17歳からのメッセージReport2017

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応募参加校一覧17歳からのメッセージ2417歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞最近、胸を張って歩くようにしている。そうする事で、なんだか前向きな気持ちになれるのだ。小・中学校の頃、僕は常に何かにおびえていた。話せばどもるし、勉強も運動も得意ではない。あがり症で、授業で指されただけで顔が火照る。人に言えないようないわゆる「黒歴史」は山ほどあるし、思い出すだけでどんよりとした気分になる。はっきり言って、学校は嫌いだった。しかし、高校という所は中学とは少し勝手が違うようだ。驚いた事に、僕が会話や本読みでつまっても、笑う人は一人もいなかった。会話や授業のペースが途切れても、皆嫌な顔一つせずに聞いてくれる。精神的にかなり楽になった。友人関係にも恵まれて、本当に、一日中話していられるぐらい一緒にいて楽しい奴ばかりだ。気がつけば、委員会やボランティア活動など、今まで敬遠していたものにも参加するようになっていた。高校に入学して一年、ある日母に、「姿勢が良くなったね。」と言われた。鏡を見ると、猫背が治っていた。それを見て、「人は内側から変わっていくんだなぁ。」と思った。高校に入学して変わった事がもう一つある。昔の失敗を思い出さなくなったのだ。今さら変えられない過去を悔やむよりも、未来をより良いものにする事の方が大事だと気がついたのだ。これから先、失敗して、悩んだり落ちこんだりする事もあるだろう。それでも、胸を張って、まっすぐ前を見て、歩いて行きたい。誰かが席を立ったから自分も席を立つ、誰かが授業中話し出したから自分も話し出す、誰かが授業中寝ているから、じゃあ自分も寝ていいかなと思い、居眠りをするなどと今までの自分は何かあるとすぐに「自分と同じようなことをしている胸を張って岡山県立岡山南高等学校(岡山県)西谷和馬さん周りにまどわされない岡山市立岡山後楽館高等学校(岡山県)三羽沙弥さん人間」を探し求めていた。探し求めていた理由の一つに他の人と違うことをし出す、自分からアクションを起こすのは、恥ずかしいという考えがあったからだ。周りと違う行動をとると目立ってしまうのではないかという感情を抱いていた。しかし、その考えは間違っているということに気づいた。誰かが寝ているから、授業中話しているからといって自分も一緒になって寝ていいわけでもないし、話していいわけでもない。違うことをするのは恥ずかしいと思う考えがむしろ恥ずかしいことではないのかと思うようになってきた。自分にとっても周りにとっても良いことになるなら、少しくらい目立っても良いのではないか、そう感じてくるようになってきた。今までの自分は、周りに紛れて他人と足並をそろえて日常生活を送ってきたが、これからの自分は、して良いことと悪いことぐらいははっきりと理解し、周りにまどわされない、自分の意見をしっかりと持った人間になりたい。「あの時、変わることができて良かった。」そう思えるように少しずつ少しずつ変わっていきたいと思った。「何で言わんのん?」私が母から言われるフレーズ。もしかしたら今までで、ナンバーワンかもしれない。そう言われた時の言い訳、理由は、『忘れとった。』勿論実際にそうなのだ。中には言いたくないことも、言わなくても済むだろうと判断することもある。きっとその判断が間違ってきたんだろうと思う。家族としては、「聞きたい」「知りたい」思いを持ってくれているのに、私はそれに応えてこなかったのだ。そのせいで、私の思いは伝わらず、誤解を招いたり、心配や不安にさせてしまった。また、学校生活や友人との関係でも、上手く自分の思いを伝えること広島文教女子大学附属高等学校(広島県)藤井芙美さん伝えられるほうではないと思っている。言わずに済んでしまうことは言わないほうがその場が上手く収まると思ってきた。けれども、それでは逆に混乱をさせてしまうことが分かってきた。そう、しっかりと伝えなければならない。言葉の選び方、文章としての伝え方はまだまだこれから訓練、練習が必要だ。相手の立場に立って、人を傷付けないように、迷惑を掛けないような伝え方を習得するには、たくさんの失敗をして、落ち込んだり、謝ったりする場面もたくさんあると思う。でも、それを乗り越えて、人の気持ちも理解しながら、上手く自分の気持ちを伝えられる人になりたい。視界は闇に覆われて、常に騒音ときつい臭いに囲まれている。歩こうとすると体中が激痛に襲われ、思わず涙がこぼれ、喋ろうとしてもうまく言葉が出てこない。成り立たない会話にさらに追い詰められて、死以外の選択肢が思い浮かばなくなってしまう。昨年、悪化した持病により今までの十七年生きた中で、最もひどい日々を送っていたころの私は、ちょうどこんな状態だった。何度も全てを諦めようと思った。そんな私が一つだけ幸運だったのは、それでも生きてほしいと願ってくれる友人がいたことだろう。彼女たちのおかげで、私は長い闘病生活を乗り越え何とか今も生きている。高校二年生になり、静かな日常を過ごせるようになり始めた今、私の心にはわずかに変化が現れてきている。暗闇に一筋の光が差し込んできたように。たとえば、友人とくだらない話をする。たとえば、列車の窓から景色を眺める。ときどき、また辛くなったときも、ゆっくりお風呂につかったり、お気に入りの音楽を聴いたりしてみる―。そんな、日常の中にある幸せに気付けるようになったのだ。もちろん、今でも不安なことは山程ある。これからもくじけず生きていけるのか、悩むときもある。でも、きっと気付いたこと徳島県立徳島北高等学校(徳島県)吉本朱里さん