学長・野風草だより

No.248

No.248 2012年7月14日(土)

14年間での寺子屋・黒正塾の受講生は6751名

 日本経済史研究所の第14回寺子屋・黒正塾が、6月30日、7月7日、7月14日と開かれました。これは、私が研究所長の時、1999年から始めたものです。最初は「史料が語る経済史」ということで、古文書を読んだりしていました。近くの瑞光寺で文字通りの「寺子屋」をしたこともありました。その後スタイルも変えながら、今回で14回目となり、延べの参加者は6751名にもなりました。ありがたいことです。長年おいでいただいているファンの方もいます。6月30日には最初に挨拶をさせていただきましたが、顔なじみの方もいらっしゃいました。会場は230名と一杯でした。

 今回は、「関西経済と中小企業―過去・現在・未来―」の共通テーマで3人の講師の方にお話しいただきました。今年から客員教授に来ていただいた宮本又郎大阪大学名誉教授は、「大阪経済の歴史的眺望―伝統と革新の系譜―」で、パワポで写真や図表をふんだんに見せながら、原始古代の河内湖から現在までの大阪の変遷をわかりやすくお話しいただきました。


 同じく本年から客員教授に来ていただいている加護野忠男神戸大学名誉教授は、「地域社会に組み込まれた産地の中小企業」でお話しされました。龍野の醤油業、神戸のケーキ屋さん、京都の舞妓さん、宮大工、、相撲社会など、様々な業種と地域の産業を細かい事例紹介をされながら、なぜ伸びたのか、生き残ったのか、逆に衰退したのかなどを分析されていました。「土着産業」をキーワードに、これからの21世紀における戦略的経営論を展開されました。


 最終回は、植田浩史慶應大学教授が、「東大阪の中小企業集積の形成と発展」のテーマでお話しされました。長年の東大阪での調査研究をふまえてのお話は、きわめて緻密で説得的でした。お三人の先生方、お忙しい中ご講演いただきありがとうございました。お世話いただいた日本経済史研究所、中小企業・経営研究所の皆さま、ご苦労様でした。初代学長の黒正巌博士の名前を冠した寺子屋・黒正塾が、今後とも継続することを切に期待しています。