17歳からのメッセージReport2016

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17歳からのメッセージ1617歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧自由に操って奏でられるその「音」は、いつまでも聞いていられるほど心地よい。私が、この「音」を好きになったのは、母の「音」を毎日聞いていたからだ。私立に通う私は、朝が早い。そのため、母は私が起きるよりも早くお弁当の準備をしてくれる。私が「音」を聞いて幸せな気持ちに包まれるのは、その「音」の背後に母が私のために料理を作ってくれる理由があるからだろう。だから、なにより私は人が料理をしているときの音が好きだ。明日もまた、その「音」を聞いて起床できることに期待して、布団に入ろうと思う。健常者と障がい者が良い関係を築ける社会に兵庫県立姫路工業高等学校(兵庫県)小嶋千尋さん以前、こんなことがあった。友人が少し疲れた顔で愚痴を聞いてくれ、と障がい者にあった時の話をし始めた。登校中、いつも使用するバス停で発達障がい者らしき人に声をかけられ、道を聞かれたと思い対応するもそうではなく、どうでもいい世間話であった。しかも次の日もバス停にいて、知り合いの様に声をかけられてとても嫌な気持ちになったのだ、と。友人は「障がい者って本当嫌。」と言ってその話をしめくくった。私はその話を聞いてなんとも言えない気分になった。私には発達障がいではないが聴覚障がい者の母がいる。友人はそのことを忘れていたのかもしれないが、友人がその言葉を口にしたことにショックを受けた。怒りを覚える一方で、友人の気持ちも理解できてしまった。皆少なからずそういう気持ちになるだろうし、それを全否定することは偽善であると分かっていた。しかし、それでも障がい者を母に持つ私にはその言葉がどうしようもなく嫌だったのだ。障がい者の人だって一生懸命に生きていて、背負ったハンディだって自ら望んだことではないのにそんな言葉を向けられるのはあまりにも悲しい。現在約25人に1人という割合で障がい者がいる。将来自身が障がい者になっているかもしれない。高齢者社会になりストレスを抱える人も増え、更に障がい者が増えるかもしれない。つまり、私が今言いたいことは、健常者と障がい者が良い関係を築ける社会にするべきということだ。魔性のうさぎ神戸市立兵庫商業高等学校(兵庫県)古川瑞稀さんナベのふたを開け閉めするようにヒクヒクうごく小さな鼻、まるでメイクをしたかのように薄い紅で色づいた口、長いまつげ。そしていつも私をさがし求めるかのようにピクピクうごく長い耳。実はそこまでまるくない平べったいしっぽ。かわいい、うさぎはかわいい。私はうさぎを一匹飼っている。名前は大福。もちろん、私が名付け親だ。見た目がまるく、まるで大福のようだと思ったから、大福という名前をつけた。けっして色は白くない。目も赤くない。ただのミニうさぎだ。彼はオスだ。コタツのふとんにまたがってこしを振ることもあれば、マーキングをすることもある。ただ、とても美人なのだ。それはそれは大変な美人なのだ。はじめ、彼が家にきたときは、性別がまだわからず、私たち家族は、彼をメスだと思っていた。彼には迷惑な話かもしれないが、しかたがなかったのだ。そのクリッとした瞳、丸いフォルムを見れば、そりゃあメスだと思ってもしかたがない。目を見はるほどの美人なのだ。私がこの文を書いている今、彼はゲージの中で昼寝でもしているのだろう。長いまつげをふせ、耳をふせ、さびしそうにしているにちがいない。今すぐに帰りたい。あのせまいゲージからはなってやりたい。あぁ、もう授業に集中できない。それほどまでに私は彼に魅了されている。野菜を活かす!!和歌山県立紀北農芸高等学校(和歌山県)片岡美月さん私は全国約九万人の農業高校生の一人だ。そんな私が今一番気になること、それは、野菜の大量廃棄だ。現在、日本では、温暖化の影響で同時期に同じ種類の野菜が大量にできるため、単価が下がり、農家の収入よりも、流通経費が高くなってしまう。出荷すればするほど赤字になるため、野菜が大量に廃棄されてしまうのだ。私は、野菜づくりが重労働でとても手間のかかるものだということを、身をもって経験した。全国の農家の方々が一生懸命作った物が、誰にも食べられずに捨てられるのは、本当に悲しくて悔しい。このような現状を何とか変えていきたい。そのために私は、将来、農業に携わる人間として、野菜の「新しい使い道」を考えたい。例えば、野菜をアイスやジェラート、ジャムなどの加工食品にして売り出す。地元だけでなく他府県にも売り出せば、需要も増え、大量廃棄の減少につながる。また、保存食品や栄養補助食品にすれば、災害時の非常食にもなる。さらにそれを、食糧難の国に届ければ、野菜の有効活用につながるだけでなく、食糧難の国を助けることにもなる。このように、形や味を変え、食べられる物を無駄なく使えば、廃棄の必要はなくなる。これらを実行するために、今、私ができることは、もっと農業や野菜の知識を増やし、無駄の出ない食糧づくりをすることだ。命を守るということ和歌山県立和歌山商業高等学校(和歌山県)井上友香理さん今年の4月14日21時26分に熊本地震が発生したことや、2011年3月11日に発生した東日本大震災などで私たちの地震に対する備えは大きく変わったと思います。避難袋を用意したり見直したりした家庭も多いと思います。私が思うことは避難袋や地震への備えは、人間だけでいいのでしょうか?私がこのように思うのには理由があります。私の家では犬を飼っています。4年目になりますが完全に家族の一員です。家に帰ると必ず玄関で、一番に出迎えてくれ、家から出る時も玄関まで見送ってくれます。同じ人間のような存在です。今、南海トラフによる地震が想定されているなかで、私たち人間だけでなくたくさんの時間を共有してきた家族であるペットの命を守ることも大切だと私は思います。私はペットの地震への備えとして、犬用の避難袋を作りました。インターネットで調べるとたくさんの人が情報を提供しています。東日本大震災でも、推定4320匹の動物が亡くなっています。もし、地震が起こった時に避難袋が不必要