17歳からのメッセージReport2016

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17歳からのメッセージ3517歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧過去と未来をつなぐモノ和歌山信愛高等学校(和歌山県)中屋奈々さん鳥のさえずりに耳をすませること、毎日新しい朝が来ること、おいしいご飯を食べること。全て、今を生きる私たちにとっては普通のことです。しかし、七十年前までは、そのことが普通ではなかったのです。今年で、戦後七十一年を迎えました。そんな中、後世にも残るであろう、歴史的な出来事が起こりました。アメリカ合衆国のオバマ大統領が広島を訪れたのです。こんなことが起こるとは誰も思わなかったと思います。私は、原爆を投下した事実から目を背けず、向きあってくれたことはアメリカ合衆国にとっても、日本にとってもとても大きいことだと感じました。オバマ大統領は、広島でのスピーチの最後に「広島と長崎は核戦争の夜明けとしてではなく、道徳的な目覚めの始まりとして知られるだろう。」と語りました。この発言に、私は核兵器廃絶への強い意志を感じることができました。核兵器は、一瞬にして都市を破壊し、たくさんの犠牲者を出す、恐ろしいものです。それが使われて、戦争が起こったということは、何年たっても、変わることはありません。しかし、私たちは、この傷ましい記憶からたくさんのことを学ぶことができます。それらを、未来に語りついでいくことが私たちの使命なのではないでしょうか。やりたいことが出来る喜び(和歌山県)匿名希望私は6年前から足の骨の病気にかかっていて、治る見込みもないと医者からは言われました。運動をすることにも制限がありました。でも、今私は反対する医者と両親を説得し、剣道部に所属しています。足が痛み、歩行困難にまでなってくると手術が必要だと医者から忠告されながらも、剣道を続けています。私がずっとやりたいと思っていた剣道を毎日練習できる、というのは嬉しいことです。でも、やはり不安はあります。今、自分がやりたい剣道をして病気を悪化させてしまっても、自分は後悔しないのだろうか、とよく考えます。もし、明日歩くことが出来なくなったとしても、悔いの残っていないような、そんな剣道をしたいと日々思っています。足が悪い分、人より多く練習をして、1つでも多くの試合に勝ちたいです。そして、病気があっても頑張れば強くなれる、ということを両親に見せたいです。そのために、毎日練習に励みたいと思います。これからも私は、自分が今やりたいと思ったことは出来るだけやろうと思います。やらずに後悔だけは、絶対にしたくないです。自分の出来ることの中で精一杯楽しみたいと思います。私を変えた一言鳥取県立鳥取商業高等学校(鳥取県)佐々木亜彩さん「いってきます。」「ただいま。」このあたりまえの言葉を私は言えないでいる。私には尊敬している人がいる。その人は雨の日も風の日も雪の日も毎日同じ場所に立ってあいさつしている。そう、いわゆるパトロール隊のおじさんだ。このパトロール隊のおじさんは私が小学一年生の時から現在高校一年生に至るまで毎日見ない時はないというくらい欠かさず立って下さっている。だが、私は小学一年生の時はそのおじさんの事が苦手だった。苦手だったという時期は「学校に行きたくない。」という私の腕を引っ張って、手を振りほどいても追いかけてなんとか学校に行かせようとした時だ。その時は本当に苦手だった。苦手だったから会うと連れて行かされると思い、あいさつもろくにしなかった。しかし、小学校高学年になった私に母がこう言った。「小塩さんがおらんかったら学校行けてなかったかもしれんねえ。」その言葉を聞いてハッとした。学校に行けていなかったら今の私はどうなっていただろう。おそらく嫌な事から逃げる弱い人間になっていただろう。私はそこから照れくさくもあるが毎日感謝の気持ちを込めてあいさつし、何か一言話すようにしている。そうすると自分も笑顔になるし相手も笑顔になり気持ちよくなる。今までは「いってきます。」その一言が言えなかったのに今では「いってきます。」を自分から言いたくなっていた。これからも続けよう、そう心に決めた。愛のある読書鳥取県立米子南高等学校(鳥取県)境小雪さん私は読書について述べたい。私は本を読むことが好きだ。時間があれば近くの図書館へ行き、本を読んでいる。その習慣がついたのは、母のおかげと言える。私の母は読書アドバイザーの資格を持っていて、月に一回「おはなしひろば」という読みきかせ会をしている。私が幼い時には毎日のように絵本を読みきかせしてくれた。そして毎週のように一緒に図書館へ行ったりもした。そんな環境で私は育ち、読書が欠かせないものになっている。しかし最近、読書をする子どもが減少しているらしい。「おはなしひろば」への参加人数も少ない。図書館へ行っても数年前より人が少ないな、と感じる。その原因は、テレビや携帯電話ではないかと思う。幼い子どもにも平気で何時間も映像を見せる親がいる。お家に一冊も絵本がないこともめずらしくはない。親が子どもに本を読みきかせることは、親子の大切なコミュニケーションの場、時間であり、子どもは愛を感じることができる。また、子どもの言語力、想像力も広がる。読書の必要性を忘れつつある現代にもう一度考えてみてほしい。映像のあふれた今だからこそ、子どもには読みきかせを通し、愛のある温かい時間を感じてほしい。弱さから目をそむけず、成長する島根県立大東高等学校(島根県)岩間慎太郎さん僕は弱い人間だ。自分の中にあるもう一人の自分に勝てない。今の自分自身の立ち位置を勝手に決め、それより一歩前に出ようとしない。コンフォートゾーンの中にいる。