17歳からのメッセージReport2016

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17歳からのメッセージ2117歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧それまでは出来具合いが悪くて先生方から呆れられていたが、次第に、「美貴にしてはできている。」と言われるようになり、それが楽しく感じられた。それまで悪循環が続いていた学校生活に、良いことが連鎖しはじめた。気がつけば学校を辞めたいという気持ちはなくなっていた。今では、栄養士になりたいという夢もできた。運動量の多い中高生やスポーツ選手をサポートしたいのだ。また、魚嫌いな人のために美味しいメニューを考えることにも挑戦したい。私は相変わらず魚嫌いなままなので、共に克服しながらも、栄養士の仕事を果たせたらとても素敵だと思う。障害と向き合う私(愛知県)匿名希望私は生まれつき脳性まひという障害がある。障害があることをしっかり認識できるようになったのは、物心がついた6歳の頃だった。私の双子の妹はもう歩いていた。「何で私だけ歩けないの。」という思いから泣いていた。そんな中、私の障害を理解してくれる友人ができた。障害があることで悩んでいたある日、友人がひとつの言葉を贈ってくれた。私はとても嬉しかった。「障害があってもなくても関係ないやん。だって一人の人間なんだから。」この言葉を一生忘れることはないだろう。これを機会に改めて友人との関係を見直すきっかけになった。こんな自分を好きになれた。その友人とは今でも長期休暇になると一緒に買い物やカラオケに行く仲だ。家族や友人などたくさんの人の支えがあったことに気づいてからの私は、少しずつ障害を個性と考えられるようになってきている。何事にも前向きに取り組み、これからもあきらめずにいろんなことに挑戦していきたい。意地っ張りな私大阪府立今宮高等学校(大阪府)佐野綾子さん私は、人一倍頑固で意地っ張りな人間だと思う。小さい頃からグループの班長、委員長、とにかくまとめることが好きだった。そのせいか、いつからか人に頼ることをしなくなった。それは、周りに迷惑をかけたくなかったし、自分で何でもやりきってみせるというプライドの高さゆえだった。私がこんな人間だと自覚したのはある出来事が起きたからである。体育祭で発表するダンスの練習をしている時であった。私はダンスを考えてみんなに教える役目だった。その仕事をする人はもう一人いた。私の親友だ。その親友はダンスをしたことがないので、基本私が親友にフリを教えて二人で教えるという形だ。でも私は、知らない間に一人で突っ走っていたのだろう。練習が始まって一週間経ったぐらいに親友からLINEが届いた。「なんで綾子は一人で全部しようとするん。もっと私を頼ってや。」周りに迷惑をかけたくないと思ってしていたことが、逆に大切な人を傷つけていたのだ。その日、自分が思っていたことを話した。言った後「思っていることは言葉で伝えないとだめだね。」と親友に言われた。私もそう思った。その日以来、私は思っていることがあればきちんと伝える、周りを頼る、を徹底した。すると、今まで全部自分がやらなければと思っていたことをみんなが一緒に助けてくれ、これまでと全く違う関係が築けた気がする。今の自分があるのは、親友のおかげである。私の耳大阪府立だいせん聴覚高等支援学校(大阪府)森竹明日果さん私は今までとても反省していることが一つある。それは、一般中学校に通っていた時お母さんに対して酷い言葉を放ったことだ。「何でうちなんか産んだん!?耳が聴こえない私を産まなきゃよかったやん!」お母さんは怒った顔をする。怒らせてしまった、そう思っていると、お母さんは涙を零した。「私はね…明日果を産んで良かったと思っている!」涙を一粒一粒と零しながら私に怒る。私は罪悪感を抱いたが、それでも納得ができず、親がいなくなったのを見計らい、寝室で補聴器を床に投げつけたり、自分の耳を恨んだりした。普通の、障害を持っていない人間に産まれていたらどんなに幸せだったか…。障害がなければ普通に話したり聞いたりすることができるのに。と、毎日『普通の人』を羨ましく眺めていた。今はだいせん聴覚高等支援学校に在籍し、毎日私と同じ障害を持つ友達と学校生活を送っていくうちに、いつの間にか障害を持つ人が『普通の人』になっていた。手話と出会ったからだ。見て分かる言葉なのだ。コミュニケーションが違うだけなのだ。私の間違っていた思い込みで、お母さんを傷つけてしまった。酷い言葉は消すことはできないが、思いを伝えることはできる。伝える方法はたくさんあるのだから。お母さん、こんな私だけど、もっともっと話してね。あの人大阪府立八尾翠翔高等学校(大阪府)津瀬陽菜乃さん私は小さい頃から歌うことが好きで、それなりに沢山の歌を歌ってきた。そして沢山の人に聴いてもらって、評価をもらうようになった。そういう生活を半年ほど終えたときには、私は自分の声に自信を持つようになっていた。表面上では負けると言っていても、心の中では勝てると思っていたし、実際勝つことができた。だから余計調子に乗っていたのかもしれない。そんな私の気持ちが変化したのは、つい先日のことである。小さな広場のライブに行ったときのこと。私は軽い気持ちでライブが始まるのを待っていた。何組かバンドの演奏が終わり、次のバンドが出てきてその歌声を聴いた瞬間、私は一瞬にして心を奪われた。同じ高校生とは思えないほどキレイな歌声だった。果たして、自分に歌で人を惹きつける能力が