17歳からのメッセージReport2016

17歳からのメッセージReport2016 page 39/48

電子ブックを開く

このページは 17歳からのメッセージReport2016 の電子ブックに掲載されている39ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
17歳からのメッセージReport2016

17歳からのメッセージ3817歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧好きなように話を考えることのできるこの小説こそが私にとっての自分の空間だ。日頃できないことや、やってみたいことなどを自由に書いていく。やがてルーズリーフいっぱいに書かれた文章を、さらに頭の中でオチや意外性でふくらませ、スマホに打ちこむ。それを見返しては「あ、ここ変だ。」とおかしな所を見つけては直し、「もっとここは戦闘シーンを入れてみよう。」と、突然思いついたことをつけ加えるなど好き勝手ができる小説は、私の癒しだ。私にとっての自分の空間は小説だったが、他の人はどうだろう……。他の人に邪魔されたくない、これをしている時が1番の幸せ……それこそ自分の空間なのではないだろうか。そんな空間があるからこそ、忙しい日常も乗り越えられるというものだ。不平等と理不尽徳島県立小松島高等学校(徳島県)山田郁也さんこの世界は、不平等で理不尽だ。産まれた時から、家柄や才能、環境などで周りと圧倒的な差がついてしまう。そして、成長するにつれ周りと自分のステータスの違いがはっきりする。周りは出来るのに自分は出来ない。それだけで、周りからばかにされ、蔑さげすまれる。蔑さげすまれるのに耐えられず、努力した。周りの皆よりも出来るようになった。しかし、皆からもらったのは、表面上の賞賛だった。裏では、調子に乗るなと嫉妬の目を向けられた。あぁ、なんと理不尽なことか。出来なければ、蔑さげすまれ、出来すぎれば嫉妬される。あぁ、不平等で理不尽だ。成長すれば、やっていいこと悪いことがわかる。テレビや新聞、周りの大人達を見てみると、ずるをしている者が平然と正しいことをしている者の上にいる。あぁ、なんと不平等だ。法律やルールはなんのためにあるのか。そして、中学・高校に上がれば、それぞれの個性が出てくる。個性は、人それぞれにすばらしいものがある。しかし、出すぎた杭が打たれるように、出すぎた個性も打たれる。多くの者が、それを避けるため、無個性を演じる。学校の授業もそうだ。個性を育てると言いつつ、育て上げるのは統一された無個性である。ゆえに、個性は育たない。このような世の中が、今の日本人を育ててしまう。発言力やコミュニケーション力が育たないのも、このような理不尽な社会が形成されているせいだ。あぁ、なんと理不尽なことか。私の夢香川県立高松養護学校(香川県)長尾春奈さん私には夢があります。両親に「障害をもって産まれてきてよかった。悪くないで?ありがとう。」と胸を張って言うことです。私は、今までの十七年間両親を悩ませ、苦しめてきました。中学校の頃は、教室で「ガイジ」という差別用語が飛びかったり、ある先生に「もし道具をつけて歩いていなかったらお前は人間じゃない。」と言われたりして学校に行けなくなりました。その頃の私は、逃げることしか出来なかったのです。今、思いかえせば、弱くってマイナス思考だったと思います。確かに、傷つけられることは多かったのです。しかし、両親や先生、友達など私を守ってくれる人も少なからずいたのです。そんなことも見えなくなり、周りが怖くってしかたなかった中学生活。障害があったから学校に通えなかった?いいえ、自分が未熟で弱かったから学校に通うことから逃げたのです。もっと自分を知ってもらおうと行動する必要があったのに。私は産まれてから一度も障害者であることを嫌だと思ったことはありません。これからは、障害者であることを自分の力でプラスにしていきたいと思います。中学生時代の私を知っている人たちに会ったら今度は、障害者としてではなく、『私自身』を見て知ってもらえるように笑顔で前向きにがんばります。「お父さん、お母さん。障害をもって産まれてきてよかった。ありがとう!」書道の魅力高知県立高知農業高等学校(高知県)森澤愛さん墨の香りが充満する書道室。授業が終わり、部活のため書道室に入ると、とても落ち着く。私が書道部に入った時は、3年生が3人だけという廃部寸前だった。でも今では、部員は11人。少し増えた。それだけで本当に嬉しいことだ。また、書道の先生が親身になり熱心に指導してくれる。その気持ちに応えるために頑張れる。書道の締め切りはテスト期間中が多いため、勉強も書道もやらないといけないので大変だ。「しっかり優先順位を考えてやりなさい。」「1日2枚でもいいから書いていったら力になる。」これは先生の口ぐせだ。書道はその日の調子によって字が全然違う。うまく書ける日もあれば、全然書けない日だってある。調子が悪い時は10分でやめる時もある。そうやって、1日に何枚も書いて自分が納得する作品を仕上げる。私は今までに、納得いく作品を仕上げたことはない。絶対にどこか気に入らない。そこを断念して作品を出す。この時には後悔が生まれるが、作品が入賞した時の達成感と嬉しさは半端ない。大きい作品は1枚書いただけで、息が切れる。重労働だ。でも迫力がでて、書き終わった後はスッキリする。書道は、1人での作業だが、仲間がいることで、さらに力が発揮できる。地道に書き続けると、どんどん上手になっていく。やればやるだけ力になる。私は、今日も頑張って書いていく。私のサンタさん高知県立高知丸の内高等学校(高知県)東仲南津さん十二月二十五日の朝、毎年私の家はサンタさんからのプレゼントを開けて家族皆で大盛りあがりの日だった。私はサンタさんを信じていた。絵本でよく見かけるように、寝ている間にプレゼントを持ってきてくれるという理想を抱いていた。小学五年生の時のクリスマスの日、頼んでいないのになぜか靴が届いた。頼んでいない物が届くのはこれが初めて