17歳からのメッセージReport2015

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0517歳からのメッセージ17歳からのメッセージ金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧学生審査員賞グランプリ0517歳からのメッセージ私は父と話さない。子どもの頃は仲が良かった。父の冗談はおもしろかったし、二人でするバドミントンが大好きだった。そんな私も中学生になると父に反抗するようになった。そうして、だんだん会話がなくなった。高校生になったある日、部屋を掃除していると、まだ袋に入ったままのプレゼントを見つけた。パンダのマフラー、パンダの耳あて、パンダのスリッパ…小学生の頃に好きだったパンダのグッズがたくさんつまっていた。それは父が中学二年生の私に贈った誕生日プレゼントだった。もらったときのことを思い出す。「いつまでもパンダが好きなわけないやん。」当時の私はあきれていた。そんな父からのプレゼントのことを笑い話にして友達に話した。友達の返答に私はどきっとした。「お父さんがそんなプレゼントを選んでるところ考えてみいや。」たしかに考えたことがなかった。かわいらしいお店の中で、父が一人でパンダを手に取っている姿が思い浮かんだ。恥ずかしかったに違いない。「こんなの、もういらない。」そう思ったプレゼントには、口をきかない娘のことを精一杯考えてくれた、父の思いが込められていた。父と私のこの何とももどかしい関係はこれからも続く。明日や今日、普通に話すようになることはないだろう。しかし、プレゼントを選ぶ父の姿に気がついてからの私は、父の日に贈るプレゼントに思いをふくらませるようになっていた。プレゼントに隠れた姿京都市立堀川高等学校(京都府)阪野香子さん学生審査員講評どの応募作品にも高い評価をすることができ、正直、全てに賞を与えたいと思ったほどでした。そのなかで、「17歳からのメッセージ」として、学生審査員たちが賞を贈るべき作品と選んだものが「プレゼントに隠れた姿」です。評価基準として、高校生らしい生き生きとした声が感じられるもの、心情が素直に書かれていて好感が持てるもの等があります。この作品は、学生審査員が審査した作品の中で最も高い評価を出すことが出来た作品です。高校生というのは、やはり親と対立することが多くなる人生の1つの時期ではないでしょうか。その心情がとても上手に表現されており、学生審査員達の高校生時代を思い出させてくれました。特に最後の段落で、「?なることはないだろう。しかし、プレゼントを選ぶ父の姿に?」の「しかし」を使うことにより、より筆者の思いを強く表現することが出来ており、作者の思いがしっかりと伝わってきました。また、女子高校生に多い考えなので、「女性同士にしかわからないのでは」と思っていましたが、男性の審査員達も女子高校生の心を理解することが出来ました。今の女子高校生の心情に、改めて気づかせてくれたこの作者と作品に、学生審査員賞を贈ります。経済学部1年生安阪雄大さん今までの自分、これからの自分1テーマ3作品グランプリ1作品学生審査員賞大阪経済大学在学生が選ぶ優秀作品にも選ばれました。