17歳からのメッセージReport2016

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17歳からのメッセージ0817歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞応募参加高校一覧心の底で思っていることがその態度を大きくさせてゆく。その「誰も」とは誰か。それも「ネットイナゴ」だ。彼らを縮小すると、ある人物によく似ていることがわかった。それは「私」だった。テーマ3今、これだけは言いたい!(自由課題)妹へ(和歌山県)匿名希望妹へ、私より一歳若い妹へ。夜、ふとんに入らず居間で寝るのはどうかと思います。いつ誰に踏まれるかと、私は気が気じゃありません。眼鏡をかけたまま寝るのもどうかと思います。そんなのだからフレームがゆがみ、少しの衝撃でレンズが落ちるのです。少し前、いっしょに乗った電車内で「カツンッ」とレンズが落ちたときは笑いが止まりませんでした。なので夜、眼鏡をかけたまま居間で寝るのはやめてください。妹へ、頭は良いはずなのにどこか抜けている妹へ。家族の中で今、一番賢いはずなのに、どうしてそんなに抜けているんでしょうね。私が家へ帰るとあなたが腕を押さえてうずくまっていたことがありました。母が帰って来て、病院へと行き、ギプスを巻いて帰って来たあなた。まさかまさかの骨折。原因はバランスボールから落ちたから。ばかなんですか?頭は良いはずなのに抜けているあなたが、私は心配です。妹へ、私は高校三年生です。進学を希望しています。私の学びたいものは県内の大学にはありません。家から通える範囲にもないに等しいです。多分、一人暮らしをすることになるでしょう。そうなるとあなたが姉弟で一番上になります。賢いあなたですから心配はしていません、と言いたいところですが、やはり心配です。どうかばかなことでケガをしないように、居間で寝ないように、くれぐれも気を付けてください。カレーの革命岡山県立岡山東商業高等学校(岡山県)三瀬朱音さんカレーは好きになれなかった。私がカレーを食べる時は、私と弟の二人しかいない。家族が全員そろっていない食事は、好きではない。なんとなく心にポッカリと穴があいたような寂しい気持ちになるからだ。最近、ある事に気がついた。カレーの味が変わったのだ。とてもおいしいと思った。これはカレーの革命だとまで思ってしまった。前はどんな味だったかなと記憶をたぐりよせているうちに、我が家にはカレーの歴史があると気づいた。トロトロに具材を煮た甘口のカレー。ゴロゴロとたっぷりの野菜が入ったカレー。水をたくさん飲みたくなるような辛いけど旨いカレー。そして、私がカレーの革命と思った優しくてなつかしいような味のカレーだ。その他にも隠し味を入れて、味を少しずつ変えていたようだ。どうして、コロコロと進化させたのだろうか。私なりに考えてみた。自分で言うのは少しばかり恥ずかしいのだが、母が私たちの事を思って作ってくれたからだと思う。トロトロに煮て、具材を小さくしたのは、きっと小さかった弟がのどにつまらせないようにするため。辛いカレーは、私が小学生の時、周りの子が辛いカレーを食べていると聞いて、私も食べたいと言ったから。二人で食べていたカレーは実は愛でいっぱいのデリシャスディナーだったのだ。カレーだけではない他の料理もだ。だから、母には感謝のかわりに「おいしい。」と言う。小さな光西日本短期大学附属高等学校(福岡県)北川有香さん蛍を見ると祖父を思い出す。私がまだ、保育園に通っていた頃。夏の夜道へ散歩に出かけた。祖父の温かな手を握って。月明かり以外に何の明かりもない夜道。少し歩いた先の橋で立ち止まり、辺りを見渡すと、小さな光がぽつぽつと飛んで行く。数匹の蛍が橋の上へ飛んで来た。一つの光を祖父が両手で優しく包み、私の方へ持ってきて、そっと広げると淡い光が祖父の両手に広がった。祖父の手の中の光が、温かくて、きれいで、私はその光を今でも忘れない。久しぶりに、夜道を散歩する。今度は一人で。祖父は私が小学生の時に亡くなった。夜道は月と星の光で少し明るい。今も夜道は変わらない。でも、変わったところもある。橋に着き、橋の下を見ると一つ小さな光がついたり消えたりしている。また一つ、遠くで小さな光が飛んで行く。また一つ…そう思って辺りを見渡すが他に光はない。私の家の近くにはコンビニや大きな店舗はない。ずっと変わらないと思っていた。でも、少しずつ変わっていたところがあった。蛍はきれいな水辺でしか生きられない。とても儚い命。普段生活していても周りの景色の変化はほとんど感じられないけれど、確かに変化していたのだ。私は祖父と見た、小さな光を、これからも忘れないと思う。その光を、自分の子どもや孫たちが見られるように、蛍がこれからも生きられる環境を守り続けて行きたい。私の一生宮崎県立宮崎北高等学校(宮崎県)小佐々汐夏さん「イテッイテテ。」僕は、たんぽぽ。今たくさんの人に踏まれ続けている。痛い。とにかく痛い。葉っぱだけしかない今の僕はじゃまものあつかい。でも、待ってろ。僕は、黄色の花。そして、白い綿になれるのだ。あっ。きた。小さい女の子が僕に近寄ってきた。僕をちぎり、母親にプレゼントしている。痛い。痛かった。でも、女の子も母親も笑顔になっていた。僕のこの黄色の花は、人の想いを人に届けることができるのだ。おっ。今度は、団体客だ。僕の白い綿毛を「ふー。」とふいている。今度も痛かった。でも、子どもも大人も楽しんでくれた。僕の綿毛はたくさんの人を楽しませる遊び道具にもなるのだ。僕の人生は短い。ちぎられたら、そこで花としての人生はいっきに短くなってしまう。でも、僕は後悔なんてしない。自分で変わろうとしたから、変わることができたから、人の