17歳からのメッセージReport2017

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17歳からのメッセージ3317歳からのメッセージ奨励賞学校特別賞応募参加校一覧学生審査員賞金賞銀賞グランプリ普通だと思っていたが、友達に話すと、どうやら普通ではないらしい。でも私は、そんな母を恥ずかしいと思ったことはない。私が落ち込んで帰って来ると、母はいつも私を笑わせてくれる。何か相談をした時は、真剣に話を聞いてくれる。私にとって母は、心の支えになっているのかもしれない。私の母はちょっと抜けている。ドジで、ドがつく程の天然で、勉強ができなくて、ちょっと頼りない。でも、おもしろくて、明るくて、料理が上手で、優しい。そんな母は、今も昔も、私の自慢の母だ。海の向こうには違う星がある。小さい頃そんな突飛なことを思っていた。自分達と違う色の肌、目、髪。着たことのない服。日本にない形の建物。私には理解できない言葉。まだ幼かった私にとって海の向こうは、遠い遠い不思議そのものだった。中学二年の時、海外研修に参加し初めて海外で十日間過ごした。あっという間の日々。まず思ったのは「海外って意外と近いものだな」ということだった。朝があり、昼があり、夜があり、そこを流れる人々の生活がある。海の向こうは違う星ほど遠くなかった。それでもやはり、日本とは違った。自分の見え方が違うと思った。どんなことができるか、できないか。知っていることがどれだけあるか、知らないことがどれだけあるか。十七年間かけても知り得なかったことに、ふと気付かされたりする。やっぱり不思議な所だと思った。長い付き合いの友達が、ドイツの大学に進学した。尊敬している俳優さんが、演技を学びに海外留学をしている。私よりもずっと自分自身を知っていそうな人達が、自分を探しに海の向こうへ旅立っていく。そこには自分が見つかりやすくなる魔法でもかかっているんだろうか。その感覚を体感した身としては、あながち間違っていないような気もする。違う星じゃないのなら、海の向こうは魔法の王国かもしれない。そんな子どもの頃と大差ない夢見がちなことを、十六歳になった私も思うのだ。海の向こうは聖マリア女学院高等学校(岐阜県)野村美空さん私はブラック部活に所属しています。私の所属している部活は、はっきり言ってきついです。週七で部活があり、年に数えるほどしか休みがありません。練習も一日練習がほとんどです。長期休みもなければゴールデンウィークやシルバーウィークなど、きらきらしたウィークなど一切ありません。私の一日は朝から晩まで部活一色です。だから私たちは世間を賑わしたブラック会社に例えてブラック部活と呼んでいます。でも決っして部活のことがきらいなわけではありません。むしろ私たちはブラック部活のことが好きです。休みがなくてもきつくても、部活は私たちにとって欠けてはいけない青春の一部なんです。それに仲間や先生と一緒にやっているから楽しいし、がんばった分だけ成果も出てきます。だから私たちはブラック部活でもがんばっているんです。でもブラック部活のおかげで時間が足りてません。一日の大半を部活に費やしているので残りの時間が少なすぎます。遊びに行きたくても部活後はもう日が沈むころだから行けません。勉強しろと言われても疲れて勉強ができません。だから今私が言いたいことは、ブラック部活をなくすより二十四時間という短い時間では私には足りないということです。「あっ!」最早日常と化してきた、母の短い悲鳴が聞こえた。様子を見に行くと、台所には割れたコップと、「やっちゃった」と言わんばかりの母の顔があった。私の母はちょっと抜けている。抜けているというよりは、ちょっと変なのかもしれない。家で音楽を流すと、一人で踊り出すし、犬と遊ぼうものなら、一緒になってワンワン吠え出す。かと思えばいつの間にか寝ていたりもする。私はこれがブラック部活長野県飯山高等学校(長野県)小林祐稀さん母岐阜県立大垣養老高等学校(岐阜県)大久保希映さん国家や宗教、民族の争い。どれを取っても幸せにはならない。もっと正しい教育を。教育を受けられない、正しくない教育を受けている人がいる。きっと、同じ人間だから話し合いで済むのではないか。私だけでは無力だが、皆で言えば何か少しでも変えることが出来ないかと。軍や国の最高指導者に言いたい。結局、庶民まで巻き込み、国や人を失うこと。また同じことが起きるのではないか怖い。のり子おばあちゃん、もうすぐ七十歳。愛称は「のりばぁ」。煎餅をかじりながら、いつも歌を歌っている愉快で優しい人だ。そんなのりばぁの得意料理は、僕が大好きなハンバーグである。毎月最後の金曜日は家に帰ると決まってハンバーグの匂いがしてくる。その日は近所のスーパーで野菜のセールをしているらしい。ハンバーグを一口食べると、のりばぁは「どう、うまいけ?」と必ず聞いてくる。「うまいよ。」と言うと、「そうだろう、隠し味にマヨネーズを入れると肉がやっこくなるっつこん。」と自慢気になる。それも、きっと煎餅をかじりながら見てたテレビ番組で紹介された情報なのだろうと思いつつも、子どもの様に喜ぶのりばぁを見ていると、こちらまで幸せな気持ちになる。のりばぁのハンバーグには、マヨネーズの他にも笑顔を生み出す隠し味があるのだ。ハンバーグに秘められたもう一つの隠し味のように、人生において人を笑顔にさせたいと思うようになってきた。のりばぁは「人を笑顔にさせたいなら、まず自分が笑顔になるだよ。」と言う。のりばぁの教えは僕にとってとても大切なものになった。今、これだけは言いたい!人を笑顔にしたいから、のりばぁの様に煎餅を片手にテレビの前で歌を歌おう。笑顔という隠し味を人生にちょっぴり加えるために。のりばぁぐ山梨県立吉田高等学校(山梨県)渡邉倫太朗さん