17歳からのメッセージReport2017

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17歳からのメッセージ1917歳からのメッセージ奨励賞学校特別賞応募参加校一覧学生審査員賞金賞銀賞グランプリ泥酔していた。家まで連れ帰り、腹が立ったから玄関に転がしておいた。翌朝、父にそのことを伝えたところ、「わし、そんなことしたかのう。どうりで体が痛えはずじゃあ。」覚えていないらしい。尊敬?考え直そうかな。私はこの春、自殺を図りました。人間関係を上手く築く事がどうしても苦手だった私は、自分の殻に閉じこもり、周りの大人でさえも信じる事ができなくなっていました。誰も信じる事ができないまま生きていく自信がなかったのです。しかし、私を救ってくれたのは数少ない友人でした。「あの子を助けて。」と、私の代わりに叫んでくれたのです。それを聞いた先生が、両親が、他の友人が、側で慰めてくれました。抱き締めてくれました。どうしようもなかった苦しみが溢れて、文脈の崩れた拙い言葉が零れていくのを、真剣に受け止めてくれました。ただそれだけで私は生きています。現代は人を信じられない人が多いです。私が伝えたい事は、自分の殻から出る努力をしてほしいという事です。綺麗事にしか聞こえないと思います。私も前までそうだったから。しかし、自分をよく見てくれている人は必ずいます。自分を大切にしてくれている人は必ずいます。私の場合はこのような形で気付けましたが、それは親かもしれないし、先生や友人かもしれません。はたまた将来出会う人かもしれません。もしかしたらそんな人は現れないかもしれません。私は思うのです。かけがえのないその人たちは目の前に現れてはくれないだろう、と。きっと影からそっと見てくれているのだと思うのです。だからどうか周りを捨てないで。僅かな希望で、ほんの少し立ち止まってみてください。終われなかった命で気付いたこと。岡山市立岡山後楽館高等学校(岡山県)岸本舞叶さんすぐに書き始めた。「何を書いとるの?」何と〝食べるな?と私の名前を書いており、これには笑えた。おじいちゃんが、「何でお姉ちゃんの名前書いとるの?」と聞くと、「お姉ちゃんと同じことすれば、食べられんもん。」すごい。賢すぎる。ほぼ真似かもしれないけど、妹は妹なりに考えているんだと思うと感心する。末っ子は、年上の兄弟を見て育つというからな、とぼんやりして、先ほどの私の名前が書いてあるお菓子を食べながら思う。「あ!食べんでよー!」でも、私だったら人の名前は書かない。父は短気だ。すぐ怒る。見た目は温厚そうだが、怒ると面倒くさい。一週間以上口を利いてもらえないことも珍しくない。父は飲み助だ。毎日飲む。とりあえずビール。二杯目からは焼酎。父が飲み会の日なんかはさらに面倒くさい。父が帰ってくるより先に寝ていなければ絡まれる。酒くさいのだ。勘弁してほしい。私も短気である。すぐにイライラする。我慢できなくなると愚痴を聞いてもらう。しかし、父の愚痴は聞いたことがない。父は短気で飲み助だが、真面目な人だ。熱が出ても、せきが止まらないときも、二日酔いで少しくさくても、必ず朝早く会社へ行く。父の弱音も、聞いたことがない。ある日「父は愚痴言わんの?」と尋ねてみた。「言ったところでしょうがない。何も変わらんじゃろ。」私は何も言えなかった。初めて父を尊敬した瞬間であったと思う。父のように、こういうことを本心から言える人間になりたいと思った。高校を卒業するまでのあと数か月、父からたくさんのことを学び、器の大きい人間になれるよう、努めたい。ところで先日、飲み会から帰った父が、人の家の玄関でうちのおとん岡山県立岡山東商業高等学校(岡山県)武久奈々さん私が自分の名前を意識しはじめたのは小学校で自分の名前の意味を親に聞いてクラスで発表をするという授業のときだ。みんなの名前には様々な意味があって、とても素敵で、羨ましかった。なぜなら私の名前の意味は珍しいから、これだけだったからである。しかし、最近親せきのおじさんと話していたときに聞いたのだが、当時母は私の名前を考えるために名づけ用の本を何冊も買っていたらしいのだ。あの授業から十年近く経った今、改めて母に聞いてみた。「春に産まれたから春、美しい桜で美桜、いろいろ考えたけどお父さんがパッとしないって言うから(笑)でもしいなだけは二人とも納得できたの。他の子とかぶることもなさそうだし、しーちゃんって呼びたかったから。確かに漢字に意味はないけど、画数はちゃんと本で調べて考えたよ。あー、懐かしいなぁ。しーちゃんの名前をつけるときすごく悩んで時間かかったんだから。」このとき私は名前の意味ばかりにとらわれていた自分を恥じた。親が一生懸命考えてくれたこと以上に価値があるものはない。そのことにやっと気づけたのだ。私の妹は、八歳。でも、すごく小柄で可愛い。そんな妹は、姉である私の真似をする。例えば、お母さんとたわいもない話で盛り上がっている時。妹はいつも割って入って、何とかお母さんを笑わせようとする。だが、お母さんは素直。お世辞でも笑えばいいのに、話が退屈らしく微動だにしない。「いいなぁ、お姉ちゃんは。いっつもお母さんを笑わすんだけん。」とお姉ちゃんには到底敵わないとでも言うような口調で言ってきた。あと、私は家族にパンを食べられないよう、袋に〝食べるな?と私の名前を書く。これをすれば、決して食べられない。しょっちゅう家族にお菓子を食べられる妹は、それを知って私の妹鳥取県立米子南高等学校(鳥取県)篠村優花さん