17歳からのメッセージReport2015

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40 17歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞学校特別賞応募参加高校一覧奨励賞熊本学園大学付属高等学校(熊本県)満田佳月さん努力のもたらす「もの」中学校三年生の時、集会である先生がおっしゃった言葉が私には印象に残りました。それは、「報われない努力はあっても無駄な努力はない。」という言葉です。当時私は、この言葉の意味がよく分かりませんでした。「報われなければいくら努力をしても意味はない。」とさえ思っていました。しかし、その考えが間違いであることを、私は今までで最も大きな挫折と共に思い知りました。高校受験。この試練は私を大きく変えてくれました。中学三年の六月、中体連が終わり、受験勉強を始めた私は、自信と余裕に満ち溢れていました。少しずつではありながら、確実に成績が上がっていくことに、自信と充実感を覚えました。先生にも、「このまま行けば受かる。」と言われ、自分が失敗することはないだろう、とさえ考えていました。しかし、合格発表当日、その自信は打ち砕かれました。私は悔しさとやる瀬なさでいっぱいになりました。結局今までの努力は無駄なのだと、声を出して泣きました。ところが、高校に入るとどうでしょう。今までの努力は、勉強や部活など、様々な困難に挑戦する強い心を培っていたのです。この時、私は初めて、先生の言葉の意味を理解できました。この体験から、私は、悔しさを味わった昔の自分に伝えたいのです。「無駄な努力はない。」と。熊本学園大学付属高等学校(熊本県)力久由芽さん私と父の一言会話「ただいま。おやすみ。」幼き頃の私と父の日常はこの一言だけである。父は、仕事が忙しく昼に出かけ夜中に帰ってくる。そのため、私が父を見るのは朝のリビング、ソファで寝ている姿だけであった。ある日、私はなかなか眠れずベッドで寝転んでいると「ガチャ」玄関のドアが開く音がし、急いで寝たふりをした。すると、部屋のドアが開き、うっすら目を開けると父のシルエットが。そっとベッドに近寄りたった一言「ただいま。おやすみ。」久しぶりに聞く父の声はとても優しかった。それから私は、出来る限り父が帰ってくるのを寝たふりをして待つようになっていた。現在私は、反抗期になる人が多い年頃だが、父のことが大好きである。一年で一番楽しみなことは、家族旅行である。いつもは一緒にいることが出来ないが、アルバムには父がいる写真が増えていくことが嬉しくてたまらない。最近は、ちょっと照れてしまい昔のように話せないことが多いが、これは欠かせない。朝のリビング、ソファで寝ている姿に一言お返しする。「おはよう。ありがとう。」これが私と父の一言会話。大分県立大分西高等学校(大分県)久寳沙英香さん素直な気持ちと電波塔私達は、個性を大切にしようと言うけれど、実際には口だけになっている。素直な気持ちを全て出すことができる機会など、果たして訪れる日は来るのだろうか。華の女子高生の生活は大変だ。流行のものに敏感で、毎日スマホを持ってLINEやツイッターに時間をそそいでいる。今や、なくてはならない、手離せない存在になってしまっている。でも、私は正直、めんどくさいと思っている。なぜなら、話す内容だって、どうでもいいと思うことだらけだからだ。「スマホを使っている私って、なんか大人みたい。」とか、自惚れているのだ。そう思っていたある日、友達からLINEの通知がきた。なにやら悩み事があったらしく、話を聞いた。私ができることは、「大丈夫だよ。」とか、相づちを打つことしかなかった。でも話が終わると、「ありがとう。学校じゃ口に出して言えないから。」と言われた。その時私は、そういうこともあるのかと気づいた。声に出せないなら、他の方法を探せばいいのだ。それがたまたま、彼女にとってLINEが一つの手段だったのだ。素直な気持ちを出すのには、自分自身の声を発信する電波塔がいる。それを探し出すことができれば、いつか本当の意味での個性を大切にできるのではないだろうか。そして、それを受けとる受信機の友達も、しっかり受けとめてあげてほしいと思う。大分県立佐伯豊南高等学校(大分県・平成25年度設置)宮田佳小里さん人生ロック主義「この『スターライッ!』てとこ、声ゴツすぎやろ。笑える。」私が好きなバンドの曲を聴いているときに姉に言われた言葉だ。馬鹿野郎、彼の曲の良さは苦悩の中に希望を投げ込む歌詞、それを伝えんとする必死さにあるのだ。降りしきる絶望に雨あま曝ざらしでも前に進む、彼らの言葉には重みがある。なのに歌詞を一文も読まずしていきなり馬鹿にするとは。出直してこい。そんな私が最も苦手とする音楽はアイドル曲とK-POP。自分でも何故苦手なのか長らく謎だったが、最近その理由が少し分かった。確かに歌は上手いし声質も良い。耳になじむフレーズとのりやすいメロディ。一見完璧のようだが、妙に軽い。「チャラい」のだ。アイドルは不特定多数に愛を囁く、まるでホストかナンパ師だ。元々イケメン嫌いな私はよけいゾッとした。愛も言葉も量産品か、許すまじ商業主義!ロックは人生だ。いつだってそれは一人の人間の愛であり挫折であり生き様なのだ。彼らは自分の人生を歌に託す。ロックは彼らの人生の記録だ。それは私が挫けそうなときに背中を貸し、「前に進め。」と言ってくれる。だから私はロックが好きなのだろう。理由なんて時によって変わるものだが、少なくとも今はそう思う。だから私はそういう人でありたい。私は私を私らしく生きていたい。誰のためでもない、私だけの人生を。人生は、ロックだ。