17歳からのメッセージReport2015

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0717歳からのメッセージ17歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧金賞今までの自分、これからの自分1テーマ愛媛県立三島高等学校(愛媛県)一柳斐万さん生きる力「生きる力を身に付けなさい。」これは母からの言葉だ。私は病気を持って産まれてきた。そのため通院や風邪で学校を休むことが多かった。また、外観のことで周りの人から偏見の目で見られてきた。そのため母は「人一倍頑張りなさい。」と言った。勉強、我慢、体調管理、全ての物事において人一倍。そうしないと人のあたり前のこともできないのだ。私が思うに「生きる力」とは、「基礎的な知識、技能を習得し自ら考え行動する力」「他人の心に寄り添い、物事に感動することのできる優しい心を持つ」「健康で明るい人生を送るための体力」だと思う。母はこう思っているだろう。「丈夫な体に産めなくてごめんね。」しかし私はそんなことは思わない。逆に幸福だと思えた。人より頑張るということは人より努力すること。努力するということは成長するということ。丈夫でない体に産まれたことにより、他人の辛い時の気持ちが分かり、寄り添ってあげられる。色々なことを我慢することで心の面が強くなる。デメリットも多いけれど、病気と一緒に生活していくことでたくさんのメリットを見ることができる。私はこの体を醜いと思う反面、とても良いと思う。だから私はこれからの人生も病気と一緒に生き、努力し、成長していく。長崎県立松浦高等学校(長崎県)山本萌香さん海のように階段を上ると、海が見える。私の学校は少し高いところにあるので、窓の外に海が見えるのだ。特に意識して見ているわけではないが、自然と目に入ってくる。きっと私は海が好きなのだろう。泳げないけれど。暗い気持ちのときは、つい下を向きがちだ。とぼとぼと、自分のつま先を見ながら歩いてしまう。階段はきついので余計に。そんなときに、ふと前を見ると、目の前に真っ青できらきらと輝く海が見える。太陽の光を反射するその海を見るだけで、肩の力がふわっと抜ける気がするのだ。海にはそんな力がある。怒っていても、悩んでいても、泣いていても、全てをリセットして前を向かせてくれる。私の周りにも、海のような人がいる。その人と話しているだけで、安心できて笑顔になれる。しかし私はどうだろう。誰かの「海」になれているだろうか。誰かの力になるということは、実際にはとても難しいことだ。自分が笑顔でなければ、誰かを笑顔にすることはできない。時には、笑うことさえ難しいこともある。雨の日も晴れの日も、悲しいときも嬉しいときも、どんなときでも見える海。その安心感に何度も助けられた。天気によっては荒れることもあるが、そこに存在することには変わりないのだ。優しく励ましてくれる海、そっと慰めてくれる海、乾いた心を潤してくれる海。私も、誰かにとっての海でありたい。グローバル社会に生きる2テーマ宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校(宮崎県)宮嵜麻由香さんグローカルからグローバルへ「地域で起こっている問題は世界でも起こっている。」この言葉に私は心奪われた。世の中の様々な場面でグローバル化が進む今日の日本では、地域ごとで様々な問題が起こり、目を向けると実際に私の住む五ヶ瀬町では過疎化や少子高齢化が問題となり、また環境などの面においても問題がある。しかし、これらの問題は一つの地域に限定されているのではなく、いずれは世界中、至る所で問題となるのだ。よってこれらをまずは地域で解決する必要があるのだ。地域で解決策を見出せば、それは世界で起こる問題にも対応できるだろう。地域から若者が離れている現代では、このような活動を行うことで若者たちが自分たちの住むところを知るきっかけにもなるだろう。また、解決策を見出すことで過疎地域を潤すこともできるだろう。そうしてこれらのグローカルがのちにグローバルに繋がっていくだろう。「グローバルな社会であるから。」と世界に目を向けるのも素敵なことだ。ただ、その前に自分の身近に転がっている問題点に目を向け、解決策を考える。この行動がこれから必要となってくるグローバルな生き方であると思う。グローバルな社会に対応するためにも、まずはグローカルを深めていこう。上海日本人学校高等部(中国)小川穂野香さん井の中の蛙大海を知らず本当のことを知ろうともせずに、悪口を言う人が嫌いだ。私が上海への移住を聞いたのは、中国で反日デモが起きた年で、移住に対して迷いもあった。十五年間、日本から出たことがなかった私は、日本が一番良い国であると確信し、逆に、中国に良い印象がなかった。二年間上海に住んだ私は、昔の自分が情けない。私が電車で立っていると、席をつめて座らせてもらった。お年寄りが乗ってきたら皆が一斉に立つのもよくある光景だ。しかし、日本人が中国人を悪く言うのをよく聞く。日本の報道を見ていると仕方無いことかもしれないが、それを聞くたび、私はとても腹が立つと同時に、私に優しくしてくれた中国人に申し訳なく思う。確かに貧富の差など、改善すべき点も多くあ10作品金賞