17歳からのメッセージReport2017

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17歳からのメッセージReport2017

17歳からのメッセージ04今年も17歳からのメッセージにたくさんのご応募ありがとうございました。今年は17歳からのメッセージ、第17回にあたります。そこで一度原点に立ち戻ってみようということで、テーマを第1回のものと同じテーマにしてみました。特に2つ目のテーマ「人とのふれあいの中で…」は、自分の外側の世界とのつながりを立ち止まって考えてもらいたいという願いから設定しています。2つ目のテーマは例年、「グローバル化」「働くこと」「インターネット社会」など、高校生の日常からもしかしたら少し遠い世界かもしれません。でもそこにやがて歩み出して行くあなた方が、その世界をどうイメージするのか、知りたいと思っています。今回、第1回のテーマと同じにして、当たり前かもしれませんが、変わっていくものと同時に変わらないものを再認識することになりました。それは「今までの自分、これからの自分」、「今、これだけは言いたい!」でも同じです。面と向かう世界は少しずつ変わっていきます。貧困や老人問題、世界情勢などの問題が今年は多く挙げられました。でも向き合う真しんし摯さや、巧まざるユーモア、親しい人への言葉には出せない想いなどは変わらず、それぞれの切実な問題意識が私たちの心を揺さぶりました。いつも、自分の生き方を問い直す、大切な機会と捉えていることは審査員一同の変わらないホンネです。最後にひとつ。今年は男子の皆さんの活躍が目に付きました。これは、今の高校生の何と関連しているのでしょう?皆さんはどう感じられますか?何かの兆し?それとも。来年以降も「17歳からのメッセージ」、見守っていただければと思います。メッセージを文章に書くとは自分の内面を外の社会に向かってさらけ出すということですから、勇気が必要です。自分が17歳だった時、心の中は不安やいら立ちでモヤモヤしていて、外へ出す度胸などありませんでした。多くの高校生が勇気を持って挑戦したことに感服しています。優れたメッセージには、他の人とは異なる独創性が求められますが、それは全くのゼロから生まれるわけではありません。日々の学習や生活、読んだ本や見た映画、友人らとの会話などを通じて、幅広い知識やものの見方を身に付けることが基礎となります。自分なりの視点は、その上に芽生えていくものだと思います。グランプリの「かわいいG」は、嫌われがちな、ある生き物が題材です。作者はなぜ、この生き物から目をそらさず見つめることができたのでしょうか。心の中に、型にはまった先入観は、差別や偏見につながるという危機感があったからではないでしょうか。毎日の暮らしを充実させて、ものの見方を磨いてほしいと思います。メッセージを読み手に伝えるには、表現の工夫も大切です。駆け出しの新聞記者だった頃、文章がうまい先輩から、わかりやすく書くには「三つのC」が大切だと教えられました。Clear(明確に)、Correct(正確に)、Concise(簡潔に)です。高校生のみなさんが作文や論文を書く上でも参考になると思います。今年、最終選考に残った作品は、「高校生らしさ」にあふれたものが目立ちました。「高校生らしい」というのは、大人にとっては最早なんでもないことであっても、書き手にとっては初めて経験する驚き、衝撃、感動の瞬間を丁寧に描写している、という意味合いです。「手をつなげば」はまさにそのような文章だったと思います。さらに、最後の一文は読み手の心の中に何かはっとさせるものが残る、印象的なしめくくり方でした。また、おもしろいものの見方、考え方をメッセージとして発信している作品も印象に残りました。「疑問」や「かわいいG」はそうした代表例です。みなさんも書くときには、こうした自分なりのものの見方や、発見をとりあげてみませんか。テーマ設定や、それをどんな視点・切り口で書くのか、そこにオリジナリティがあるとぐっと読ませる文章になると思います。選ぶテーマに加えて、もうひとつ目を引いたのが文章の美しさやリズムです。落ち着いた美しさがある文章、疾走感があって、いいリズムや韻をふんでいる文章、それぞれに作品の世界観を醸し出すのに良い効果を発揮していました。とくに「完全犯罪のあとに」には詩のような独特の雰囲気がありました。等身大の高校生の素直な気持ちを出せる場がこのコンクールですから、日々の中でのあなたの小さな発見や驚きを書いてみましょう。それこそが「17歳のメッセージ」ならではの良さです。待っています!17歳からのメッセージ運営委員長近藤直美読売新聞大阪本社編集委員川西勝氏進研アドマナビジョンブック編集長原田絵里子氏審査講評