学部/大学院・教育内容

木村 俊郎

高等学校での模擬講義・内容詳細

テーマビジネス法への誘い -経営学、経済学、そして法学-
担当教員木村 俊郎(経営学部 ビジネス法学科)
講義内容1. 社会科学とは
経営学、経済学そして法学は社会科学の分野に属する学問です。社会科学は二つの役割を持っています。一つは、学問の対象であるもの(社会)を分析・解明することです。つまり法則を見つけ出すことです。二つ目は法則を用いて、より良い社会を築くことです。つまり理論と応用がそれです。経営学、経済学、法学はともに「富(あるいは財)」を基本に展開する学問です。
 
2. 経営学とは
直接「富」を取得することを研究する学問です。たとえば、(1)どうすれば富が合理的に取得できるか(マーケティングなど)?(2)取得のためにはどのようなシステムを作り上げればよいのか(人事管理、商品管理、顧客管理など)? (3)このシステムが合理的に機能するためにはどのようなメカニズムを備えればよいのか(財務諸表、貸借対照表など)?を研究する学問です。
 
3. 経済学とは
つぎに、経営によって取得した富は分配という問題に行き着くのです。つまり、富が一人に独占されれば社会全体の繁栄に結びつかないのです。独占は社会構成員にうまく富を分配しない限り継続しません。この分配の問題を研究するのが経済学です。国際金融や国家財政のレベルで研究するのがマクロ経済、家庭経済レベルで研究するのがミクロ経済です。まさに経営活動を通して取得した富の合理的・妥当な分配によるヒトの繁栄がテーマとなります。
 
4. 法学とは
経営学、経済学は直接的に富を対象とする学問でした。経営学、経済学はヒトを富との関連で触れます。つまり、そこにはヒトを直接見つめるということが欠けています。だから、富の取得・分配だけではヒトの人格を無視した状況(疎外)が発生するのです。チャップリンの「モダンタイムス」などに描かれています。まさに法学はこのような人格を無視されたヒトを富という桎梏から解放する(人間らしいヒト)役割を担っているのです。
 
5. むすび
このように見てくると社会をひとつの学問の窓からながめることは問題があるといえます。そうだとすればいろいろな観点から社会を見ることができる方がいいに決まっています。そのような知的能力を有することが現代社会においては必要不可欠なことです。ビジネス法とはこのような経営・経済をも履修プログラムにいれて勉強できるといえるのです。
また、今までの法学部が目指していたのは、ほんの少しの法律家を作るため(臨床法学)に、企業に就職する多くの法学部卒業生を無視して講義をしていたといえます。多くの法学部学生は、端的に言えば、置き去りにされていたのです。そして彼等は、企業に就職して再度、独力でまたは上司に叱られながら自分で教育していかなければならなかったのです。ビジネス法とはこのような状況の反省に立って、ムダのない合理的な勉強ができるように、つまりビジネスに必要な法律を中心にして学生に提供する法律学(予防法学、戦略法学、そして臨床法学)であるといえます。