17歳からのメッセージReport2017

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応募参加校一覧17歳からのメッセージ0617歳からのメッセージグランプリ学生審査員賞金賞銀賞奨励賞学校特別賞相手の手の感触。ゴツゴツした手もあるしサラサラした手もある。それから、温度。温かい手もあれば、冷たい手もある。そして、その温度は二人の間で安らぎとなる。二人の温もり。それは誰であっても幸せにしてくれるものだ。小さい頃は母親や祖父母に手をつながれてよく保育園に僕は通った。そういう記憶はみんなあると思う。でも、いつからかこれを恥ずかしがるようになって、もう誰とも手をつながなくなった。結局僕もそうなってしまった一人だから、文句は言えない。それから時が過ぎ、手をつないだ感触を忘れて、僕は高校生になった。高校生になって僕は二つの体験をした。まず、好きな女子と手をつないだこと。最初はお互い顔を赤くして、懸命に冷静な表情を見せながらつないだ手。彼女の壊れそうで、冷たい右手。本当に壊してしまわないように気をつけないと。そんなことを考えながら握った手だった。二つ目は、病院で握った、亡くなる直前の祖父の手の感触。予想よりも温かくて、時を感じさせる手。握る力は弱々しく、震えてさえいた。僕は今週の日曜日、また彼女と手をつなぐ。それは幸せなものだ。そのはずなのだ。でも祖父を思い出すと言葉につまる。なぜだろう。黒くて艶やかな体、つぶらな瞳、そして頭から突き出た二本の長い―触角。僕は昨年の秋から、生物の先生から頂いた南米のゴキブリを二匹飼っている。もうこの時点で作文を読むのをやめる人もいるかもしれない。しかし彼女らは飛び回らず、動きもゆっくりで、さらには果物が大好きというチャームポイントもあるのだ。なんとも可愛らしいではないか。だが、クラスのみんなは誰も分かってくれない。「ゴキブリだから」という理由で気味悪がるのだ。今、これだけは言いたい!(自由課題)テーマ3かわいいG鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校(鹿児島県)堀之内恵志さん世間一般ではよくゴキブリを害虫の象徴としている。しかし、彼らは病気を媒介するでもなく、穀物を食い荒らすでもなく、ただ家に出没するだけである。ゴキブリを見たことは無いけれど嫌い、という人もいるのではないか。つまり「ゴキブリ」と聞いて多くの人がイメージするのは、ゴキブリ本来の姿ではなく、世間の悪い評価によって幼少期から刷り込まれた、凶悪なモンスターの姿なのである。これでは彼らが気の毒だ。僕は皆にゴキブリに偏見を持たず、自分の目で見てよく知ってもらいたいと思う。いや、これはゴキブリに限ったことではない。今の世の中は、個人的なものであれ国際的なものであれ、偏見にあふれているではないか。自ら働きかけ相手を知ろうとすること、これこそが物事を解決する足がかりになるのではないだろうか。そんなことを思いながら、僕は今日も、彼女たちがリンゴを食べ、触角を震わすのを眺めるのだ。今、親とけんか中のあなた。私は、あなたがとてもうらやましい。私は、親とけんかなんてできない。もちろん、親はいる。いるけれど、もし、夜にけんかして、朝起きた時、二度と会えなくなったらと思うと、こわい。みんなの当たり前は、私の当たり前ではないのだ。私の母のとなりにはいつも「死」がいる。二年前に母は病気になった。病院の先生は、「治らないから、治療を続けるしかない。」と言った。その時から、私は、思いたくないけど、見えたくないけど、母のとなりにはいつも「死」があるように見えてしまう。もしかしたら、一年も一緒にいられないかも。いや、今日までかも。と毎日を今、これだけは言いたい!(自由課題)テーマ3今、親とけんか中のあなたへ。鹿児島市立鹿児島玉龍高等学校(鹿児島県)桂妃菜さん学生審査員賞●1作品