17歳からのメッセージReport2015

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34 17歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞学校特別賞応募参加高校一覧奨励賞三重県立白子高等学校(三重県)岡山奈々美さん「青春」の勘違い私はだまされた、青春というものに。高校生になればかわいい制服を着て、勝手に彼氏ができて、その彼氏と帰り道に寄り道してとかなんとか勝手に想像して楽しんでいた。正反対ではないか。スカートは中学と変わらない長さ、彼氏ができるどころか「彼氏できないランキング」の頂点に君臨してしまったではないか。扱いは完全に男である。寄り道しようにもお店も遊ぶ場所もない。私は高校に入学して早々絶望に満ちあふれていた。しかし友達はできた。私のキャラが親しみやすいのか、見たことがない同級生に名前を呼ばれることもしばしば。嬉しいことなのかどうなのか。学年が上がって2年生、まわりにはたくさんのカップル。見ていて胸が痛い。そして私はまわりの推薦もあって室長になった。私の持ち前の明るさのおかげでクラスをまとめることも容易にできた。私はもっと挑戦したいと思い生徒会に立候補した。役職はもちろん会長だ。会長は思ったよりも仕事が多く、慣れるのに苦戦した。生徒会の期間を終え新しい生徒会が就任した後、たくさんの生徒や先生に「お疲れ様。」、「お前のスピーチがきけなくなるのがさみしいわ。」と言われた時に思った。私は今のままで充実しているのだと。私は知らないうちに高校生活を充実させていて、私の思い描いていた青春と違う青春をしていた。恋人なんかいなくても青春ってできるんだ。でも恋人は欲しいかな。大阪府立茨木西高等学校(大阪府)溝口裕介さん人に対する答え人を理解するということは数学や物理の難問を解くよりも、はるかに難しく、時間もかかる。決められた答えや解法もなく、自分自身の言動のひとつひとつが人に対する解法だ。さらに、途中で間違ってしまえば、一気に答えが遠のく。人とは、生きていく上で必ず解かねばならず、その上、実に難儀な問題なのである。人は、初対面の相手には必ずと言っていいほど心の壁をつくる。今現在どれだけ仲の良い友人でも、最初はあまり話さなかったはずだ。どんな性格なのか、何が好きで、何が嫌いなのか、それらを知るために探りを入れるような形で相手と接していたはずだ。自分も、中学からの友人と昔はああだった、こうだったと話したことがある。その友人とは中学一年生の時からの付き合いなのだが、仲良くなったのは中学三年生の時だ。答えは、すぐに見つかることも、中々見つからないこともある。出会ってから数日で気の置けない会話をすることができるようになった友人も、何人かいる。人一人一人に違う答えが必要であり、その答えを最初から当てはめることができれば、どんな問いよりも早く解くことができる。逆に、答えが中々当てはまらない場合は、解法を変えるか、一旦少し離れたところから相手を観察すれば、おのずと互いの距離は縮まっていくだろう。大阪市立桜宮高等学校(大阪府)古賀比奈子さんお父さんの話。「よっしゃ。キャッチボール行こうか。」私はその父の言葉が大嫌いだった。キャッチボールに行ったらいつも怒られてもっと嫌いになったりして。でも上手くいった日はちゃんと褒めてくれた。この時はまだ何も分かっていなかった。その頃に父と母は離婚した。私は高校に入ってソフトボール部に入部した。毎日毎日失敗して帰ってきて、どんなに悔しくてもキャッチボールをしてくれる人はもういない。こんなに練習がしたいって思った事はなかった。今どんなにそう思ってももうできない。あの時は嫌で嫌でしかたがなかった。でもその何気ないキャッチボールがこんなにも幸せだったのかと今更気づいた。もっと真剣にしてれば良かったとか、もっと父の言う事を素直に聞いていれば良かったとか、後悔はいっぱいある。でもどんなに後悔しても今更どうする事もできない。だから私は決めた。父が一生懸命教えてくれたから一生懸命プレーすると。自分の気持ちを伝えたい時に伝えないと、後悔してからじゃもう遅い。大阪市立都島工業高等学校(大阪府)辻大河さん世界に向けて叫ぶ皆さん想像してみて下さい。もし地球が人だったら、私達はどのような存在ですか?私達は地球の体を汚し、自分の欲しいものを勝手に奪い取り、酷使し、挙句の果てに私達はこの地球を捨てようとしています。私達が地球に何をしているのか理解できますか?これは地球に住む人間の間でも起こっていることです。それは何か。これはれっきとした「いじめ」です。私達は地球をいじめているのです。人間は人間に対する「いじめ」は否定するのに地球に対する「いじめ」はなぜ否定しないのか。それは単に人間が傲慢で欲深いからです。自分の欲求の為なら人間には迷惑をかけまいとするが、地球には迷惑をかけても見て見ぬふり。そんな人間達を、私を、決して地球は許してくれないだろう。そんなバッドエンドにならない為に私は世界に向けて叫びたい。木をいじめるな!水をいじめるな!空気をいじめるな!土をいじめるな!そして、地球をいじめるな!地球は今、心に大きな傷と闇を抱え、心を閉ざしているでしょう。そんな地球の心を癒し、闇を拭い去り、心を開いてあげられる世代が来ることを、いや、この「いじめ」そのものを次の世代へ引き継がせないようにしなければならないのではないでしょうか?