17歳からのメッセージReport2016

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17歳からのメッセージ1717歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧そう思っていたからだ。ある日の電話で、母から「最近電話に出ないのわざとでしょ。」と言われた。気付いていないと思っていたが、母は分かっていた。そして、悲しませていたのだ。この時から私はいくら嫌な事があっても電話に出よう、そして母に全て話そうと思った。あの日から母には全てを話している。一緒に喜んだり悲しんだり、時には怒ってくれる。今日もまた二十一時に電話が鳴る。幼い頃に戻ったように笑顔で電話に出る自分がいた。促成栽培岡山県立岡山南高等学校(岡山県)近久萌さん「君たちの世代はまるで促成栽培でもされてるみたいだな。」先生がぽつりとこぼした言葉が私には、ゆとり世代とか、さとり世代みたいな言葉よりしっくりきた。野菜のように意思など関係なく育てられ、売られていく。確かにこれまでの学校生活を振り返ってみると、たくさんのことを頭に詰め込んで、早く早く完成に向けているような気がした。私はそう思うだけで完成なんてまったくできていないけれど、正しい季節に育てられ、旬のものとして生きる余裕をどんどん削られていくように感じる。私たちよりも上の世代は旬に収穫されていたり海を旅して脂の乗ったいい魚のようだ。団塊世代とかバブル世代がいい例だろう。彼らの世代にはそれぞれ余裕があった。それは思考とかお金とか時間だったりする。私たちの世代は学生運動をするほど政治に興味はないし、派手に遊ぶほどお金もない。そもそもそんな行動は大人に許してもらえない。すでに起こった面倒事は二度目がないよう厳しく監視される。罰が決まっているようなことはする気も起きない。大人が望む子になるために、勉強は決められた答えを導くもので主観は必要ない。そこに思考の余裕が奪われ、働くと税金や年金でお金が奪われる。私たちは人形にならされている。そして完成は早いほうがいい。「高く売れる」という理由でつくられた季節はずれの野菜の行く末は、どこなんだろうか。をくれる。本を読むことは小さな旅行に行くことだと私は思うのだ。普通に自身の足で歩いたり、電車やバスを乗り継いだりしても決して行けない場所に行くことができる。それはとても素敵なことではないだろうか。そして、本は物語だけでなく視覚も楽しませてくれる。まず目につくのが表紙のデザインだと思う。シンプルに題名と模様だけとなっているものもあれば、イラストレーターで細部まで描き込んであるものなど様々だと思う。表紙を見て本を選ぶ人も少なくないだろう。そして栞だ。本にもよるが紐状の栞がついているものがある。出版する会社で統一しているところもあれば、本に合わせた色の栞紐をつけているところもある。色は多様で見るのは楽しい。本には、たくさんのものが詰まっていて本当に良いものだと思うのだ。しかし、近年では若者の活字離れが取り上げられている。若い人は何かと忙しく本を読む時間がないかもしれないが、忙しいからこそ本を読んで心を休めて欲しいと私は思う。読む本は何でもいいのだ。表紙が気に入った本でも、なんとなく目についた本でも、自分が気になった本を読んだらいいと思う。少し空いた時間にでも、本を手にとってみて欲しい。二十一時島根県立江津高等学校(島根県)佐々木風香さん毎日二十一時に電話が鳴る。それは母からの電話だ。私は母の仕事の関係で、幼い頃から母と離れて暮らしている。祖母の提案で四歳頃から母と毎日電話で話すようになった。必ず二十一時に鳴る電話が楽しみで、時間が近づくと電話の前で待っていたのを今でも覚えている。「今日は何をしたの?」「明日は何がある?」「じゃあね、お休み。」これが毎日の会話だ。そんな電話も十年以上続き私は高校生になった。母からの電話は私の携帯にかかるようになった。自分で管理をするようになり、学校や家で嫌な事があると電話に出ない日が続いた。母に話しても意味がない、言い合いになるかもしれない、になったり持ち出すことができなくても、備えていることで、もしかしたら大切な一つの命を救うことができるかもしれません。自分の命を守ることが第一に大切ですが、たくさんの時間を共有してきたペットの命も守ることを考えてみるのも重要なことではないでしょうか。冬の空に叫ぶ(和歌山県)匿名希望冬の塾の帰り、午後六時三十分頃に見えるオリオン座が好きだった。しんとした冬の静けさがその星の輝きをよりいっそう高め、まるでシャンデリアのように美しいと思った。夏になった今、午後六時三十分は明るくて虫の音が響きわたっている。ようやく暗くなった空を見ても、当然オリオン座は見えない。気づけば、私はもう二年生で、制服は冬服から夏服に変わったし、髪も少し伸びた気がする。だが進級したといえど、私の属する国際科はクラス替えがないし、相変わらず数学は苦手だし五限は眠くて仕方ない。変わったようで、あまり変わっていない毎日が嫌で、私は先日どうすればメリハリがつくのだろうかと考えたのだ。そして、思いついたのは一つの案だった。それは、次のオリオン座の季節までに目標を何か一つたてることである。そうすればおのずと毎日を大切に生きれるのではないかと思ったのだ。それが志望校のことか、はたまた定期テストのことかはまだ分からないが、きっとオリオン座の輝きに負けない目標を私は持てるだろう。待ってろよ、冬の空よ。良い読書を鳥取県立米子南高等学校(鳥取県)吉村恵美子さん私は、本が好きだ。一息入れたいときや感情がごちゃっと散らかってしまい片づけられないときなどに本は私に安らぎ