17歳からのメッセージReport2017

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応募参加校一覧17歳からのメッセージ2817歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞特殊な役割には、人には分からない楽しさと奥深さがある。しかし、他の人とやっている事が違う分だけ悩みや衝突も多い。僕は高校から始めたボート部に所属している。ボートに乗り、人力で漕いで速さを競う競技なのだが……「僕はボートを漕がない。」けれどマネージャーではないし、れっきとした選手だ。この漕がない選手は舵だしゅ手と呼ばれる役割で、漕そうしゅ手が漕ぐボートの舵をとり、そのボートの統括を行う役割だ。簡単に言えば船長である。しかし、この競技は漕手が花形なのだ。もちろん漕手は体力的に負荷が大きいので、漕いでいない僕に指示を出され、きつい練習メニューを出されるのは納得がいかない。そこで衝突や反発が起きるのだ。他にも漕手は体重を増やしパワーをつけなければならないが、舵手は漕がない分だけ進んでいくボートの重りになってしまうので制限体重ギリギリまで減量をする。絶対に分かり合えないし言い合う事も多々ある。漕がない分だけ精神的に苦しい役割だ。しかし漕手を信頼し、最高のスピードで進む時の疾走感は何にも代えられないほどの快感なのだ。自分が漕いでいない状況の中で、苦悩して統括した漕手達の手で加速するボートに乗り込み、勝利する。難しい役割を続けてきたのはこのたった一つの理由だけなのだ。だからこそ「僕はボートを漕がない。」私は高校二年生の夏、ニューヨークへ留学をした。大きな夢の一つを叶えたことは飛び上がるほど嬉しかった。しかし、言葉の壁は大きかった。外国人とコミュニケーションを取ることは非常に楽しかった。特に仲良くなれた友達は三人いた。三人とも英語を話すみんなとは違う場所岡山県立岡山東商業高等学校(岡山県)藤原聖さん伝わらなかったときの〝もどかしさ?伝わったときの〝嬉しさ?岡山市立岡山後楽館高等学校(岡山県)原なみるさんを一本持っておつりを渡そうとすると先輩は「お前は飲まんだか。」と言ってくれました。そういえばと思い小銭を見てみると百七十円ありました。その時初めて先輩は自分に缶コーヒーをおごろうとしてくれたのだと気づきました。その気遣いにホッとしてそれからの仕事も気軽にできるようになりました。ふれあうっていうのは気遣いの中で生まれると思いました。一人一人が気遣うことによって点が線になることが分かりました。自分も故意に気遣うのではなく、自然に気を遣えるようになりたいです。そしてそれを学べてよかったです。今、この世の中には片親の家庭が増えていると思う。私もその中の一人だ。私は今、母と妹と三人で暮らしている。父は母とケンカをしてしまい、車で十五分程度の所に引っ越してしまった。それから父とは月一のペースで会うようになり、夏休みは父と妹と三人で県外に遊びに行ったりしていた。そんなことを三年繰り返し、私は小学五年生になった。このシステムにも慣れ、父に会わないのも平気になっていた。ある日、小さかった頃のアルバムが目に入り、思い出に浸っていた。その中には四人揃った家族写真、父との写真がたくさんあった。私はその日から寂しくなり父に会いたくて仕方がなかった。私は思いついた。父に迎えを頼み、習い事を始めればいい、母を説得し、私はサッカーを始めた。そして、父と週一で会うことが可能になった。そして最近、父は仕事の都合で隣の県に引っ越してしまった。会えるのは年に二回ペースとなってしまった。けれど私は寂しくない。なぜなら、連絡も取れているし、自分の心も強くなったからだ。私は初め、この家庭環境を嫌い、憎んだ。父と母には、四人で暮らそうと何度も言った。けれど今はこの環境に感謝している。サッカーとも出会え、この歳で父のことが大好きだからだ。次会った時は、サッカーと、私が五歳の頃から父とやっていた戦闘ゲームをやりたい。私と父鳥取城北高等学校(鳥取県)濵本あづささん「いつもきれいにご利用していただきありがとうございます」駅やスーパーのお手洗でこの言葉を見かけることがある。その度にいつも不思議に思っていた。会社側からしてみれば「きれいに使ってください」と思うのが普通なはずだ。また、買い物をした時やサービスを受けた時などほとんどの時に「ご利用ありがとうございました。」と言われる。本当ならばモノやサービスを提供してもらっている私達が「ありがとうございます。」と言わなければならないはずだ。しかし、中にはそうしてもらうのが当たり前だと思っている人は少なくない。店員よりもお客様である自分の方が立場が上だ。そんなことはない。何かを提供してくれる人がいなければ、何かを求めている人がいなければなにも始まらない。これは私達にとってとても当たり前のことかもしれない。だからこそ、お互いが同じ立場で接することで自然と「ありがとう。」という言葉が出てくるはずだ。なにげない日常の中でのなにげない一言がとても大切だということを私達は気づかなければいけない。自分は中学三年生から高校生になるまで色んな人とふれあってきました。思ったことは一人一人違っていて、特徴や個性を見つけるのは難しいと思います。一方で自分が何かに失敗した時や困った時、助けてもらいたい時に人は動いてくれます。それを見て単純だなと最近まで思っていました。高校生活が始まり、生まれて初めてアルバイト、しかも外仕事に就きました。始めたばっかりの頃、不安と緊張が胸を締めつけていました。休憩時間に入り、仕事の先輩が自分におつかいを頼んできました。初めて任された仕事は簡単なことなのに何故か緊張していました。頼まれた缶コーヒー「ありがとう」鳥取県立鳥取商業高等学校(鳥取県)有本彩夏さん人とのふれあいの中で第一学院高等学校(鳥取県)米村涼さん