17歳からのメッセージReport2016

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17歳からのメッセージReport2016

17歳からのメッセージ0517歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧テーマ1今までの自分、これからの自分「よか海苔ほど早くしっける。」父の口ぐせだ。父は有明海で海苔を作っている。以前の私は、父のこの仕事が大嫌いだった。父の仕事は熊本でないとできない。それで8月から4月まで父は家にいないのだ。小学生の頃「お父さんが、大っきなプレゼントをくれたんだよ。」との友達の自慢話に、心にポッカリと穴があいて、父の仕事ではなく父が嫌いになっていた。進路が決定したのを機会に、私は父の元へと合格を伝えに遊びに行った。でも父は、朝早い時間に海に行き、昼に帰ってくるなり、また海に…。娘が合格を伝えに来たのにまだ仕事かと思って、私は腹を立てていた。しかし、合格のお祝いにと腕時計を買いに行く車の中で「兄ちゃんも帰りたいけど、大空の学費とか、今後買ってやるケータイ代とか、いろいろあるけん、頑張いよらすとたい。」と、叔父に言われた時、ただただ、「そっか。そうだったんだ…。」と素直に思うことができた。その夜私は何年かぶりに、「ねえ、海苔って今何しよると?」と聞いた。長々と話し続ける父を見て、「あぁ、早く聞いていればよかったなぁ。」と心から思った。高校生になって父の海苔をあげた時、「すっごいパリパリしてて、おいしい。」と友達が言った。そのことを父に電話で話すと、父は、「当たり前たい。おいんとこの海苔は、世界で一番うまか。」と父は自慢げに言ってきた。私は笑ったが、心の中では父と同じ気持ちだった。テーマ2ソーシャルメディアのリアル該当者なし世界で一番の…向陽高等学校(長崎県)田中大空さんテーマ3今、これだけは言いたい!(自由課題)ウォーキングなう。夜一人で歩くのは怖いので、ばぁちゃんと歩いている。現時点でばぁちゃんはオナラを二回した。一回目は出発地点で。二回目は魚屋の角で。私はまだそれには触れていない。それはとりあえず置いといて、ばぁちゃんの話は深くおもしろい。「ばぁちゃんは人生でじいちゃんとしか付き合ったことがない。一途なんよ。」ただ今青春まっただ中な私にとって恋愛話は興味津々だ。「一人!?すご…。千夏やったら絶対その一人で結婚は決められんなぁ。」ブッ。(えっ!?)ばぁちゃんは三回目のオナラをした。私は触れるべきか迷った。しかしばぁちゃんは何事もなかったかのように話を続けた。お年寄りは歩くと腸がゆるくなるのかなぁ。そんなことを思いながら私も話に答えた。多分ばぁちゃんはオナラをしたことに罪悪感はない。それに気付いているが恥ずかしさはないのだ。そして家に着き、ばぁちゃんは「また歩こうねぇ。いつでも誘ってねぇ。」と手を振り、そして最後にまたオナラをした。計四回。私はそんなばぁちゃんが可愛くて大好きだ。十七歳はもっと大人だと思っていた。だけど、いざ自分がなってみると、意外とそうでもなかった。私が思っていた十七歳は、もっと何かキラキラしていて、大人だった。こんなに悩んでもいないし、疲れてもいなかった。大きくなったら何になりたいかとばぁちゃん山口県立豊北高等学校(山口県)木山千夏さん私の十七歳沖縄県立普天間高等学校(沖縄県)新崎響さんグランプリ3作品