僕にとって家族は時に面倒な時もあるけれど、安心できる僕の居場所だ。これからも大切にしていきたいと思う。兵庫県立姫路工業高等学校(兵庫県)黒田芽子さん私を変えた出会い私は夢中になれることが一つ欲しかった。高校に入学し、厳しい校則や課題の山に追われる日々に嫌気がさしていたのだ。当時好きなことも特になく、部活や趣味に没頭している人が羨ましかった。そのとき一歩踏み出し、始めたのはダンスだ。憧れの存在があった訳でもないが、興味があったのでこれを機に現状を変えてやろうと思ったのだ。私は知り合いのいるダンススタジオに行くことを決めた。そんなきっかけで始めたダンスはどんどん私の生活の一部になっていく。仲間と音楽に乗り、感情さえも動きで表現できる。なんて気持ちが良いのだろう。イベントの出演や学校行事などでダンスを通じての人との関わりも増え、今までに体験したことのないことばかりだった。私は人々や環境との出会いの大切さを思い知り、感謝でいっぱいになった。確実に自分が変わっている。思えば高校生活もダンスを始めてから少しずつ楽しくなっていた。偶然ダンススタジオの先生が高校の大先輩だったり、一つ上の先輩もそこの生徒だったり、後々聞くと私の両親は昔ダンサーだったことも知った。私は必然的に導かれているのかと驚き、誇りに思った。ダンスを始めて一年。スタジオの先生が事故で他界し、私たち仲間一同は思いを受け継ぎ団結すると決めた。変わりたい一心で始めたことが、こんなにも私を夢中にさせるとは知る由もなかった。私はこのような偶然であり必然の出会いに感謝し続けると心に決めた。山口県立大津緑洋高等学校日置キャンパス(山口県)島本さやかさん「ひとり」の時間シャーペンの仕組みに感心し、アスファルトの割れ目から出た芽に感動する。最近は少し、そんな時間も減った気がする。私は昔から一人でいる時間が好きだ。たしかに人といて人と話をする時間も大切だが、それだけでは私にとって物足りない。そして、ずっと人といることはどうしても疲れてしまう。人といるときは意外にも精神をつかっているためである。小さい頃、私はよくふらりとどこかへ行く子だった。人と話を終えたかと思うと、一人草原の方へ歩み寄り、虫や草花などを見つけては何十分も見つめていた。よく周りの人から「変わっている。」と言われることもあったが、私にとってその「変わっている時間」は楽しく、とても貴重なものであった。今になって、その時間は私の財産となったと思う。幼い頃にじっくりと物を見ることで、今、物を見る目が育っていると実感することがある。そして、物を観察することは私の中では「物と会話をする」ということである。それは人とのコミュニケーションにも大きく影響してくる。相手を見る目、理解しようとする目、見たことを基に考えること。これらは私の生活を確実に豊かにしてくれている。それなのに、最近は忙しくて一人で物を眺める時間がとりにくい。それでも私は、自分の癒やしのためにも、これからのそんな「一人」の時間を大切にしていきたいと思う。その時間は決して「独り」ではないから。山口県立徳山商工高等学校(山口県)田中菜津美さん違う自分を見つけた「一月一日、初日の出を見るために近所の山に友達と登った。とても楽しくて良い思い出になった。今年のスタートは絶好調だ。」新年から毎日日記を書くことを目標に現在も継続中だ。今まで何度か日記に挑戦したことはあったが、全く続かず諦めてしまうことがたびたびだった。両親や友達にも「どうせまた続かんくない?手帳を買うだけ無駄。」と言われるほどだった。周りにそう思われている自分に腹が立ち、そんな自分を変えたくて日記を書くことを始めた。しかし毎日日記を書き続けていくうちに、その日にあったことを詳しく書くことが楽しみになっていた。四月の始業式の後にあった離任式で大好きだった担任の先生との別れの日のこと。日記には「寂しくて悲しすぎる。明日からどうなるんだろう。」と書いていた。しかし今読み返してみて思うと別れはつらいけど、出会えたことに感謝という前向きな気持ちになっている。何ヶ月後かにこれまでの日記を読み返すことで、過去の自分が感じたことや考えていたことに少し恥ずかしさを感じる。同じ自分が時が経てば考え方や感じ方を百八十度変えることもあるんだなと面白く感じ、日記を読み返すことがとても楽しみになっている。些細なきっかけから始めた日記も、今ではもう半年。前と違う自分、違う思いを感じることができたので良い経験になっている。だからこれからも毎日日記を書き続けていきたい。