17歳からのメッセージReport2017

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17歳からのメッセージ3517歳からのメッセージ奨励賞学校特別賞応募参加校一覧学生審査員賞金賞銀賞グランプリそんな社会が綺麗事ではなく当たり前になってほしい。心のバリアフリーはいつしか形あるバリアフリーになっていくと信じている。「ありがとうね、こんなものしかないけれど、良かったら受け取って下さい。」昨年の夏、私はあるおばあさんにこんな感謝をされた。その日は満員電車で身動きもとれない程、人で溢れかえっていた。そのおばあさんは途中の停車駅で乗ってきたのだが、人がいっぱいで乗ることができず、とても困った顔をしていた。その時私は扉の近くにいたので、おばあさんが電車に乗れるよう少し動いて場所を空けた。しばらくして電車が動いて、私はおばあさんに話しかけられた。そしておばあさんは私に冒頭の言葉を言い、折り紙で丁寧に作られたこまを私にプレゼントしてくれた。その時の私は、正直「さりげなく場所を空けただけなのにどうしてこんなにも感謝されるのだろう」と思った。しかし、そのさりげない行動・気遣いでも人を喜ばせることができるのか。そう思うと、何だか心が温かくなった気がした。最近は電車に乗ったらみんなスマートフォンを見ていたりするが、ふと周りを見て困っている人がいたなら、手を差し伸べることがとても大切だと学んだ。これは電車の中だけでなく他の場所でも言えることだと思う。私はこれからもさりげない行動・気遣いができるよう生活していきたい。人は今が一番楽しいということに気づかない。私もそうだった。人の記憶は美化される。嫌でつらいことが沢山あったとさりげない気遣い桜花学園高等学校(愛知県)河合栞奈さん結局、今が一番楽しい。京都府立久御山高等学校(京都府)中嶋榛香さん誰もがスマートフォンに夢中になって、下を向くその光景は、どこか不思議で異様な感じがした。友人と電車に乗る時もそう感じる時がある。友人が鞄を探り出して、スマートフォンを取り出す。そして、その後はずっとスマートフォンを弄っている。私はそれに寂しさを感じる。友人と一緒に居ても、電車の中では私だけがぽつり、一人のような感じがする。電車の中では現実に無関心な人が多い。スマートフォンは非常に便利なツールだ。けれど夢中になりすぎてしまうと、現実で起きていることを見逃してしまう。時には、巡ってきた重要なチャンスを逃すこともあるかもしれない。少しだけでもいいから、画面ばかりでなく、顔を上げて目の前にいる人を見て欲しい。「バリアフリーは心から」私はいつからか、そう思うようになっていた。なぜそう思うようになったのかは自分でもよく分からない。きっかけがあったわけでもないが、いま私が最も誰かに伝えたいことだ。最近あるニュースが話題になっている。それは日本ではじめて、男性カップルが里親になったというニュースだ。私はこれを聞いてとても嬉しい気持ちになった。世界には様々な差別が存在している。人種差別や宗教差別、障がい者差別。同性愛者も差別の対象になりやすい。同性愛者同士が里親になったというのは、そういった人達への関心や理解を深める大きな一歩になったと思う。バリアフリーと聞くと、階段に代わるスロープやエレベーター、多目的トイレや点字ブロックなどが思い浮かぶ。しかし本当のバリアフリーというのは心からくるものだと私は感じている。人は無意識のうちに他者との間に壁をつくってしまいがちだ。その見えない壁は簡単に壊すことができない。最初から壁をつくらないのが一番だが、そういうわけにもいかない。綺麗事に聞こえてしまうかもしれないが、みんな互いに手を取りあって生きていけたらいいなと思っている。心のバリアフリー愛知県立港特別支援学校(愛知県)陣尾紫苑さん私は祖父が好きではない。幼いころよくげんこつで頭をたたかれたし、今でも靴をそろえろだの階段はゆっくり静かに上がれだの口うるさいし、朝から掃除機をガーガーかけてうるさいし、例を挙げたらきりが無いのでこれ以上は書かないが、とてもうざい。しかも、私の大好きな祖母ことおばあちゃんもいじめるのだ、料理がまずいだのなんだのと。おばあちゃんっ子の私にとってはそんな祖父がゆるせないのだ。そんな、祖父の話。おばあちゃんとおじいちゃんはだいたい、いつもけんかをしたり、言い争っていたりする。その日もけんかしていて、おばあちゃんが夕方に出ていってしまった。最初こそ、「(玄関の)鍵をしめておけ。」とおじいちゃんは言ってましたが、時間が経つにつれ、家の中をうろうろうろうろ…。檻の中の猛獣みたいでした。しきりに「帰ってきた?」「おそい。」だの言ってました。結局、おばあちゃんは近所の人の所で話をしていただけでした。おじいちゃんは大きなためいきをついていました。そしてもんくを言っていました。「おそい、締め出すぞ。」と。なんというか、素直になれよ、と思いました。二人とも。電車に乗ると、周りはスマートフォンを弄いじっている人で溢れている。私が本当に小さかった頃はそうではなかったと思う。何時からか、本を読んだり、会話をしたりする人の方が少なくなった。ある日、ふらふらと足取りの覚おぼつかな束無い高齢の女性が電車に乗ってきた。電車は満員で、女性が座れる席は一つも無かった。けれど、誰も席を譲る気配が無い。なぜだろうと思って周りを見ると、皆、画面に夢中で気がつかない。本当に気づいていないのだろうか?おじいちゃん愛知県立古知野高等学校(愛知県)中園雪花さん今、目の前にいる人を愛知県立半田農業高等学校(愛知県)船津妃捺乃さん