17歳からのメッセージReport2016

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17歳からのメッセージ2217歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧あるのか。あるわけがない、勝てるわけがない!戦ってもいないのに悔しさが込み上げてきた。そして私は思った。あの人に勝ちたい。自分に自信ばかり持っていても何も始まらない。私が見てきた世界は小さなもので、まだまだ自分より上の人間は山ほどいる。ただ私は、自分は優れていると自惚れていたかっただけなのかもしれない。あの人は多分、一生私の中の憧れの人で、超えたい人になる。またいつか会える日がきたら、あの人に「気付かせてくれてありがとう。」と伝えたい。まるでドラマ兵庫県立浜坂高等学校(兵庫県)沼田優希さん私はいつも大切な時に怪我をする。小学三年生からずっと続けてきたバレーボール。小学生、最後の大会一週間前に右足を骨折した。当然試合には出られなかった。中学生、一つ上の先輩最後の晴れ舞台。左手薬指を骨折した。薬指だったため、ガチガチに固定してなんとか試合には出ることができたが、その後、指は変形してしまった。そして引退後手術をした。高校生、本気でバレーをするのはこれが最後。なのに膝の前十字靭帯を損傷。いつ力が入らなくなるかわからなくて怖かったけど、みんなといっしょにプレーがしたかった。諦めきれなかった。しばらくはろくに歩けない状態が続いたが、リハビリの末、引退のかかった最後の試合では、なんとかプレーできた。私の今までの人生は怪我ばかり。でもそれは悪いことばかりではなかった。怪我をしたからこそ見えてくるものがあったし、できることもあった。改めてサポートする側の大変さや大切さを実感した。ある本に、幸せの分量はみんな同じと書いてあった。私はその本を読んだ時、全く同じではない。神様マジ腹立つ。なんて思っていたが、このエッセイを書く時、今までを振り返ってみると案外同じなのかもしれないと思った。一つの目標にむかって一生懸命できることが当たり前ではなく、幸せなことなのかなと。今後もこんな風に何かをやることで日々成長したい。何事もポジティブに考えるしかない!尊敬和歌山県立和歌山商業高等学校(和歌山県)西山厚希さん私は料理屋を営んでいる父に、「目くばり、気くばり、心くばりを忘れるな。」とよく言われます。小さい時の私は、その事が全くわかりませんでした。だけど最近、父の店の手伝いをするようになり、父の言っていた事は、こう言う事なんだとわかってきました。目くばり、人に提供する料理は美しくバランスよく。気くばり、お客さんが次何をしようとするか。例えば、よく料理を小皿に入れて食べる人なら、そっと新しい小皿を置いたり、料理を出すスピードが速くて、まだあまり料理が減っていなかったらゆっくり出すなどです。心くばり、言葉では上手に表現できないけど、大きく言えば、人に感謝し、人に感謝される人間。と言う事だと思います。今までの私の知っている父は、おちょけていて、とにかくバカというのが父でしたが、お店の手伝いをするようになり、父のすばらしさを感じるようになりました。そして私の尊敬できる人間にもなりました。18歳になった私も、これからは、人に感謝するばっかりではなく、人に感謝されるような人になり、みんなの笑顔をつくっていけるような人間になりたいです。出会った全ての人に「ありがとう。」の気持ちを忘れずに、これからの人生楽しんでいきたいです。心の中まで届けるハーモニー岡山県立岡山東商業高等学校(岡山県)河内茉莉子さん「なんで三年生なのに出来ないの!」私の声が体育館に響いた。こんな言い方をしてはいけない。いつも私は後悔するのだ。中学校から始めた吹奏楽は今年で六年目を迎える。高校を選んだ理由も吹奏がしたいからだし、私の高校生活は吹奏一色だ。今はマーチングという歩きながら演奏をする競技の練習をしている。最高学年となり、みんなを引っ張らなくてはならない立場になってからイライラしてばかりだ。同級生で同じ楽器のマーチングが下手なAさんを、いつも私はひどい口調で叱っていた。「Aは努力していない。下手なのに練習しないなんてどうかしている。」そう思っていた。ある日Aから部をやめると言われた。その時はあまりショックを受けなかったが、家で母と話しているうちに涙が止まらなくなった。私は人を叱るのが苦手だが、マーチングではとても厳しい先輩の姿を見てきたので、自分がしている事は正しいと思い込んでいた。しかし、相手の心のケアをもっとするべきだったと後悔しているし、このままの私ではみんなついてきてくれないとAに気づかされた。仲間がいないと成立しない吹奏楽だからこそ、自分が大変な時でも相手を思いやれる人になりたい。傷つけてしまったAの心はもう取り戻せないが、常に最高の演奏をする事でいつかそのハーモニーがAの心の中まで届く事を祈って、今まで以上に練習しようと決心した。スーパーおじいちゃん岡山県立岡山東商業高等学校(岡山県)中道花さん私はおじいちゃんが大好き。どこのおじいちゃんにも負けないぐらい元気で、かっこよくて、可愛くて、それにすごく優しい。昔から野球をしたり、マラソンに出たり、水泳をしたりして、とにかくスポーツが大好きで活動的なスーパーなおじいちゃんなのだ。おじいちゃんは腕についた筋肉を、よく私に自慢してきた。満足そうな顔をするおじいちゃんは、とてもおもしろかった。スポーツ観戦が好きなおじいちゃんは、部の試合の応援に必ず来てくれる。試合前にはいつも「頑張って。」と電話もくれる。学校の行事でさえ、来てくれる。そんな優しいおじいちゃんに、「来てくれてありがと。」と言うと、笑顔になる。その笑顔は可愛くて、大好きだ。カメラを向けると必ずピースをしたり、変な顔をしたりする。畑仕事やテレビを見ている時は真剣な顔になる。おばあちゃんと喧嘩をする時は少し怒った顔になる。そんな表情豊かなおじいちゃんは、まるで少年のようだ。