17歳からのメッセージReport2016

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17歳からのメッセージ3117歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧真の国際化を目指す海陽中等教育学校(愛知県)馬場泰平さん近年国際化の風潮が高まっており、とても早い段階から英語教育を行ったりと「国際人になるために英語を学ぶ」という姿勢が様々なところで見られる。確かに道具としての英語は少なくともこれから数十年間は必要であろうから、英語を学ぶことは必要不可欠である。しかし今の日本においての国際化に対する風潮は英語という道具に偏りすぎではないかと思う。いくら日本人が英語に関わる時間が増えたとしても、生まれたときから常に英語を使っている英語圏の人に英語力が勝ることはないだろう。また、もし仮に同等の英語力が身についたとしても英語で話す話の中身が必要となる。つまり自分の中に教養が必要となるのではないだろうか。近年の日本人の多くが抱く「国際化」のイメージに大きく欠けていることはこの「教養」に注目しないところだと思う。異文化を理解するなどと言うが自国の文化さえ理解していない人は国際社会では相手にさえしてもらえないらしい。ビジネスにおいても文化交流においても相手と対等に話をすることは極めて重要であることは言うまでもないが、このためには豊かな教養は必要不可欠である。これを身につけるために、英語を身につけるのと同じように教育の場において取り組むべきだと思う。特に国語や日本史などで自国の文化を知り、同時に読書を通じて世界中の文学とふれることが重要だろう。英語という道具を使うための「中身」を身につけなければ国際人にはなれないだろう。未来は自分の手に名古屋国際高等学校(愛知県)朴美玉さん最近はドラえもんをみている。友達に「何の秘密道具が一番欲しいの?」と聞くと、彼女は「やっぱりタイムマシンじゃない?だって、過去に戻って、悩んでる自分に一番いい選択を教えてあげられるし、自分が何かをやらかす前に止めることもできるし、人生は簡単で完璧になれるじゃん。」と答えた。正直、私は嫌だ。私は今のこの自分がたくさんの並行世界の中の一番いい自分だと思う。私はこの自分が大好きだ。三年前、私は初めて日本に来た。言葉が一番高い壁となって、何もうまくいかなかった。でも、それを乗り越えた今の私は毎日が楽しいと感じている。未来がきっと明るくなるだろうと信じているから、慌てて未来を覗く気はない。過去を変えようとしないから、振り返ることなんかもしたくない。大きい過失はさておき、人生の道での躊ためら躇いやミスを犯した時の反省と後悔は私の心身に成長の跡となって残っていた。今の私は過去よりも充実し、知恵も増え冷静でいられる人間となった。未来については、タイムマシンなどで覗く必要はなく、今ここで頑張れば、いいことは必ずあなたに向かっていくだろう。ネットにとらわれる少女(愛知県)匿名希望「パパに〇〇のバッグ買ってもらった~。」「△△ちゃんって本当天使だよね。」そんなことばかり飛び交う高校生の会話。私の住んでいる町は、年下から年上までかわいい子ぞろいだ。その中でも幼馴染みは、皆から注目を浴びている、とんでもない美女。Twitterではもはや芸能人扱い。私も閲覧するし、それらを否定しているわけではない。彼女も芸能人扱いされることに慣れている。しかし、女子高生や男子高生からの支持が高まるほど彼女も自分は有名人だという意識がそれに連なる。まるでTwitterが全てというように。最近では、私と大事な話をしていても、遊んでいて話しかけていてもTwitter優先だ。なんだか寂しい。高校生になってお互い時間が合わず、会う時間もない。ネット上では、私の知らない彼女の話ばかりで、支持率も上がっていく一方…。どんどん遠くに感じてしまう。久しぶりに会っても、ブランドの話とかばかりで、携帯を欠かさずに持ち、常に誰かとやりとりしている。昔はもっと気楽に話せていたのに、今は何か変わったなと思ってしまう。ますますオシャレになっていく彼女のことは変わらず好きだ。だが、彼女自身は、変わっていかないでほしい。ネットにとらわれずに前のように普通に遊んだり話したい。それは難しいことなのだろうか?博物館へ行こう!セントヨゼフ女子学園高等学校(三重県)日比綺乃さん私が今、一番言いたいことは「博物館に行こう!」ということだ。博物館好きの私にとって、博物館は楽園である。でも、博物館で同年代の人を見かける機会はあまりない。むしろ、年配の方や外国の方の方が多い。その理由は、「博物館は面白くない」という固定観念があるからだと思う。でも、そんなことは決してない。例えば、東京国立博物館では4~8週間ごとに展示品の入れ替えを行っている。どんなテーマパークでも4~8週間ごとに新しいアトラクションやショーを楽しむことはできないと思う。また、特別展では海外の有名作品を数多く見ることができる。自分達では訪れにくい国や地域の至宝を間近で見ることができる。勿論、東京国立博物館だけではなく、他の博物館でも幕末に実際に使用された銃や砲弾に触れることができることもある。歴史に興味がない人でも、斬新な武具や装束には驚くはずだ。最近では、グローバル社会を生きる中で、自国の文化を知ることは大事だと言われる。私は、自国の文化を知るには、博物館へ足を運ぶのが一番だと思う。教科書の写真では見ることのできない細やかな文様や、色つやの美しさ、迫力は実物でないと味わうことができない。それは博物館の展示品に限らず、城郭や寺社にも共通して言える。きっかけは何でも良いと私は思う。でも、そこから感じ取ってほしい。先人の知恵や技術、貴重な文化財や自国の文化を次世代へ受け継ぐ大切さを。