17歳からのメッセージReport2016

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17歳からのメッセージ2517歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧ベッドの中に温かいものが入ってきた。母は「おやすみ。」と私の頭を撫でて出ていった。その手はベッドの中の湯たんぽよりも温かかった。デジタルネイティブと呼ばれる私たち世代は生まれた時からインターネットに囲まれている。クリックひとつで何でも解決できるような社会で生きる私たちは、直接人と関わる必要性を感じなくなりがちだ。しかし、ひと文字から予測変換でつなげていく文章より、自分の言葉で直接会話をする方が毎日を明るくできると私は考える。脱・イタイ奴!福岡女学院高等学校(福岡県)突田彩希さん高校一年生になってから、なんとなく人の痛みというものが分かるようになった気がする。というのも、「あ、ちょっと今のは言いすぎたかも。」とか、「もっと言葉を選べば良かったな。」とかいう感情が出てくるようになった。中学生までの私は、後先考えずに行動して、言いたいことを言って…それがちょっとカッコイイなんて思っていた『イタイ奴』だった。当然、そんな『イタイ』私から出てくる言葉も、イタく、貧しい言葉だった。どうしてそんなにイタかったんだろう。今考えても分からない。ただ、自分では抑えつけられず、どうすることもできない感情を相手にぶつけることしかできなかったのだろう。そんな私だったが、最近、脱『イタイ奴』しそうになっている。何よりも、相手が喜んでいるのを見るのが楽しいと思うようになった。そして、そこに自分の生きる価値も見えてきた気がする。今思えば、中学時代の私は何が間違いで、何が正解か分からなくてずっと迷っていた。そんな中、「自分は生きていて良いのか。」と思うときもあった。そう考えると、「ああ、成長したんだな。」と思う。かけがえのない人のために、何かをして、自分の価値も見いだせられる。『イタイ』自分よりも何倍もカッコイイ。ただ、まだ完全には脱していない部分もあるだろう。心の中でそっと自分に言い聞かせた。「頑張れ…。」と。コーヒーの苦み佐賀県立唐津商業高等学校(佐賀県)下尾啓太さんその日、僕は夜おそくまで学校の課題をしていた。少し眠くなってきたので甘いコーヒーを飲んで眠気を覚まそうと思い、冷蔵庫の中をしっかりと見回すが、苦いコーヒーしかない。仕方なく我慢して苦いコーヒーを飲んでみた。すると、今まで苦いだけでおいしくなかったコーヒーがなぜかおいしく感じた。コーヒー独特の苦みが口の中に広がり、たまっていた疲労が抜けていった。最近は学校の課題が多く、部活動も休みがなかったので、かなりの疲労がたまっていたのだと思う。コーヒーの苦みには、疲労をとってくれる効果があったのだと気づいた。今まではただ苦いと感じるだけだったコーヒーが、今では疲れたときの必需品になった。小さい頃から、大人はなんでわざわざ苦いものを飲むのか疑問に思っていたが、その理由が分かった気がした。大人になれば仕事での疲労があり、家庭での疲労がある。疲労の量は僕の比ではないはずだ。その疲労をとるために大人はコーヒーを飲むのではないか。コーヒーをおいしく感じたことは僕が大人に近づいたことを実感できてうれしかったが、やはり大人は大変なんだと改めて思い、これから大人になっていく僕としては少しげんなりしてしまった。今度、両親にコーヒーを買っていきたい。未来~みらい~熊本県立八代清流高等学校(熊本県)松下未来さん四月十四日熊本地震があった。十六日の本震で熊本市民病院も被害にあった。どうして熊本市民病院について話すかと言うと、私は生まれつき心臓病で小さい時から熊本市民病院に通院しているからである。高校二年生の夏にした手術も熊本市民病院で受けた。その時に私はある看護師さんと約束をした。私が将来の夢である看護師になったら一緒に熊本市民病院で働こうと約束した。私はニュースで熊本市民病院のことを聞き、あの約束した看護師さん、仲よくなった看護師さん、先生は大丈夫なのかと思った。何日か経ち、ニュースで仲よくなった一人の看護師さんが避難所に行き心のケアをしているところを見た。私はその時に、この看護師さんは結婚して子供もいると聞いていたので、子供のそばにいずにこうして避難所に来ていたことに驚いた。私は看護師について甘く考えていた。災害の時は子供のそばにいて離れたくないと思うけれど、看護師という仕事は人の命を救うために行かなければならない。とても中途半端な気持ちではできないと思った。私は今回の熊本地震を通してあらためて看護師という仕事の大変さを学んだ。そして私はやはり看護師になりたいと再確認することができた。最後に、熊本市民病院の看護師さんとの約束を守るためにまずは看護師になって、私も熊本市民病院で約束した看護師さんと働けるように頑張ろうと思う。ポジティブ思考宮崎県立宮崎商業高等学校(宮崎県)川俣美奈さん私は自分でも自覚があるくらいポジティブな人間だ。友達に何を言われても落ち込まない。物事を前向きに考える。これは昔からの私の取り柄である。しかし、どうしてもポジティブに考えられないことが一つ。それは部活動の練習中によくある私の思考の問題である。私は、小学生の頃からバドミントンをしているが、やはり上手くいくことより出来ないこと、納得いかないことの方が多い。だから「何故、上手くいかないのだろう。」「本当に出来るようになるのかな。」とマイナス思考になってしまい、いつも顔に出てしまう。ゲーム練習でもミスしたら落ち込んで、そのミスをひきずり、そのまま負けることがよくあった。だがそんなある日、先生の言葉で私の何かが変化していった。「出来ないから練習しているんだろ。失敗するのが当たり前。出来なくていいから今、失敗を覚えろ。」と。その時から、練習中に上手くいかなくても「次はもっと内側に打ってみよう。」「違う技を使ってみよう。」と失敗をポジティブに考えられるようになった。すると、試合中ミスしても練習