17歳からのメッセージReport2017

17歳からのメッセージReport2017 page 28/48

電子ブックを開く

このページは 17歳からのメッセージReport2017 の電子ブックに掲載されている28ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
17歳からのメッセージReport2017

17歳からのメッセージ2717歳からのメッセージ奨励賞学校特別賞応募参加校一覧学生審査員賞金賞銀賞グランプリ他人の悪いところばかりを見る人がいる中で、人の良いところを見つけて好きになれるところ。別に友人の悪いところに目を瞑るわけではない。いけないことはちゃんと指摘する。それでも、他人の悪いところを見つけて、それを嘲笑う人よりも、日常や人の良いところを見つけられる私の方がよっぽど幸せだと思う。良いところだらけの毎日は、とても幸せな宝物です。私は字が汚かった。授業中やテスト、宿題などことあるごとに先生に注意されてきた。また、「字が汚いのが伝染するから近寄るな。」と馬鹿にされたこともあった。小学校の頃の話だ。6年生だった私は既に字のことで叱られることに慣れていた。汚くたって生きていけるからこのままでいいやとさえ思っていた。しかし、ある日の部活終わりに私の大好きなK先生が、「前田、字は人の印象を大きく左右するものだから綺麗に書いたほうが良い。汚すぎることでデメリットはあるけど、綺麗すぎることでデメリットは絶対にない。」と、とても真剣に話をしてくれた。その頃から漢字テキストなどで字の特訓を始めた。学校でやることもあり、「今頃そんな低レベルなものなんでやってんの?」と質問されることもあり多少恥ずかしい部分もあったが、K先生の言葉を信じて特訓を続けた。人の印象を良くするために。今では大分綺麗に書けるようになり、周りからも誉められることが多くなった。小学校の頃は綺麗な字を書くなど想像もつかなかったが、諦めず特訓を続けたあの頃の私と、変わるきっかけをくれたK先生に心から感謝している。人生は一度きり愛知県立名南工業高等学校(愛知県)前田天斗さんその依頼が嬉しかった。私はその気持ちを友人に話した。しかし、友人から返ってきた言葉に私は小さな怒りを覚えた。「天才だから頼まれたんだよ。」と友人が私に向かって楽しそうに言ったのだ。彼女からしたらそれは褒め言葉かもしれないが、私からすれば侮辱の言葉に聞こえた。絵は描けば描くほど、知識や技術が身についていき上手くなる。保育園児の頃からそれをやってきた私の努力を、〝天才?という二文字で片付けられたのが残念だったし、その努力が伝わらない自分の技術に劣等感も抱いた。一年後、別の友人から勉強を教えてほしいと言われ、気まぐれで解説部分に絵を描いて写真を送ると「絵まで描いてくれてありがとう。元気でた。」という文が返ってきた。この言葉を見た時、素直に嬉しいと思うことができた。一年前に生まれた劣等感など吹き飛んでしまいそうなくらいに。人はなんて単純なんだと思うだろう。私もそう思う。だが、それでも良いとも思う。こんな私の技術でも人に元気を与えられたのだから。そして、私は二人の何気ない言葉に踊らされ、今日もペンと消しゴムを走らせる。私の幼馴染みのカリンちゃんの良いところは、純粋なところ。余分な知識が無いから、たまに困るけれど、私と全く異なる思考を持つ彼女との会話は気に入っている。中学からの友人のホノちゃんの良いところは、自分を持っているところ。他人の言うことに左右されず、これが自分なんだと、自信を持って言えるのが羨ましい。高校でできた新しい友人のトモちゃんの良いところは、明け透けなところ。自分の好きなものを、否定されることを恐れずに好きだと言えるのが凄いと常々思う。同じ習い事の友人のマナの良いところは、自分に正直なところ。あれが嫌い、これが好き。隠しもしないでハッキリと言うところには、腹が立つこともあるけれど、自分を誤魔化さないその態度はとても好ましく思う。そして、私の良いところは、人の良いところを探せるところ。あの子の良いところ、私の良いところ愛知県立古知野高等学校(愛知県)加藤風香さん「瑶平はこの三年間で強くなった。」これは、私が中学を卒業する時に担任の先生がかけてくださった言葉だ。高校生になった今でもこの言葉を思い出すことがある。それは私が三年間で多くの人に助けられ、支えられてきたからだと思う。「三年間」といっても私は二年間しか学校へ通っていない。不登校だったのだ。学校が嫌いだった訳ではない。中学生になったばかりだった私は体力的にも精神的にも弱かったのだ。当時の自分は夢も希望も目標も自信もプライドもなかった。それでも私はたくさんの人に恵まれた。学校へ行かせたい気持ちを我慢して、好きなことをさせてくれた両親。苦しい時も常に明るく接してくれた友人。辛い時は先生方が全力で支えてくれた。そういった人達の力があって、努力することの大切さを学べた。一年のブランクを取り戻し辛い受験も乗り越えた。人として「強く」なれたと思う。こうして今、私は不登校というマイナスに思える経験も、「それがあったから成長できた」と、ポジティブに考えている。周りの支えがあるから「強く」なれる。そう学べたことは自分にとって大きな財産だからだ。だからこそ私は感謝の気持ちを忘れないようにしたい。「強くなった。」と送り出してくれた先生のためにも、精一杯、高校生活を走り抜く決意をここで示したい。「絵が上手だね。」小学生の頃からよく掛けられた言葉だ。私は、ある日からその言葉をあまり嬉しく感じることがなくなった。高校二年生の五月、ルーム長に文化祭ポスターの作成を頼まれた。当時は、自分の絵の技術が認められていると思い、「強く」北杜市立甲陵高等学校(山梨県)山口瑶平さん言葉の力伊那西高等学校(長野県)中嶋幸菜さん