17歳からのメッセージReport2017

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応募参加校一覧17歳からのメッセージ3817歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞普通という言葉を発する。私の妹には軽い知的障がいがある。それがわかったのは確か三年前くらいのことだった。私の母はすごく悩んでいた。そして私の妹に「普通の子供に産んであげられなくてゴメン。」と言っていたことを私はしっかりと覚えている。その時私は疑問を感じた。病気があるということだけで普通ではなくなってしまうのか、普通とは誰が決めるものかということだ。私は妹と生活している中で不自由に感じたことはない。毎日とても楽しく過ごしている。私の中ではこの毎日が普通なのだ。母は妹に謝っていたが謝ることは何もなくただ普通というものは人によって違うものなのだと私は思った。世の中から見た普通と私の中の普通は少し違う。だから普通とはその人その人によって違うのだ。一人ずつ違う人生を歩んでいく上で起こるできごとや見るものなど全て違う。だから大人が良く言う普通にしなさいという言葉はとてもおかしいと思うし誰かが決めた普通の中でだけ生きていくのは嫌だ。沢山の普通があるからこそ周りから見た時、普通ではないと感じることがあるのかも知れない。とても難しく、でも使い勝手の良い言葉なのかもしれないと私は思う。誰かの普通も自由の普通も受け入れることができるようになり、理解することができるのであれば、きっと皆が幸せになれるような気がする。今回こうして書いたがやっぱり普通は難しい。私は四人兄弟の末っ子だ。この事を言うと、皆「可愛がってもらえるやん。いいなー。」と言う。いや、決してそんな事はない。末っ子にとっては、毎日が戦いだ。兄弟との戦いだ。特に兄とは、毎日攻防戦が繰り広げられている。まず、私はよくパシられる。そこに拒否権はない。抵抗しようものなら、口で言い負かされ、ひどい妹だとまるで私が悪者かのように言う。パシられる度に、「次こそは言う事は聞かない。」と決意するのだが、大抵それはうまくいかない。例えば、兄にお菓子の買い出しを頼まれると、お駄賃として少しお菓子を分けてくれる。単純な私は、それで機嫌が直り、兄と私(兵庫県)匿名希望日本は、キング牧師の時代ほど、在日の外国人に対して、ひどい扱いをしていないかもしれない。正直、私はまだ子どもで世間を知らない。しかし、何の罪も無いのに、何も知らないのに在日の外国人だからという理由だけで人を差別するのは、絶対におかしいことだと思う。「世界で一番の○○!」というテレビ番組を母と二人で見ていた。美しい景色や、変わった人といった沢山の「世界一」が紹介された。そんな中で私はふと、「私は世界で一番、なんやろ。」と親に聞いてみた。すると母は「なに言ってるん。沙月は世界で一番大切な私の娘やで。」と言った。私はしばらく頭の中の整理が追いつかず、混乱していた。私の母は厳しい言葉をズバっと言う。たいていそれは、親の手伝いをしなかったり、勉強をせずにダラダラとしている時に怒りながらでてくる言葉だ。しかし、普段はあいまいな口調で、「○○かな?」「○○かもね?」といった具合だ。だから、何気なく「一番大切な娘」と胸に刺さる言葉を言われるのは初めてだった。その瞬間、私は「私もお母さんが世界で一番大切だよ!」なんて言うことはできなかった。なぜなら私は今、思春期真っ最中だからだ。母への想いは、恥ずかしくて今は上手く言えないけれど、いつかは必ず言おうと思っている「お母さん、もう少し待っていてね。大人になったらちゃんと伝えるよ。」という想いを込めながら私は、「今は、言いかえせないです。」と少しはにかみながら、きょとんとした顔をしている母に返事をした。私は普通という言葉は難しいと感じる。大人は口を開くと言いかえせないです…兵庫県立猪名川高等学校(兵庫県)福亀沙月さん普通とは兵庫県立神戸商業高等学校(兵庫県)馬場口優花さんする前に医者が「生存率はほぼありません。手術が成功したとしても植物状態でしょう。」絶望だった。もう二度とあの日常が、あの生活が元に戻らないのだと思った。最後に医者から「ご対面をして下さい。」と言われ、父に会った。いつもの元気な父ではなく、弱々しい父だった。意識が少しながらあった父は私に一言言った。「絵は描けたか?」と。私は両親に一度も見せたことがない。何故、そのことを知っているのだろうかと疑問を抱けば母が「あんたが描いた絵、机に置いとったもの、お父さんが見つけてなぁ、特にマンガを絶賛しとったで。」驚いた。まさか、見られているとは思いもしなかったのだ。その時に、諦めていた夢を叶えたいと思った。父の手術は無事に成功し、目を覚ました。今は、四点杖で立って歩けるようになる程まで回復している。父は「どんな状況も諦めんかったら不可能なことでもいける。現に見てみい、植物人間と言われたこの体もこの通り元気や!」父が笑顔で話した。私は今日も絵を描き続ける。夢を叶える為に。先日、キング牧師のことについての映像を授業で見た。キング牧師は、黒人で、黒人と白人で大きく差別されているアメリカで育ち、黒人にも白人と同じ自由があるべきである、人々は平等であるとうったえ続けていた。私は、日本人である。私の友人の中には、在日○○人という日本人でない友人がいる。私自身は昔から他国に関して嫌悪感を抱くことが無かった。しかし、「あの子は在日○○人なんだ。」と何か差別したような目で見る人も見てきた。正直、それを聞いたときは、国が違うからという理由だけでその子を何も知らないのに差別しているのには、怒りを覚えた。政治的には確かに問題があるのかもしれない。けれども、それだけが理由で、その人のことを何も知らないで嫌うのは、絶対におかしい。もし仮に自分が日本人で異国に行き、「あいつは、日本人だから…。」と差別されたら、その国で生活していくのも嫌になるし、自分は何もしてないのにと悲しくなる。「差別」(大阪府)匿名希望