17歳からのメッセージReport2015

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42 17歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞学校特別賞応募参加高校一覧奨励賞鹿児島県立鹿児島南高等学校(鹿児島県)米山直希さん戦後七十周年を迎えて私は、新聞部に所属していて、年三回の学校新聞を執筆しています。その記事の中で、戦争についての調査をするというものがあります。その記事を執筆する中で、ある一人の元勤労学徒の男性と出会いました。その人への取材を重ねていくと、その人の平和を望む強い思いを深く感じました。戦争はしてはいけない、平和は大切、と私達は教わってきました。私もその一言だけで戦争や平和について片付けていました。しかし、その方の語った、生々しい戦争の体験談、空襲の恐ろしさ、戦時中の方々の平和を望む強い思いなど、たくさんの話を聞いて、戦争の悲惨さ、恐ろしさ、平和の尊さを改めて学ぶことができました。今年で戦後七十周年を迎えました。政治のニュースでは憲法第九条の改正、集団的自衛権の行使容認など、平和に関する認識が変わっていっている気がします。この機にもう一度戦争について学んだり、平和について考えてみてはどうでしょうか。皆さんの願いがこの世界を平和にするかもしれません。鹿児島県立加治木養護学校(鹿児島県)佐々木麻衣さん映らない鏡「ああ、ここも不親切…。」「多目的トイレなのになあ。」思わずつぶやく。そして、バッグから手鏡を取り出し、身だしなみをチェックする。私は生まれつき障がいがあって、小学二年生から車椅子での生活をしている。そんな私も高校生になり、人目が気になったり、おしゃれに興味があったりして、トイレの後には必ず身だしなみチェックをしている。以前に比べ、多目的トイレの設置が進んだとはいえ、まだまだ「映らない鏡」があるところも多い。鏡がかなり上の方に取り付けてあったり、鏡に角度がついてなかったりするため、車椅子使用者が使いたくても使えないのだ。ほんの少し車椅子の人の目線になってみる。目線を変えるだけで見えてくることもあるのではないか。こんなちょっとしたことの積み重ねが社会をより快適で過ごしやすい場へと変えていく、そう私は思っている。鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校(鹿児島県)枝元綾音さんつれづれなるままに六年前の誕生日、大好きな友だちからシャーペンをもらった。嬉しくて嬉しくて、ずっと大切に使い続けた。今も使っている。あの綺麗な半透明のグリーンは、作家の言葉を借りればまさに「限りなく透明に近いグリーン」まで色あせ、ヘッドを回せば出てきた長めの消しゴムもとうの昔に消え失せた。極めつけは、一度ノックしただけで芯が丸々一本落ちるポンコツっぷりである。同じシャーペンをずっと使い続け、芯を出す度にいちいちペンを水平に構え慎重にノックする私を見かねた母は、新しいシャーペンをくれた。しかしどうも手に馴染まずペン立てにしまった。翌年は友だち、その次は弟がくれたが、どれもピカピカの新品のままペン立てにさしたままである。なぜなら私は、このシャーペンとともに中学受験で合格を勝ち取り、いくつもの試験を乗り越えてきた。正直に言えば、ペン立てから一本抜き取っては、「こいつを新しい相棒にしようか」などと思ってしまうこともある。その度に、このシャーペンだけが今はなかなか会えない友だちとのつながりのような気がして、翌日からはやっぱり、この色あせて一度のノックで芯がすべり落ちるおんぼろ、しかし私の持ち方のクセに合わせてヘコんだグリップを握り、「大学受験も頼むよ、相棒」なんて心の内で語りかけてしまうのだ。鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校(鹿児島県)德田友希さん得るは捨つるにあり「得るは捨つるにあり」この言葉は自らを律することができる。何か新しい物を手に入れるためには、自分のとても大事な物を捨てなければならないという意味の言葉である。何においてもこの言葉がいえると私は思う。この言葉は私が小学校高学年の時くらいから常に念頭においてきた。今でもそうなのだが、私はとても欲ばりで、挑戦してみたいことがたくさんある。何か新しい物事を始めたい時、この言葉はとても役にたってきた。新しい物を得る代わりに、自分が今まで大事にしてきた物を捨てる。この時捨てる物を今までで一番大事にしてきた物にすることによって、新しく得る物はそれ以上の物にしてやろうと、一日も無駄にせずに力を注ぐことができてきた。失った物が大きいからこそ、それ以上の物を掴んでやろうと必死になれるのだ。遊ぶことを捨てて勉強する、危険を顧みず人を助けるなど、物事を達成するためには何かを捨てざるをえないのだ。私はこの言葉が、今までの人生において何か重要な決断をする時の覚悟を決めさせてくれていたと感じている。何かに迷い判断できない時、ぜひ思い出してほしい言葉だ。鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校(鹿児島県)山之内麻倫さんありがとう「資格はいっぱいとるんだよ。」「勉強するんだよ。」と今でもにいちゃんの声が聞こえる気がする。先日の早朝、祖母の弟が亡くなった。毎年、正月とお盆の時に会いに行っていたから、笑った顔とか、かけてくれた言葉とか、足を引きずり手で歩く姿とかが鮮明に思い出される。にいちゃんの事を小学四年生の時に作文で書いた。それが特別賞に選ばれ、新聞に作文と顔写真が載った。すごく喜んでくれたのを覚えている。にいちゃんは下半身がほぼ動かない。でも毎日が楽しそうだ。家電を集める事が趣味で、にい