17歳からのメッセージReport2017

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応募参加校一覧17歳からのメッセージ4217歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞ただ会話に入りたいからと、わがままばかり言ってた自分に対しての情けなさと、両親に対しての申し訳なさとが混ざって涙が溢れた。その時初めて、親の有難さを心から思い知った。十七歳になった今でも、お小遣いまではもらえていない。しかし、今の生活に不満はない。それはあの日をきっかけに少し考えが大人に近づいたからかなと十七歳の今思う。私は動物が好きだ。特に鳥が好きだ。昔刊行されていたディアゴスティーニの野鳥の世界を集めていたし、別の鳥の図鑑も持っている。最近ツバメを見かけるようになった。みんなは知っているのだろうか。ツバメが家に巣を作ると幸せがやってくると言われていることを。嬉しいことにツバメが家に毎年来て巣を作り子育てをする。幸せがやってくることよりも、ツバメを近くで見れることのほうが私的には重要度が高い。私の部屋からは巣を見ることができないので、祖父母の部屋から見る。そうすると自然と祖父母との会話も増えるので一石二鳥だと思う。何年か前に子ツバメの巣立ちに立ち会えたのだが、そのときの様子は未だに忘れられない。親鳥が招くように巣の近くを飛び、巣の中にいたツバメが飛んだ。しかし、なかなかツバメが飛び去っていかない。親鳥だと思われるツバメがしきりに巣の近くを飛んでいる。よく見てみると一羽だけ巣に残っていて、飛びたいけれど飛べないといったそんな表情で、時折羽をバタつかせていた。頑張れと応援していたら、巣の中のツバメがバサバサッと羽ばたいて飛び去った。嬉しくて寂しかった。今の私は羽ばたくことを諦めた鳥だ。将来という空に向かって羽ばたけるように、まずは、苦手科目から克服していきたい。燕熊本学園大学付属高等学校(熊本県)尾畠萌々さん元気でかっこよかった祖父が突然いなくなってしまったという現実を受け入れられずにいた。月日が経っても祖父がまだ生きているような気がした。そして、この時改めて命の儚さを感じた。祖父が亡くなった翌日、兄の子供が産まれた。まるで祖父の生まれ変わりのように。人の死はとても恐ろしい。いつどうなるか誰にも分からないからだ。昨日まで元気にしていた人が、明日どうなるかなんて誰にも分からない。私が「人間は最後死ぬ事がゴール。」とある人に漏らした時に、「それは違う。」と言われた。「人間は自分に与えられた使命を成し遂げた時に命を終えるのだ。」とその人は言った。何のために生まれ、何を思って死ぬかなんて今の私には分からない。分からないからこそ、その答えを見つけるために、今を生きている。悩み、苦しみ、もがき続けながら。「今はみんなスマホ持っとるのがあたりまえばい。」十五歳の私の口ぐせだった。わが家は両親共働きだけど、とても裕福であるとは言えない状況で、携帯電話どころかお小遣いももらえないほどお金に余裕はなかった。自分専用スマホを持つ友人が徐々に増え、会話の中心にはいつもスマホの話題があった。もちろん、話についていけるわけもなく、私はいつもなんとなく聞くふりをして、頭の中では「スマホさえ持ってたらこの話題の中に入れるのにな」とばかり考えていた。高校生になり、入学を期にスマホデビューした。スマホを持ったことで話題の中に入れて、会話が楽しかった。そんなある日の夜、私はゴロゴロしながらスマホをしていると父が仕事から帰ってきた。帰ってきて早々、父は「今月、ボーナス出るぞ。」と言った。母の話によると実は、私が産まれてから一度もボーナスが出ていなかったらしい。父と母は「これで少しお小遣い渡せるね。今まで我慢させてごめんね。」と言った。私はその言葉を聞いて、十五歳の時、スマートフォン長崎県立長崎明誠高等学校(長崎県)道下優里さん「尊敬する人…姉」これは二つ年下の妹が、中学二年生の学級文集に書いていた事だ。他の人達は両親やスポーツ選手などの著名人を書いていた。「どれだけお姉ちゃんが好きなんやろ…。」母は、少し淋しそうに笑っていた。私は、何だかうれしいような恥ずかしいような気持ちの反面、どこか悪い気もして、少しだけ複雑な気持ちになった。年の差は二つだけしかないけれど、妹のオムツも替えたし、歯磨きやお風呂でシャンプーや身体も洗ってあげた。また、妹が熱を出した時は、近くのスーパーまでスポーツ飲料を買いに行った。これが五歳の私の記念すべき「はじめてのおつかい」になった。けんかをすれば妹は口だけじゃなく、たまには手を出してきて、その時ひっかかれた傷が、未だに残っている。でも可愛い所もある。私が部活動で遠征に行く朝には、応援の手紙を書いてそっとバッグの上に置いてくれている。そしてもう一つ。寝顔は特に可愛い。その寝顔を見ると腹立たしさも消えて、なぜか心が温かくなってくる。よくしゃべり、よく笑い、よくすねて、よく怒っている妹。「お姉ちゃん!お姉ちゃん!!」そう呼んで楽しそうに話しかけてくる妹。そんな妹が大好きだ。そしてまた、家族のかけがえのない絆を感じる瞬間でもある。最近、人の生死について考える。私は、何のために生まれ、何を思って死ぬのだろう。去年の春に祖父が亡くなった。初めて目の前で人の死を見た。なぜか涙は流れなかった。ただ、呆然と立ち尽くしていた。横たわる祖父の手を握ると、とても冷たかった。あんなに妹。希望が丘高等学校(福岡県)近藤眞子さん生きるということ西日本短期大学附属高等学校(福岡県)高岡奈緒さん