17歳からのメッセージReport2017

17歳からのメッセージReport2017 page 24/48

電子ブックを開く

このページは 17歳からのメッセージReport2017 の電子ブックに掲載されている24ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
17歳からのメッセージReport2017

17歳からのメッセージ2317歳からのメッセージ奨励賞学校特別賞応募参加校一覧学生審査員賞金賞銀賞グランプリ私は大人になっても書道を続けていくつもりだ。あの人の字に少しでも近づく為に。「ゆうた勉強は?」「お弁当はやく出して。」「晩ご飯食べないの?」「お風呂入りなさい。」「はやく寝なさい。」これは十七歳になった今でも、母が僕にかけてくれる言葉だ。僕の家は四人家族だ。神戸の大学に進学して兵庫で一人暮らしをしている姉、僕の一個下で内気な弟、そしてフィリピン人の母がいて、今は母と弟と僕の三人で暮らしている。幼い頃に父を亡くし、女手一つで育ててくれた母。日本語もあまり上手ではないし、頼れる親せきも日本にはいない。そんな中、僕たち三人の子どもをここまで育ててくれたことを思うと、どれだけの覚悟がいるか、どれくらい努力したのか、まだまだ未熟な僕には計り知れないことだ。とても感謝している。しかし、僕は母を傷つけてばかりいる。嫌なことがあったら親に当たり、暴言を吐いたりして泣かせたこともたくさんある。それでも母は僕のことを悪く言うことはない。むしろ優しくしてくれるのだ。そんな母に、どうやって恩を返していけばいいのだろう。就職希望で母と過ごす時間もだんだん短くなってきた。これまで色々迷惑かけたけど、これからは、母の喜ぶことをたくさんしてあげよう。言われる前に行動しよう。そして、車の免許をとったら母をいろんなところに連れていってあげよう。母と僕岡山県立岡山東商業高等学校(岡山県)矢延勇太さん「何で私を弾いてくれないんだろう、さみしいな」と思っていたはず。「ごめんね、ピアノ」私は昔から、何でもすぐに諦めてしまう事がある。それが私の欠点である。でもそれは長所でもある。諦めてしまい、すぐ次の事に挑戦するからだ。私はもうピアノを弾く事は無いと思っていた。けど、高校に入って友達に誘われた部活。それは音楽部。ギターやベース、そして目にしたのはピアノ。その時「あ、ピアノが私を呼んでる」と思った。その瞬間音楽部に入った。私は将来、保育士になりたい。そのために今では、沢山弾いている。「ただいま、これからもよろしくね」私はそう思っている。ピアノもきっと「おかえり、これからも沢山弾いてね」って思ってくれてるよね?私はずっとあなたが大好き。この筆でもう二十本目になるだろうか。私は小学校一年生から高校三年生の十年間、今までずっと書道を続けている。始めたきっかけは覚えてはいないが気が付いたらやっていた。昔から字を書く事が好きだった私にとっては、書道教室に行くのは苦ではなかったが、筆が苦手だった。小学生の時は楷書に悩まされ、中学生の時は行書に悩まされた。さすがに高校はやらないと思っていた。しかし、ある事がきっかけで高校もやろうかな、と思う様になった。それは、中学三年生の時の書きぞめの覧示会の事だった。私の作品が貼ってある横に大人の作品も貼ってあった。男性の作品であった。その作品に私は衝撃を受けたのを今でも覚えている。まるで女性が書いたかのような美しい線質の中に、男性の迫力が入っていて、私は感動さえ感じてしまった。そこに、たまたまその字を書いた男の人が歩いてきた。その人は自分の字を見つめた後、独り言で「わしもまだまだだな。」と言って別の所に行ってしまった。その時私は、まだこのくらいではやめられないなと思ったのと同時に、あの男の人の様な、人を感動させる事ができる字を書いてみたい!という目標も生まれた。目標に近づく為に島根県立江津高等学校(島根県)上山尚紀さん私は小学校二年生くらいの頃、小さな秘密を隠し持っていた。それは幼い小学生があまり読まなさそうなアンネ・フランクの漫画が好きだったということだ。漫画も本にも全く興味がなかった私だが、夏休みの宿題をするために地元の図書館に行き、探しているとその本に出会った。なにげなく手に取り、借りて家で読んでみた。いくら漫画でも本を全く読んでこなかった私には内容などは少ししかわからなかっただろう。それでもその本がすごく好きだった。なぜ好きだったのかは全くわからないのに、当時はその本から何かを感じて毎日のように読んだ。でも、今考えてみるとアンネ・フランクの大変な環境の中で強く生きる姿や生き方に幼いながらも憧れていたのかもしれない。その本には、アンネ・フランクの名言も記載されていた。その中で今も覚えていて忘れることがなかった言葉がある。それは「太陽の光と雲ひとつない青空があって、それを眺めていられるかぎり、どうして悲しくなれるというの?」という言葉だ。今ある毎日をふつうに生きられるのがどれほど幸せなことなのかということ。そして、今の生活を当たり前だと思ってはいけないということを大人になるにつれ感じた。この名言の意味を小学生の時の私に伝えてあげたい。「最近あの子、私の事全然弾いてくれないなぁ…」私の家にあるピアノはきっとこう思っている。私が幼い頃からあったピアノ。中学二年生の時まで頻繁に弾いていた。嫌な事があった時もピアノを弾いていたら自然と忘れる事もできた。けど、中学三年生の時、高校受験のために勉強を優先するようになってから、前みたいにピアノを弾かなくなった。弾かなくなるうちに、受験が終ってもピアノは弾かなかった。今思えば昔の私の秘密大阪府立貝塚高等学校(大阪府)北田友香さん私とピアノ(私はピアノ)大阪市立汎愛高等学校(大阪府)中野結衣さん