17歳からのメッセージReport2016

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17歳からのメッセージ0917歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧役に立つことができた。今の私。それはきっと、花の咲いていない、葉っぱしかないたんぽぽと同じだ。たくさん踏まれるかもしれない。ときには、抜かれたり、ちぎられたりして痛い思いもたくさんするかもしれない。でも、たんぽぽのようにきっときれいな花、綿毛を咲かせてみせる。絶対に暗い顔をしている人を笑顔にしてみせる。絶対に悲しい思いをしている人、苦しんでいる人を楽しませてみせる。いろいろな人の心を動かせる人になるんだ。一人前になるために伊那西高等学校(長野県)池上美来さん「あっ、今日はとってもふわふわ。成功だ。」部屋に広がるバニラの香りができ上がりの合図をする。目で見て、手で触れて、鼻で感じ、音を聞く。そして味わう。五感をフル活用して楽しむ。私はいつからこんなにお菓子作りの虜になったのだろう。「お菓子が好き。」そう思ったのは小学校四年生の時。鉛筆や消しゴムに描かれているイラストが可愛くて好きだった。ただそれだけ。「作る」という発想なんてなかった。「おいしい!」その言葉がどれだけ私の自信になったことか。高校生になると「作る」ことを学んだ。動き始めた手は止まることを知らず、ただひたすら作ることを楽しんだ。白色のふわふわっと泡立った卵白に生地を混ぜ合わせるのがたまらなく幸せなひと時。熱々のオーブンへ入れ、焼き上がりまでの約二十五分間。その時間でさえわくわくしてしまう。銀賞44作品テーマ1今までの自分、これからの自分ピロリーンとオーブンが鳴る。今日はふわふわシフォンケーキ。お菓子を作り始めて約二年。失敗もたくさんした。原因不明のぺちゃんこシュークリーム、ゼラチン入れすぎのぶるんぶるんゼリー、バターが吹き出すべとべとクッキー…。お菓子作りは時に意地悪で悔しい。本当は「今日はふわふわ」じゃなくて「いつもふわふわ」にしたい。毎回同じ味、同じ香り、同じ食感にしたい。そのためにも私の修業は続く。いつかは素敵なパティシエになるために。夢に向かって岐阜県立長良特別支援学校(岐阜県)荒川夏希さん私は今まで、所謂不登校と言われる生徒だった。中一の時、体調を崩したのがきっかけで、約一ヶ月全く学校に行かなかった。それから徐々にサポートセンターや学校の相談室に、体調の良い時だけ通うようになった。しかしそれでも三年生になるまで午前十一時頃に起き、朝昼兼用の食事を摂って学校へ行き、午後の授業を体調が良く気が向けば受けるという生活を送っており、学校に完全に通えていないことに変わりはなく、そのまま中学校生活を終えた。しかしそんな私が今、全日制の高校に殆ど休むことなく始まりから終わりまで通っている。自分でも不思議だ。それは何故か。私には夢がある。それは音楽大学で中・高の音楽の教員免許を取り、大学卒業後音楽の先生もしくは歌や楽器など幅広く教えられるピアノの先生になることだ。そこで私は、弱い自分の体を気遣いながら、強い意志でその夢に向かってピアノ、声楽、塾、学校を並立し日々頑張っている。今までの私では考えられない。だが、目標や夢が定まってからの人間というのは強いもので、くじけそうになる時もあるが、なんとか頑張れている。前より断然充実していると思う。私には夢がある。その夢に向かって精進し続け、夢を叶えた時自分を褒めたいと思う。僕の野望静岡県立中央特別支援学校(静岡県)望月俊介さん僕は野望がある。それは、バスに乗ってゲームセンターに行くことだ。普通の人からすればあきれるほど簡単なことかも知れないが、車いす生活をしている僕にとっては小学生が一人旅をするのと同じくらい難しい。バスのステップは山のように高いし、得体の知れない時刻表を読まなければならない。でも、小学校時代の友達は、休みの日にバスで好きなところへ行っている。それが、僕にはすごくうらやましい。特に、帰ってきた友達から、「ゲームセンターに新しいゲームがあった。」とか、「面白いゲームがあった。」と聞くと、いてもたってもいられない。これまでも、街中のショッピングモールで開催されたゲームのイベントにどうしても行きたいと思って、親に頼んだ時があったが、時間が合わなくて行けず、親に頼らなければいけないのがとてもくやしかった。だから、僕にとってバスに乗るということは、独り立ちへの第一歩だ。やることはたくさんあると思うけれど、必ずや「小学生の一人旅」を「高校生のお出かけ」にしてみせる。ゴミの拾える人間清水国際高等学校(静岡県)杉本早弥さん「ゴミの拾える人間になりなさい。」小学生の頃、担任の先生がよくおっしゃっていた。ゴミ拾いなど、誰にでもできる。しかし、ようやく最近になってこの言葉の意味を理解することができるようになった。ゴミを拾うためには、ゴミに気づく、拾うという二つの動作が必要だ。簡単なことに思えるが、今の私にはできていない。ゴミに気づくことができなかったり、自分には関係ない