17歳からのメッセージReport2016

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17歳からのメッセージ1917歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧「ブゥーッブゥーッ」とアラームが呼び止めたのだ。「マジか…。」と声が漏れる。それを機に一分前だろうがアラームがなるまでは何も考えず寝るようにした。長々とくだらない話をしてしまったが、私はこれだけは言いたい事がある。それは、二度寝は考えるモノではない。猫が好きです(沖縄県)匿名希望私は無神論者ですが、日常の中で猫を見かけるたびに、この世界に猫を生み出した神様に感謝したくなります。猫という生き物は最高です。たとえばその四肢。ほっそりと気品にあふれていて、そのくせ逞しく、とても美しい。そのスレンダーな肢でゆったりと歩き、しなやかに跳躍する様は、ため息が出るほど優雅です。毛並は、言わずもがな素敵です。毛の短い猫のするりとした感じも、毛の長い猫の、ふわふわした感じも、ナンバーワンなんて決められないくらいに素敵な毛触りです。その毛は、グレーに沈む青だとか、黒ににじむ赤だとか、そういった複雑な色合いを隠し持っています。それを見ると、オンリーワンという言葉が頭に思い浮かぶのです。目の美しさなんか、筆ひつぜつ舌に尽くし難い。丸いなめらかな表面が、光をとろりと反射するのも、黒々とした瞳の涼し気な様子も、青や緑や茶の繊細な虹こうさい彩が、太陽の下で金色にギラギラと輝いて見えるのも、そのすべてが壮絶に美しいです。何時間でも眺めていられそうな、目をそらしてはならないと思わせるような、蠱こわくてき惑的な美しさなのです。猫という生き物は最高です。いもしない神様に感謝したくなるくらいに、私の心を捉えて離さないのです。果たして、それは真実だろうか。もしかすると、しなくても大して苦労しないのかもしれない。そもそも、苦労している〝未来〟さえ来ないのかもしれない。でも、もしそれが本当だったら、と私はそんな〝もしも〟にふりまわされてきた。〝もしも〟高校におちたら私はどうなるのだろう。〝もしも〟そうなったら、周囲は私をどう思うのだろうか。それは、未来という不確かな物を盾にした半ば脅迫に近い物であった。怖いから勉強をする。その作業はとても苦しい。勉強は、恐怖を紛らわせるためにやることではない。〝未来〟というナイフに脅されてやることではない。勉強はドミノと同じだ。一見、地味で最初は何になるか理解できないが、後になってみてみた時にやっと理解できる時が来る。途中でドミノを誤って倒してしまうかもしれない。本当に意味があるのかと悩んでしまうかもしれない。色々なことに悩んで迷って、最後には何かしらの自分なりの答えを見つけていく。それが、生きることであり、その答えを探す助けとなる物が勉強、学ぶということであると考える。二度寝(沖縄県)匿名希望私は今、二度寝をしようかどうか迷っている。普段は六時に起きている。現在は五時五十五分。いつもより五分も早く目が覚めてしまった。ただ起きればいい話だが、今起きてしまえば五分とはいえなんだか損した気分になる。逆に寝てしまうとアラームが呼んでも覚めない可能性がある。いや、ふかふかのベッドとふわふわの布団に挟まれれば確実に夢の世界から出られない。何ともきわどい時間だ。しかし、寝たい。どうしても寝たい。が、何回か自問自答を繰り返している内に目が覚めていき、ますます二度寝が出来ない状況になる。それだけは逃れたい。自然と本心が出る。これを知った私は早かった。開きつつある瞼を必死に閉じた。心を無にした。段々と睡魔が襲ってくる。やっと眠れると、二度寝の入り口に足を踏み入れた瞬間、終わった。子供の夢大分県立大分豊府高等学校(大分県)髙山一葉さん大人は子供に夢があった方がいいと語ったのと同じ口で、たかが子供の夢だと言う。たしかに、大人から見れば曖昧で頼りないものかもしれない。けれど、私達からすればとても大切なものなのだ。私には、小さい頃からの夢がある。それは『小説家になる』ということだ。私が小説を書き始めたのは小学一年生の時だ。それからずっと書き続けている。大げさだと思うかもしれないが、私の生きがいで、全てだと言ってもいい。身体の奥から書きたいという欲望がわきあがってくるのだ。物語を作りあげる喜びに勝るそれを、私は知らない。たかが子供の考えだ、夢だ、そんな風に軽んじられたくない。だから、私はこうして言うのだ。私は十年前も、今も、十年後も、一生書き続けているだろう。書かずにはいられないのだろう。美しいものを見た時、私はどうすればそれを文で表現できるだろうか、と思う。いつも、どうすればもっと上手く書けるだろうかと考える。頭の中は常に、小説を書くことでいっぱいなのだ。たかが子供の夢、そう言われないようになるには、結果を出すしかないと思っている。私が本当に小説家になることができれば、幼い頃からの夢をかなえたと称賛されるだろう。私はたかが子供であるに違いないが、だからこそ今、私は言いたいのだ。私は小説家になる、と。確率と不安と軌跡沖縄県立開邦高等学校(沖縄県)平良香南子さん〝将来〟〝未来〟という言葉はまるで幽霊みたいだ。一度だって見たことはないのに、なんとなく存在している物だと感じてしまう。先生や親は口を揃えて、今これをしないと将来あなたが苦労するんだよ、と言う。