17歳からのメッセージReport2016

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17歳からのメッセージ3717歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧になりたいと本気で言ったのを覚えています。しかし、先生はお前は教員の道が似合っている、人にものを教えるのも上手だから、そんな夢も視野に入れてみてはどうだと言われたのです。最初は何を言ってるのかが分からなくて、信じられませんでした。学力が乏しい私にとって叶う夢ではないと決めつけ、諦めていました。けれど、高校に入ってからあの時先生が言った謎が解けました。今まで野球しか真剣にやって来なかった私にとって、一つの転機でもありました。それは、人との繋がりを大切にするということで、周りで落ち込んでいる人、辛そうにしている人を助けていきたいと思うようになったからです。先生になるということは、人と上手く付き合いながらコミュニケーションもとっていく必要があると考えたからです。さらに、夢を必ず実現させたいと強く思う理由として、私はこれまでに、沢山の友人に出会いそして、沢山のいい先生方に恵まれ、とにかく良い環境があったからこそ大きくなれました。人との付き合い無しで自分を成長させることは、できません。さらなる高みを目指し夢の実現に今頑張っています。今やるべきこと広島県立広島工業高等学校(広島県)佐木汰雅さん「なぜ謝罪を求めるの?」とテレビを見てふと思った。僕が生まれて初めてかもしれない。広島が全国ニュースでここまで大きく取り扱われたのは。なぜならアメリカ現役大統領が初めて広島に来たからだ。このニュースは日本にとって、また、広島にとっても光栄なニュースだった。でも僕は少しも嬉しい気持ちを持てなかった。それは数多くの人がオバマ大統領に謝罪を求めたからだ。あの原爆から七十一年の月日が経った。小学校の時から八月六日は広島にとって大切な日だと教えてこられた。七十一年前の八月六日は広島の歴史から消すことのできない日だ。たくさんの死者がでた無惨な出来事だった。しかしそれはアメリカも同じことだ。日本もたくさんのアメリカの人々を殺し傷つけてしまった。そんな日本がなぜ謝罪を求めるのか。なぜ日本だけが被害者になろうとするのだろう。謝罪をするなら日本もするべきではないのか。数多くの方々が悲しみの涙を流してきた。数多くの方々が悔し涙を流してきた。でもこれから誰一人も涙も流さないためにオバマ大統領は広島を訪れ、広島の地で核なき世界にしようと言ってくれた。被爆の地、広島も謝罪を求めるのではなく、核なき世界を求めよう。心から七十一年前のことを考えさせられた朝のニュースだった。「きれい」な日本語広島文教女子大学附属高等学校(広島県)高椋彩実さん清ら、清げ、麗し、美し、らうたし、なまめかし、貴、艶、匂ひ。これらは全て、現代で言う「きれい」「かわいい」を表す言葉だ。これらを平安時代では何種類も使い分けていた。「麗し」はきちんと整っている様子、「艶」はしゃれている様子。「清ら」は源氏物語では天皇と皇族にしか使われていない。例えば、雑誌に載っているモデルを、私が友達に「きれいな人だ」と伝えたいとする。だが、その「きれい」はきちんとしていてきれいなのか、しゃれていてひきつける感じがきれいなのか、「きれい」の一言ではニュアンスが伝わらない。私は友達に自分の思っていることが説明しきれず、もどかしく感じる。こんな時私は、皆が日常的に昔のような言葉を今も使っていたら、「麗し」「艶」が使えるのにと思う。古文を読んだり、大和言葉を聞いたりすると、日本語は上品でやわらかく、美しい言語だと分かる。だが今では普段の言葉遣いが単調で、大抵のことは一つの言葉で終わらせてしまう。私はこんなにも美しい言葉がたくさんあるのに、使わずに埋もれさせてしまうのは勿体ないと感じる。たくさんの人が昔の豊かな日本語を使うようになったら、本当にすてきだ。そんなことを思いながら源氏物語を読み、思いをはせるのである。たまごふりかけ山口県立田布施農工高等学校(山口県)田村愛さん母の弁当には、たまごふりかけが付いている。中学校からずっとだ。きっかけは私の一言。「たまごのふりかけ好きや。」母はそれ以来、ずっと同じふりかけを付けてくれる。正直、飽きている。中学校は部活動の試合の時だけだったので食べられた。しかし、高校では毎日だ。母に「もう飽きた。」と言えば問題解決なのだが、それが言えない。別に「飽きたけ、ふりかけいらんよ。」と言っても、母は怒りはしないと思う。でも、私が好きだと言ったことをずっと覚えてくれているのに……と躊ためら躇ってしまうのだ。やっとふりかけを使い終わったと思っても、「新しいの買って来たけ、使いんさい。」だ。ここまでされたら、本当に言い出しにくい。幼い頃の私なら、普通に言うことができただろう。好き嫌いが多い私が「好き。」と言ったものだからと延々と買い続ける母。少し困っているが、裏返せばこれは母の愛情なのだ。成長とともに遠慮と愛情を学んだ私は、今日も「ふりかけいらんよ。」と言えずにいる。でも、母がたまごふりかけを買ってくる度に愛情を感じることができるので、苦ではない。当たり前のように付いてくるたまごふりかけは、私を幸せな気持ちにしてくれる大好きなものだ。自分の空間山口県立田布施農工高等学校(山口県)山本史織さん人には誰でも他の人には分からない、自分だけの空間というものが存在するのではないかと私は考える。自分による自分のために作られる自分だけの空間で、自分のやりたいこと、好きなことができる、そういうことを願うのは私だけだろうか。部活から帰ってきて疲れた心と体を癒すために音楽を聴き、スマホを片手に小説を読んで自分の世界に入る。これが私の日課となりつつある。私自身小説を書くことが好きなので、いつも常備しているファイルの中はネタだらけ。自分の