17歳からのメッセージReport2017

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17歳からのメッセージ1717歳からのメッセージ奨励賞学校特別賞応募参加校一覧学生審査員賞金賞銀賞グランプリまるで「カメラマン」だ。私が中学生になってカヌー部に入ると、父は私が出場する大会の写真も撮り始めた。大会は全国各地で行われる。その大会に父はキャンピングカーに乗ってついてくる。そんな父をみんなも「カメラマンみたいだね。」と言う。私はそんな父が恥ずかしかった。私は高校生になり、ここでもカヌー部に入った。すると父は、今度はみんなの写真も撮り始めた。父が写真を現像し、それを私がクラブのみんなに渡すと「ありがとうってお父さんに伝えて。」と言われた。そのことを父に言うと、父は「趣味で撮ってるからな。」と言った。父は少し照れているようだった。私も少し嬉しくなった。今なら理解できる。父が私を支え、見守ってくれていたことを。そして私はいつか大切にするべき家族を持ち、そんな家族を支え、見守れる「カメラマン」になりたい。「今日の晩ご飯はからあげかチキンカツどっちがいい?」母が私に聞いてきた。私は「チキンカツがいい。」と言った。しかし、晩ご飯の時間になりキッチンの机の上を見るとからあげがあった。母は、私にわざわざ「どっちがいい?」と聞いてきたのにからあげを作っていた。母は自分の中で答えが決まっているのに私を含め家族に相談をしてくる。母はそれ以外にも「この服、黒とグレーどっちがいい?」と聞いてきて私は「グレーがいいと思う。」と言ったら「えーでも黒の方が合わせやすいと思う。」と言って結局、黒い服を買っていた。私はそんな母にいつも聞いてくるなら私の意見したことを少しは取り入れてほしいなと思っている。そこで私は母に、なぜわざわざ相談してくるのに私の意見を取り入れてくれないのか聞いてみた。そして母はこう答えた。「私は、自分の中で答えは決まっているけど自分の意見と家族の意見が一緒だと嬉しいから。」と。私はそう言った母の顔を見て思いだした。母の意見と家族の意見が一緒だった時、母はとても嬉しそうだった。そう気がついた時、私は私のお母さん大阪府立貝塚高等学校(大阪府)藤原雛子さん自分の意見を取り入れてもらえなくても母が嬉しいならそれでもいいなと思えるようになった。失礼ながら、あなたは間違っている。あなたのその考えは、一見当然に見えて、そうでなかったりするのだ。だから私は、あなたのその間違いを指摘するのだ。ここからは、身だしなみを整え、背筋をのばして読むことをおすすめする。私がこの間違いに気づいたのは、ある雨の降る暗い日のことだ。私は「私がワタシである」と当然のように認識していたのだが、それは、違うのではないかという不安がこみあげてきた。身分証明書等は、このことにおいて効力を持たない。そして私は「私がワタシである」証拠を探した。そうしてるうちに時が過ぎた。ある日私は「私がワタシではない」と仮定した。しかし、この仮定の証拠は見つからなかった。ある日の桜が満開に咲く道を学校からの帰り道に通った。その桜は、美しかった。そう、美しかった。この時、問題に決着がついた。私は桜がサクラであろうとなかろうと美しいと思う。それなら、私が誰であったとしても良くはないか、別に私がワタシでなくても、さして関係はない。そして桜はサクラとして生まれてきていない。つまり本質的には、何者でもなく、さらにただ美しい物なのだ。その時、私の心は晴れわたった。正直、最近上手くいかないことばかりだが、それは、今が冬だからだ。だから、今はじっと耐えていつか春が来た時に大輪の花を咲かせば良いのだ。そうだったのか。と私は、安心した。この気持ちをあなたに伝えたかった。拝啓お父さん、お母さん、弟へ桜とサクラ大阪府立千里高等学校(大阪府)天野壮悠さん手紙大阪朝鮮高級学校(大阪府)金絹雅さん私は時代遅れなのだろうか。最近のSNS事情にどうも納得いかないことがある。休日に友達と遊ぶと、必ずと言っていいほど、そのことが友達によってSNSに載せられる。その度に私はわからなくなる。遊んだ延長でSNSに出来事や写真を載せているのか、それともSNSに出来事や写真を載せるために遊んでいるのか。その写真に添えられた「めっちゃ楽しかった!まじ最高!」という言葉になんとなく安っぽさを感じてしまう私はおかしいのだろうか。SNSの充実に全力を注ぎ過ぎて、大切なことを忘れてはいないだろうかと私は思う。私が小中学生の時はみんな、その時の一瞬を全力で楽しみ心から笑いあっていた。一緒にいて楽しいと思える仲間とその場の気持ちを共有するだけで良かった。SNSが普及している今、心から大好きだと言える本当の友達は出来るのだろうか。考えすぎな自覚はある。今の時代にこんなことをいつまでも考えている私は、SNSに不向きなのだろう。もちろんSNSは便利で良い面もたくさんある。全てを否定する訳ではないけれども、少し使い方を考えた方が良いのではないかと私は思う。きっとそうすれば、今よりもっと純粋な気持ちで友達と関わることが出来るはずだ。私の父は今年で六十三歳になる。私の友達の親と比べると、かなり年をとっている。父は写真を撮ることが好きだ。私が幼い時から、私と私の兄姉の写真を撮ってきた。そして私が高校三年生になった今でも、私の写真を撮り続けている。私はそんな父が嫌いだった。すぐに写真を撮りたがる。昔から何か行事があると、やって来て私の写真を撮り始める。他の子の親が写真を撮らないような場所で写真を撮り始める。SNS桜花学園高等学校(愛知県)榎本百合華さんカメラマン京都府立久美浜高等学校(京都府)辻颯馬さん