17歳からのメッセージReport2016

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17歳からのメッセージ1117歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧挑み続ける勇気梅花高等学校(大阪府)鷹屋このみさん「点は取られてもいい。取り返すんや!」自分に負けそうな時聞こえてくる。これは、私が中学時代所属していたバスケットボール部の顧問の先生がよく言っていた言葉だ。目を閉じると今でも鮮明に蘇る。けたたましく鳴り響くブザー。沸き起こる歓声。靴と床の擦れる音。走ると狭い空間に閉じ込められた蒸し暑い空気に渦ができて、涼しい風が生まれては消える。試合は後半戦に突入している。体力の限界が近い。だんだん相手のペースに飲まれて点差がひらいていく。ここで走るのをやめてしまうのは簡単だ。諦めるという選択肢が頭をよぎったその時、あの言葉が聞こえる。点を取られるのは仕方がない。諦めてしまえばそれまでだ。しかし、取られた分だけ取り返せば、自分なりに必死にしがみついていけば、勝つ可能性だってみえてくる。考え方を変えるだけで生まれる希望。私はまた走り出した。目を開けると私の目の前には山積みの教科書。赤いバツだらけのノート。散らばった消しカス。高校生になった私は、受験という新たな試合をしている。個人競技になっただけで後は何も変わらない。何度失敗したっていい。大事なのはその後自分が再び挑めるかということ。私はこれからもこの言葉を大切に生きていこうと思う。故郷鹿児島県立大島北高等学校(鹿児島県)熊本春樹さん今から十年前、私は奄美大島に帰ってきた。島で生まれ、島で育ち、島で働く若者は、そう多くはないだろう。多くの若者は島を離れ内地に進学、就職するだろう。私もその一人だ。島には守り続けていきたいものがたくさんある。その中でも自分の地元では八月踊りが有名で、毎年八月踊りの時期になると地元の人々はもちろん、島外や県外から、多くの人が集い、唄い踊りみんなで軽食などを楽しむのだ。大好きなアーティストの方や魅力的な芸能人の方と沢山関わって、素敵だなぁと感じたところを自分に取り入れて、進化し続けていきたいと思います。そして、苦手な四つの事を長所に変えていきたいです。自分の全てを受け入れる。大阪スクールオブミュージック高等専修学校(大阪府)桃谷愛美さん私にはみんなと違う所がある。私は左目が見えず左目には義眼をしている。生後三ヶ月の頃からそうだった。しかし高校生になって今まで以上に周りの目を気にするようになった。こういう場所に書くことも同情を求めていると思われそうで今までは嫌だった。そう思っていた私に少し前学校の先生が教えてくれた。自分自身が病気のことを受け入れきれてないからそんな風に思ってしまうんだということを。小さい頃から「左目どうしたの?なんで動かないの?」たくさん聞かれてきた。だから人に気づかれるのが怖かった。いつの間にかできるだけ、ばれないように生活していた。人に何か言われる度になんで私なんだろう、どうせみんなに私の気持ちは分からない。そう思ってきた。一度友達に打ち明けた時、「そんなこと全然気にならないよ。」と言われた。励ましてくれて嬉しかった。その反面そんなことって言われたことがショックだった。でも先生に言われた。「自分がちゃんと目のことを受け入れられた時、同じ言葉を言われたとしても気持ちは全然違うはずだよ。」と。正直今の私にはまだその気持ちは分からない。だけどいつか自分と向き合って自分の全てを受け入れられる日が来るようにこれからも進んでいきたい。そして、自分と同じ障がいを持ってる人に自信を与えられるようなそんな強い人になりたい。しかし、生まれた時から一緒に遊んでいる近所の聞こえる友達と話す時は、自然と口を大きく開けてゆっくり話してくれたり、初めて会う人との話を教えてくれたり、優しい友達で良かった。と嬉しく思う反面、複雑な気持ちになる。僕には、『分かる世界』と『分からない世界』がある。周りの人の理解の有無でこのような世界が共存しているのではないかと感じる。口を少し大きく開けて、少しゆっくり話してくれる。たったそれだけの行為一つで、二つの世界に大きな差が生まれているのだ。それをいちいちお願いしなくてはならないのだろうか。と面倒に思うこともあるが、僕は『分からない世界』があるからこそ、さまざまなことが『見える世界』があると信じている。自分の障がいを伝えていく努力をして、『分かる世界』を耕していきたい。自分らしく大阪スクールオブミュージック高等専修学校(大阪府)中尾友美さん私には、苦手な事が四つあります。一、人前で自分の思いを伝える事。二、大勢の人の中に入る事。三、大きな音や声。四、初めての場所や変化です。原因は、自閉症スペクトラムという障がいを持っているため、常に緊張の中にいます。気分も落ち込む事が多く、外に出掛けると過度に疲れてしまうので、学校に行けなくなる事があります。本当は一人が好きなわけじゃありません、友達と仲良くなって遊びに行きたい気持ちはあります。ですが、自閉症の私には難しく、なかなか踏み込めません。こんな私とドラムとの出会いは、十才の頃の支援学校です!副教頭先生から教えてもらう機会があり、休み時間になると夢中になって叩いてました。発表会やライブに参加するようになり、いつも非常に緊張しますが、演奏が始まると辺り一面キラキラして見えて、最高の気分になるので、とても楽しく幸せです。絵を描く事と文章を書く事も好きなので、三つを合わせて活躍の場を広げ、世界中の人々の心を満たせるパフォーマンスをし、感動を与えられるドラマーになろうと思っています。自閉症や障がいや難病で苦しんでいる子達を支援したり、交流し、笑顔を届けようと思います。