17歳からのメッセージReport2017

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17歳からのメッセージ4117歳からのメッセージ奨励賞学校特別賞応募参加校一覧学生審査員賞金賞銀賞グランプリ物などが皿に載った病院食を見ながら祖母は「りこのお弁当みたいやね。りこの好きな物食べらしちゃりたいけど手が震えて包丁が使えんきね。ごめん。」と言いました。確かによく考えたらいつもお惣菜をつめただけのお弁当でした。でも祖母のお弁当に冷凍食品が入っていた事は一度もありません。毎日毎日、包丁を使わない体に良い物を選んでくれていました。祖母の体調が良くなくなり自分でお弁当を作り出して、祖母の大変さに気づきました。当たり前だった事がそうではなくなった時、ありがたみを感じました。どんなキラキラしたお弁当より祖母のお弁当が世界一です。「女の子は恋をすると可愛くなる。」そんな言葉を聞いたことがある。好きな人に少しでも振り向いてもらえるように、色つきリップをつけてみたり、髪の毛をカールさせてみたり。私も実際に経験済みだ。もちろん、友だちが同じことをしているのを見たこともある。可愛いと言っても、顔が可愛いとかそういうわけではないのだ。好きな人を視界に入れるために、ちょっと遠回りをして教室の前を通ってみたり、「おはよう」のたった4文字の言葉を言うのをためらったり。そういうのを見ていると、「可愛いなぁ。」と思う。それと同時に、私もそんな恋を、青春をしてみたいと感じる。恋をしたことがないわけではないのだが、何かがちがう。もっとこう、私自身も、私の恋を応援してくれている人が見ていてもキュンキュンするような、可愛いと思ってもらえるような恋がしたいのだ。けれど、もうほとんど青春を諦めて韓国のアイドルを見て騒いでいる時点でだめなのだろうが。誰かそんな私とキュンキュンドキドキするような恋を、青春を送ってみませんか。誰かわたしと…高知市立高知商業高等学校(高知県)田村萌香さん上げた手のひらに伝わる温もりと鼓動に、何だか泣きたくなった。手の中の小さな命が愛おしかった。初めて彼女と会ったとき、彼女はとてもかわいいとは言い難かった。彼女は目に見えて痩せ細っていて、目は目やにで塞がっていたからだ。浮き出たあばらを指でそっとなぞると、彼女はふるりと体を震わせた。ウェットティッシュで顔を拭うと、彼女は目を丸くして私を見た。群青だ、と私は思った。夜明け前の空のような青。彼女はよく夜中に起きてはよく泣いた。そのたびに、私は彼女を膝に乗せて寝かしつけてやった。また、彼女は家の中を探検するのが好きだった。ふと目を離した隙に、彼女は私たちが思いもしないような場所にいる。私たちが必死で探していたというのに、当の本人はどこからか平気な顔で現れて、「あら、あんたたち、何してるの?」なんてとぼけるものだから、呆れを通りこして笑ってしまう。また彼女は日向ぼっこが好きだ。窓辺で微まどろ睡む彼女の茶毛が、陽光を透かして黄金に輝くのは、思わず息を飲むほど美しい。二七〇グラムしかなかった彼女は、今や三九〇〇グラムまで育った。よく食べ、よく遊び、よく噛みつく彼女は、私の大切な家族だ。群青から黄金に変わった瞳に「大好きだよ。」と語りかけると、彼女は満足げににゃあと鳴いた。私の母は、看護師だったので、小学校の頃お弁当は祖母が作ってくれていました。正直、祖母が作るお弁当は切り干し大根やひじきばかりで私の好みではありませんでした。お弁当の時、周りの友達は玉子焼きや唐揚げや果物が入っていて、私は自分のお弁当が恥ずかしくてお弁当の袋で隠しながら食べていました。お弁当を家のゴミ箱に捨てる事もありました。私がお弁当を捨てていた事を祖母は気づいていました。それでも毎日毎日作ってくれていました。私が小学校五年生の時、祖母が入院しました。ある日、お見舞いに行ったら、丁度ご飯を食べていました。魚や酢の祖母のお弁当高知県立安芸桜ケ丘高等学校(高知県)川﨑璃子さんいるが、そろそろきつい年齢になってきた。だが、私はまだあきらめない。やっぱり私は高身長になりたい……!先日、ニュースで労働者の過労死問題について取り上げられていた。人が死んでから話題になる何とも皮肉な話で、私は「生きる為に働くのに、働いて死ぬのは馬鹿らしい。」と言った。すると隣にいた父親が「甘えるな。」と言ってきた。父曰く(これは要約だが)「フルタイム+残業をして生活できなくても最低限生活をする為に働くのは仕方ないし、死んでもおかしくはない。」と。私が「馬鹿らしい。」と言ったことに対して怒ったのか、それとも別の意図かはわからなかったが、私は「甘えるな。」と言われたことに疑問を覚えた。高校生という社会を知らないガキの戯言かもしれない。だが、最低限資本主義のことを知っている身からすれば、努力が報われないのはおかしいと思うし、それを改善しようともせず何も行動しなかった、もしくは諦めた人々こそが甘えている、と思った。その甘えが回り回って今の人々に返ってきている。だから、大学を経てこれから社会に出てゆく私達は決して甘えてはならないと思う。今までの無駄な形式などを、自分達の為に変えていかなければならない。綺麗事かもしれないが、この綺麗事こそが当たり前なのだ、と言って、実践しなければならない。生きる為に働くのであって、(自分が決めた場合は異なるが)働いて死ぬことを強要されるのはおかしい。私はそう言い続けたい。忘れもしない。二〇一六年八月二十七日。我が家に新しい家族がやってきた。彼女は小さく、とても軽かった。抱き「働く」ことについて徳島県立徳島北高等学校(徳島県)下平現太さん私の家族済美高等学校(愛媛県)玉木瑞姫さん